第2話 チャンス到来

「大人しくしてないとダメだよ?」


ヤリスがそう言って部屋を出ると俺は繋がれた錠をガチャガチャと乱暴に引っ張り脱出を試みたが、全くの無駄だった。


「くそ!なんだよこれ!」


味わったこともない状況に困惑した。

もしかしたらこの世界の男は迫害されてるとか?

あるいは異国の人間は有無を言わさず拷問?


「どちらにせよ嫌だぁあ!」


「なに?騒いじゃダメでしょう?」


食事を運ぶヤリスは少し困った表情を浮かべた後に俺の隣へと座った。


「はい、あーん♡」


ど、毒に違いない。


「そ、そんなもの食えるかぁ!」


「あーもー。暴れたら食べれないでしょ?」


「いやだいやだいやだぁ!…んん!?」


甘い匂いがした。

森の果実のような優しい甘さが。


その香りが鼻を抜けていく感覚と同時に、

小さく噛み砕かれた野菜やら肉やらが口の中に流れ込んでくる。


「な、なにを!?」


「なにって、間接キス?」


「いや!それ直接キス!!」


「細かいな〜きみ。キスなんてどうだっていいじゃない?」


ヤリスとのキスに興奮してか、急激に体がほてり出す。


「あれ、もう効いてきちゃった?元気さんだねえ、きみ。」


さっきの食べ物に何か入れていたのか。

頭がぼーっとしてきた。


「じゃあはじめちゃおうかな。」


ヤリスはワンピースをさっと脱ぎ捨て、穢れのない真っ白な肌を晒す。


俺はようやく気づいた。


門番に襲われたこと。

爺さんに鈍感とか言われたこと。

そしてヤリスとの今までのやりとり。


そう、今、俺は『モテている』


生前特にパッとしない生活を送っていた俺に遂に春が来た。

しかも相手は俺の超タイプな白人美女。


神様、ありがとう。


俺は覆い被さるヤリスを受け入れた。


「はぁぁああんん!」


異常事態だ。


ヤリスは乳首を触られただけで果ててしまったのであった。

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