第2話 20220523
親父が死んでから一年以上が過ぎました。
また一つ無駄に年を重ねた俺は今でも親父の事を思い出しては目頭を熱くする事があります。
季節毎に親父が好きだった旬の物を思い出してしまう。
親父との思い出が蘇ってしまう。
時間と共に忘れていくとは思うが俺は忘れた方が良いのか忘れたいのかが分からない。
正直自分の中では既に整理は付いていると思っているが、この文章を書いているとそれすらも思い込んでいるだけな気がしてならない。
初期症状が出ていた時点で救急車でも呼んでいればとか、ワクチンが打てていればとか今も考える事はある。
後悔はある。
それでも俺は生きている。
俺は頭も素行も良くは無かった。
そんな俺でも親父に勉強関係で褒められたことがいくつかある。
その中でも一番記憶に残っているのは小学校の時に書いた読書感想文で賞を取った時だった。
俺が宿題提出を終わらせる為だけに書いた、大した時間も掛けずに書いた物だったので当時は何故と言う疑問と嬉しい気持ちが
ごちゃ混ぜで複雑な気分だったと記憶している。
今思えば親父も適当に褒めていただけな気がしてならないが、それでも俺には嬉しかったという記憶が今尚あるのは幸せな事だと思う。
俺は昔から親父が一生懸命に仕事しているのが恰好良いと思っていた。
俺が初めて憧れた職業も親父がしていた仕事だった。
そんな俺が今はこうして物書き見習いのような形で活動していけるのは全て親父のおかげだと今でも思っている。
あの時親父が褒めてくれたから今の俺があるんだと感謝している。
親父、俺には才能は無いかも知れないけどもうちょっとだけ頑張ってみるよ。
こんな事を書いてるのがお袋や兄貴に見られたら何て言われるか分からないけど、それでも一度きりの人生だし、好きなようにやらせてもらおうと思う。
それでも親父が生きているうちに何らかの結果や成果を見せられなかった事をこれから先も悔いてしまうのだと思うけど、それぐらいの後悔は許してください。
どんなに後悔したとしても俺はこれから先も生きれるだけ生きるから。
俺はこれからも親父や色々な人に生かされていく。
最後に、ワクチンの普及もあってか最近はコロナの脅威は薄まっては来ていますが、未だに根絶には至っておりません。
正直ここまでくればもはや根絶は不可能なのかもしれないと思いながらも出来る事なら根絶して欲しいです。
この文章を見て頂いた方々も出来る限りで良いのでコロナが広まらないようにほんの少しだけでも頑張ってみて下さい。
一人一人が少しだけ頑張ればもう少し被害は抑えられると思います。
これから先もコロナで俺達家族と同じような思いをする人達が居なくなることを願っております。
親父がコロナで死んだ日 きゅーびー @kyubiqb
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