第6話 初夜

初夜…。


今日はシャルティアとの初めての夜…。


くんくん。

うん、臭くないな。


この世界に来てからまともな風呂にも入れなかった俺はサッカーくらいできそうな浴場で体を清めた後、帝室のベットで正座をしていた。


キス、どのタイミングでやるんだろ。


ベットインしたらもういつしてもいいのか?

それともする前に聞くのが礼儀ってもんか?


ぎぃぃ。


俺の後に風呂に入ったシャルティアが戻ってきた。


濡れた髪から水滴が1滴だけ絨毯へとぽたりと落ちた。


改めて見るとやっぱり可愛いな。

というよりかは美人と言うべきなのか。


それに…。


「エロい体してるなお前。」


ついぽろっと本音が出てしまった。


「なっ、なな、なんてこというんや!」


ガウンからはみ出そうな乳房を両手で隠し、恥じらうシャルティアは、先ほどまで人を殺そうとしていた女とは思えない艶やかさがあった。


「やはり、男というのは乳房が好きなのかえ?」


「ま、まあ一概には言えないけどな!?」


つい声が裏返ってしまう。


「ワシの父上は昔はメイドどもの乳房を揉み、縛り、吸うていたとメイド長から聞いたのじゃが?」


シャルティアのパパ羨ましいっす。


…待てよ?


この世界のお偉いさんはメイドさんにあんなことやこんな事をしても怒られないのか?


ジーーーッ。


「今お主よからぬことを考えておったじゃろ?」


どうやら俺の嫁さんは勘が鋭いみたいだ。


「別に!なんでもないっすよ!」


「怪しいのう。やはりぬしはワシの元から去らぬよう、霧の魔女がやったという拘束をしてやるかのう。」


「あれは、もういい—」


ドサッ


覆い被さってきたシャルティアの長い髪が俺の頬をくすぐる。


ヤリスの時とは違った甘い匂いがする。


何より、この瞳にはどんな男も逆らうことはできないだろう。


「やさしくするのじゃぞ?」


そういうとシャルティアは少し乱暴に唇を重ねてきた。


静かな部屋に愛し合う音が鳴り響く。


「キス…気持ち良いのう。もっとじゃ、もっとじゃ…。」


なんか、やべえ。

やっぱりすげえ可愛いな。


「なあ、おぬし。意外と筋肉があるのう。」


そう言うと、俺の鎖骨から脇腹までを輪郭をなぞるように触れてくる。


「たくましいのう。男の子なのじゃのう。」


たまらなかった。


物心がついたときから男を知らないシャルティアの性への情熱が身体を伝って流れてくる。


「シャ、シャルティア。すごい…。」


シャルティアのスイッチが入ったのか身体中を撫で回していた手が一旦集中、俺のムスコをスコスコとし始めた。


いや、それだけではない。

身体中を撫で回しながらのスコスコだ。


気持ちいい箇所の数が他の本数とあっていないような…


…?


布団の中の俺の股間が尋常じゃないほど膨れ上がっている。


まるで、人でもいるかのような…。


もこもこもこも


「誰じゃ!」


同じく異変に気がついたシャルティアが布団をはがす。


「んん、つづけないのでしゅか?」


そこには俺のムスコを口いっぱいに頬張るヤリスの姿があった。


「き、貴様なんてことをしているのじゃぁ!!」


シャルティアはヤリスの首根っこを捕まえようとするが、まるで霞のようにその一部だけが一瞬で消える。


「シャルさま?邪魔ですよ?」


ヤリスがそう言ってシャルティアに向けて手をかざすと、シャルティアが急に眠りについた。


「お、おい!シャルティアに何をしたんだ!」


「べひゅに?なんでもなひよ?ちょっとした術の応用だよ?しょんなことより—」


ヤリスの舌使いが一段ギアをあげるのが分かった。


「ねえ、まだ?はやくみたいなぁ。しろーいのでりゅんでひょ?…って!んんっ!」


身体中に強い倦怠感が走る。


「ごちそうさま♡」


そう言うとヤリスはそのまま気絶するかのように眠りについた。

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