第18話 ロマン砲

「シャル、それって…。」


「先ほどメリシアと会ったじゃろ?実はあやつが殺気を放った時にワシは魔法を使おうとしたのじゃ。」


「その時いつものやつらが出てこなかったってことか」


「そういうことじゃ」


「…やっぱり昨日の夜のことが原因なのか?」


「わからんな。ただあれによってワシの身体に何かしらの変化が生まれたのは確かじゃな。」


くそ…。迷惑かけてばっかじゃねえか…。


「そのような顔をするでない。」


「いや、その…。困らせてごめんな。」


「良いのじゃ。ワシがそうしたいからそうしたまでのこと…。


それよりな?現状の打開をせねばならぬのじゃ。


ワシに考えがあるのじゃが、おぬしの協力が不可欠じゃ。


どうじゃ、協力してくれるかの?」


この娘は全くもって大人だな。


—パンッ!


くぅ…目が覚めるぜ。


「おぬし、頬が真っ赤に…。」


「よし!シャル、作戦を説明してくれ!」


—捨てられた闘技場 選手用医務室にて


「それじゃ、準備はいいか?」


「いいぞ…。うぅ、くすぐったいのさ…。」


ティナのしっぽの毛がふわっと広がり、先端が小さく振れている。


くそ、ティナ相手だってのに何ドキドキしてんだ俺は!


ノースリーブから今にも零れ落ちそうなたわわな胸へと一筋の汗が流れゆき、肌を撫でるようにしながら谷間へと姿を消した。


ゴクッ—


俺は今まさにシャルの作戦を実行に移している。


シャルは魔法が現状使えない。

それは、事実上の戦力外通告だ。


そこで白羽の矢がたったのがティナだ。


ノルンやヤリスといった凄腕が帝国に残った以上、戦闘ができるものはティナ以外考えられないからだ。


でも、今のティナでは荷が重すぎる。間違えなく敵は最後に獣王が出てくるだろう。


ティナをこの短時間で少しでも強くしないと…。


そのために—


「んっ…。ふふぁ…。ゆっくりするキスもなんだか悪くないのさ…。」


相変わらず、少し触れるたびに甘い声をだす。だけど今日はなんか違うような…。


「ティナ、今日はその…冷静なんだな。」


今日のティナは俺のペースに任せている気がした。


「だって、初めてお前から誘ってくれたのだ。


事情はあるみたいだけど、それでも獣人の私でも受け入れてくれた気がしたのさ。


だから、いつも暴走して迷惑かけちゃってるし今日だけでも…。うぅぅ、恥ずかしいのさぁ…。」


「獣人?そんなの俺は鼻から気にしてないぞ?」


「え、だって、獣国軍に襲われそうになった時、ひどいことになってたのさ。」


「いや、あれはいらっしゃったお姉さま方が好みじゃなかったというか…。」


「それじゃ、私はどうなのさ?」


「お、お前のことは別に—」


さっきまで振れていた尻尾がしんなりと下を向いている。


「はあ、分かった。正直に言う。


初めて会った時からお前はずーーっと可愛い!


獣人だとダメ?

獣耳に尻尾は男のロマンだっての!


まあ確かにバカでドジでポンコツだけど、そんなん俺も同じようなもんだ!


俺にとってのお前は一緒の目線でいつも一緒にバカをやってくれる最高の仲間だ!!」


「お、お前!そ、そんないっぱい言われたら気持ちぐちゃぐちゃになるのだ!


…でも結構嬉しいのさ。」


ティナは尻尾で俺の足をすりすりしたと思ったら、俺をベッドに押し倒した。


「じゃあ、遠慮なくいくのさ!」


「ちょっ!ティナ!?」


ティナは両腕で俺の両腕をベッドに押し当てると、大の字になった俺の首筋を何度も何度もなめ続けた。


「はあ、ちょっとしょっぱいのだ…。ぜんぶ…全部私が舐めとってやるのさ。」


ティナの息が首筋にかかり、その熱の暑さでさらに汗がにじみ出そうだ。


「ああ、もう我慢できないのさ!」


そう言うとティナは俺の服をびりびりに裂き、自らの服も破り捨てた。


「うぐぅ!!」


ティナのあそこが俺の鼻先を埋める。

強い臭いが俺の中へと入り込んでくる。


「へっへっへっへっ!ぎもぢいのさぁ!あ、ああぁ!」


媚〇のような効果でもあるのか、ティナの臭いを嗅いでいるとどんどん体が熱くなる。


「ティ…ナ!まずい、でちまうっ!!」


暴発した俺の液体はティナの顔面へと襲い掛かる。


それと同時にティナは身体に電気が走ったかのように痙攣を起こして俺の上に倒れ込んだ。


「はあはあ…。激しすぎだっての。」


「じゅるる…。ごちそうさまなのさっ。」


ティナは顔面についた液体を丁寧に舐めとり、満足そうに微笑んだ。


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