第3話 ステータスと生まれ変わった女の子。

 ――ここだけアラビア数字を使います――


 フィクル 日差しに強い黒い目 緑色の髪の毛 すらりとした姿にしっかりとついている筋肉。(説明する場面が無かったのでここでだけ紹介します)

 Lv32


 MP:40


 ATK:210

 MTAK:40

 DEF:200

 RES:200

 AGI:180

 DEX:200


 スキル

 一刀両断:Lv3

 ダブルアタック:Lv4

 バックスタブ:Lv1

 砂蹴り:Lv5

 石拾い、石投げ:Lv9

 ダブルファング:Lv4


 望遠鏡:Lv7

 コンセントレーション:Lv4 (集中できる)

 気配隠し:Lv5

 聞き耳:Lv5

 ステップ:Lv4


 罠配置、解除:Lv6

 スローポイズン:Lv8

 低級鑑定:Lv7

 男料理:Lv8


 耐性

 精神汚染耐性:Lv2

 恐怖耐性:Lv2

 閉所恐怖耐性:Lv5

 人型処分耐性:Lv10

 空腹耐性Lv5

 悪臭耐性Lv5

 毒耐性Lv2

 痺れ耐性Lv2


 熟練度

 短剣:Lv4

 片手半剣:Lv7

 弓:Lv5

 ――


 まあ僕はこんな者だな。改めてスキルバランスがぐちゃぐちゃで器用貧乏というのが分かる。


 ミクラはと言うと……


 ――ここだけアラビア数字を使います――


 ミクラ

 Lv1


 MP:500(体内にため込んでいる)


 ATK:3

 MTAK:300

 DEF:5

 RES:280

 AGI:5

 DEX:5


 生活魔法群:Lv1

 ファイヤアロー:Lv1

 コールドアロー:Lv1

 ウインドエッジ:Lv1

 アースショット:Lv1

 ライトニングショット:Lv1


 固有スキル(オーブを取り込むのでは無くて使うほどに成長する)

 きつねの周辺観察:Lv2

 きつねのMP吸収:Lv1

 きつねの機敏:Lv0

 きつねの機知:Lv0

 毎日ちょっとずつだけ努力が出来る子:所持(あるかなしかのスキルため、Lvは存在しない)



 熟練度

 なし

 ――――


 なかなか個性的なステータスだ。

 毎日ちょっとずつだけ努力が出来る子、か……。

 生き延びられた理由はその努力心からかもしれないな。


 色々と考えたけれど、この魔力で魔法が一応放てるなら慣れればすぐに自衛討伐できるようになる。お腹いっぱいご飯を食べた後ならこの名も無き村でのお仕事をこなして隣町までの移動旅費を稼ごうということにした。


 うだうだ考えていると……


「さてここからは女性だけの花園じゃ。村の女子を連れて、ミクラさんの初期装備を調えてやろうでは無いか」



 ということでギルドからほっぽり出された。



 さて一人歩きとなったわけだが、冒険者が村でうろつくのはあまり推奨されていない。冒険者と思わせた魔物や賊が侵入し、暴れ出すからだ。


 とりあえず鍛冶屋によって、今ある短剣と解体ナイフ、止め刺しナイフの修理をお願いした。


「あー、短剣はちょっと修理できるレベルじゃねえな。弱くなっても良いから新しい奴を購入した方が良い。作る一択だ」


 そんなことを鍛冶屋さんに言われたので、お財布にはかなり厳しいが鉄の新しい短剣を用意した。

 可能なら鋼鉄の方が良いし片手半剣が良いんだけど、高いんだよね……


 さて、ギルドに帰ってみると、まだキャーキャーしていた。

「おいおいまだやってるのか? ウチのミクラを遊ぶのもそれくらいにしてやれよう」


 そんな感じでギルドに入った僕はミクラを見て絶句した。


 体中を洗われて垢が無くなり、毛にはワックスを掛けてある。顔には化粧がバッチリと。


 そしてここら辺一体の民族衣装を着させられたミクラは、まるでお姫様のような格好をしていた。


「一日でこんなに変わるのか……ミクラ、綺麗になったね」


 照れ隠ししようにも、本当に素でこういう反応が出てしまう。


「本当ですか、ごしゅ……フィクル様」


「えーフィクル様ってなんですかー? そういうかんけいなんですかしょっくー」


 じょせいAがつまらなそうにそっぽを向く


「ああいや、そうじゃなくて、何も持たずに大森林の中で放置されて、死にそうなところを助けたんだ。それでせっかくなら一緒に旅しないか? と。今は対等な関係になるための練習期間かな」


「あ……あ……なるほど。ごめんなさい」


 Aさんは素直に頭を下げてくる。


「ああいやいや! そんなことしないでも!」


 あわてて頭を上げてもらう。


 一連の流れを見ていたミクラがぽつり


「何をやっているのかさっぱり分かりません……」


 そうだよな、知的教育なんて殆ど受けてないよな。


「ありがとうございます、皆さん。ここで旅費を稼いだら初等教育が出来る街へ行ってみます」


「ここじゃそんなに稼げぬから時間はかかるけど、その代わり基礎体力の向上を狙えるのう。魔法も勉強できる。暴走させては意味がないしの」


 こうして名も無き農村でのスローライフが始まった。


 ちなみにミクラの武器は短剣だったよ。強くなるにはかなり熟練度が必要だけど、護衛程度だからね。

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