第4話
「ごめん…緒方君の話を聞くはずだったのに僕が泣いちゃって…」
溜まった分の気持ちが溢れ出し、落ち着いて深呼吸をした。それを見て撫でていた手が頭から離れた。
「いや、俺のことで悩んでくれてて嬉しい半分申し訳ない半分だから気にしなくていいよ」
「ありがとう」
勝手に悩んで勝手に泣き出した僕に引きもせず、嬉しいとさえ言ってくれた。こんなにも優しい彼が何かを溜め込んでいることが他人事のようには思えなくなっていた。自分も何か返したい、例えエゴでも彼の力になりたいとそう強く思った矢先に、昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴る。
「緒方君さえよければこのまま緒方君の話を聞きたいんだけど、いいかな?」
授業をサボるなんて今まで考えたこともなかったのに何の躊躇もなく出たその言葉に自分が一番驚いた。
「あ…ごめん、僕今どうかしてる」
「んーん、俺も春崎君に話してみようって決意したからそう言ってくれて嬉しいよ」
そう言って深呼吸を一つ吐くとゆっくりと話し始めた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます