旅館はお風呂が命でしょ

本館から別棟までテクテク歩いて行き、説明を受けた大広間の中に入る。

「ひろーい!」

「すごいわね。これ本当に4人で泊まるの?」

「これが噂のびっぷ待遇ってやつですか!?」

「景色も綺麗」

4人口々に感想を漏らす。

「アヤ! わしはまず大浴場に行くぞい!」

「私も行きます!」

興奮して元のおばあちゃん口調に戻っているイオちゃんと、目を輝かせたシュミカちゃんが、部屋の中央に置かれた机の上からタオルを掴みながら言う。

「怪我しないように気をつけなさいよ、二人とも」

「「はーい」」

二人はカロンさんの注意を聞くや否や、稲妻のように走り出した。


「じゃあ私たちは先に部屋のお風呂を使わせてもらおうかしら」

「うん、そうだね。先に二人だけで使っちゃお」

私の返事を聞くと、カロンさんは重厚な装備を下ろし、身軽な姿でお風呂に向かった。

「アヤ、すごいわよ! 早く早く!」

「今いく!」

いつも通りに見えて、カロンさんもテンションが上がっていたみたいだった。

よぉし。

ギルドのお金だし、目一杯楽しむぞ!

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