第018話 策謀

ヤマト政策の三本柱[中央集権/半島撤退/対唐親善]は

天皇家と蘇我氏の意見が一致しており特に問題が

起こる事無く進んでいます

唐との親善を探る遣唐使も始まりました(630年)



───



当時の天皇制は長男相続ではなく

[王族の中でふさわしい者が群臣の推戴を受けて]

即位するシステムです

天皇の子が若すぎたら兄弟や従兄弟に

天皇が移るなど思慮分別のある大人がリーダーに

なるようにできています

群臣の協議と推薦が必要なので形式だけ見ると

案外民主的と言えるシステムですが、群臣の側が

蘇我氏の独占チックな感じになってしまっている

ため、1票の格差問題が起きていました


蘇我氏の1票は諸々の群臣100票分です



蘇我蝦夷

( °ㅂ°) 次の天皇は寶皇女ちゃんで

その次は古人大兄皇子くんで



軽皇子

(๑•́︿•̀๑).o(家臣の言いなりじゃないか)



と、蘇我氏によりここまで決まっていました

舒明天皇が死去(642年)し、蘇我氏の予定どおり

寶皇女>皇極天皇が即位します


このシステムを苦々しく思う王族もいました



翹岐

( ̄∇ ̄) だよな! 蘇我はやりすぎだよな!



軽皇子

(๑•́︿•̀๑) 誰?



翹岐

( ̄∇ ̄) 俺も百済で王族やってたんだ

気持ちはわかるよ うんうん

王家が家臣に左右されるのはおかしい!



軽皇子

(๑•́︿•̀๑) わかってくれるの! だよねー!



翹岐

( ̄∇ ̄) なぁ… やらないか?



軽皇子

(๑•́︿•̀๑) 何を?



翹岐

( ̄∇ ̄) 王家の復権さ! フフフ



軽皇子

(๑•́ロ•̀๑)Σ それって…まさか…!



───



この当時、未来のヤマトを担う有望な若者と

呼び声の高い天才児が2人いました



蘇我入鹿

( ° ́ㅂ° ́) 麒麟児とは俺のことYeah



ひとりは蘇我入鹿です

蘇我蝦夷の長男で名門中の名門貴族です

漢学を学び武にも優れた英雄肌でした

ただし名門貴族を笠に着る態度があり

天皇家にも遠慮が無く評判が良くない

ヤンチャ者でした



蘇我蝦夷

( °ㅂ°) そろそろ歳だ 家督を譲る



蘇我入鹿

( ° ́ㅂ° ́) わはは! 任せとけ親父!



蘇我蝦夷

( ; °ㅂ°) お前は調子に乗るからなぁ 心配だ…





中臣鎌足

( ‘・ω・) 勉強は好き 運動キライ



もうひとりは中臣鎌足です

彼は下級貴族の家柄で文官肌ですが特に

軍学に興味を示し、六韜三略(軍学書)を

暗記しているなど学問のあまり進んでない

古代ヤマトでは珍しい才人でした


2人は当時ヤマトに導入したての先進的な漢学を

学んだ貴重な人材でありライバルでもありました



しかしライバルと言われながらも蘇我入鹿は

蘇我氏の当主として活動をはじめ、栄達は

思いのままです

中臣家はヤマトの産土神を祀る[神祇官]の役職に

ありますが仏教導入により神道は肩身が狭く

なっており、重職とは言えない地位に格が

落ちていました



翹岐

( ̄∇ ̄) よう、天才児



中臣鎌足

( ‘・ω・) どちら様?



翹岐

( ̄∇ ̄) お前ほどの天才がツマラナイ閑職で

しがない人生を送るって、満足できるか?



中臣鎌足

( ‘・ω・) 別に不満はない そんな時代だもの



翹岐

( ̄∇ ̄) ならなぜ就職を蹴ってニートしてるんだ?

嫌だからじゃないのか?

蘇我入鹿、アイツは大した人物じゃない

あんな奴に負ける人生でいいのか?



中臣鎌足

(; ‘・ω・) …なにが言いたいのかな?



翹岐

( ̄∇ ̄) 入鹿に勝ちたくないか?



中臣鎌足

(; ‘・ω・) そんな思いはない



翹岐

( ̄∇ ̄) お前の知識と才覚は見事だ!

それを充分に発揮してみたくないか?

今のままじゃ埋もれたまま終わるぞ!



中臣鎌足

(; ‘・ω・) う… 職でも紹介してくれるのかな?



翹岐

( ̄∇ ̄) 違うよ 蘇我入鹿を倒すんだよ



中臣鎌足

(; ‘°ω°) 通報する! 反逆者がここにいるぞ!



翹岐

( ̄∇ ̄) 聞け! このヤマトは遅れてる

漢学を学んだお前ならよくわかるだろ

もっと強くならないといけない

だが今の蘇我体制じゃダメだ間に合わない

唐に飲み込まれる! 変えねばならない!

お前なら、それがわかるし、できる!



中臣鎌足

(; ‘°ω°) …



翹岐

( ̄∇ ̄) 力を貸せよ、そしてヤマトを変えよう

俺はお前を買ってるんだ



中臣鎌足

(; ‘°ω°)Σ ボクが… ヤマトを… 強くする…



翹岐

( ̄∇ ̄).o(墜ちたな)



翹岐は無位無冠ながら高貴な血筋なためヤマトの

政府高官と容易に接触できる立場を得ていました

ヤマト箱舟計画をまんまと利用したのです

こうして翹岐は計画の同志を集めていきます



翹岐

( ̄∇ ̄) 準備は整ったな!

さぁ国盗りを始めようか!

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