第2話 子供の感性

②【子供の感性】


その日私は用事があって、地理学を教えているクラム先生のお宅に伺った。


途中同じ敷地内にある、バーン先生のお宅を通りかかると、何やら可愛い女の子達がオモチャのスコップで、バーン先生のお宅の玄関前に一生懸命穴を掘っていました。

近づいてみると、それはこれから訪ねるクラム先生のお嬢さん達でした。


「君達、ここで何をしてるのかな?」


私の方を見て二人は嬉しそうに、元気よく話してくれました。


「あのね♪ベアーをつかまえるおとしあなをほっているの♪」(姉4歳) 


「ほってりゅの♪」(妹3歳)


「そ…そう……気をつけてね。」


クラム先生のお宅に伺うと、奥さんが出迎えてくれて


「すみません。主人は今所用で外出していて、すぐ戻ると思いますから、中でお茶でも飲んでお待ちください。」


しばらく奥さんと世間話をしていましたが、ふとさっきの娘さん達の可愛い姿を思い出し奥さんに


「そういえばお嬢さん達が、バーン先生のお宅の玄関前で『ベアーを捕まえる。』と言って、落し穴を掘ってましたよ♪」


「あらあら♪♪あの子達ってばそんな事を?」


「流石にいくら郊外の職員用住宅でもベアーは、出ませんよね♪」


「ええ♪流石にベアーは……。」


「‼︎」


「‼︎」


し~ん



「ベアーってもしかして⁇」


そう、彼女達が言ってたベアーとは、我が親友、バーン先生の事でした。


しかしバーン先生、子供達にベアーだと思われてたのか(●´ω`●)


*バーン先生は体が大き過ぎて、職員住宅の玄関から出入り出来ず、横にある大きなガラス戸から出入りしていたので、落し穴には掛かりませんでした。

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