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梶先生と最後の進路指導面談が行われた。


「うん、模擬試験の結果もいいですね。これなら第一希望も大丈夫でしょう。杉浦さん頑張ってくださいね」


「はい、ありがとうございます」


本当ならここで“好きです”と告白したいところだったけど、先生の前でいい子でいたい私は受験が終わるまでは気持ちを封印した。

まずは志望校に受かることが先決だ。


早く大人になりたかった。

早く先生に近づきたかった。


梶先生のおかげで私の学生生活は充実したものになった。目標も見つけ、無事志望校にも合格することができた。


卒業式の日、私は先生に告白した。


「先生、好きです!」


「真帆さん、夢に向かって頑張って下さい」


それはもう、あっさりとはぐらかされた。

唯一、私のことを名字ではなく名前で呼んでくれた。ただそれだけだ。


私以外の生徒たちも次々と梶先生へ話しかける。人気者の先生はあっという間に生徒に囲まれ、私は遠いところで見るしかなかった。


先生、好きです。

大好きです。

立派な看護師になったら、また告白します。

絶対に先生のこと振り向かせます。


その想いを口にすることはなく、私の高校生活は終わった。

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