いただきます!

「アヤ、魔物は全て討伐したわ」

「うん、みてたよ。おつかれ様」

本当にお世辞抜きでカロンさんの戦いぶりは凄まじかった。

そういえばこんな噂を前に耳にしたことがある。

『10万の敵でやっと絶対剣と渡り合える』と。

一騎当千ですらなく、一騎十万だというのだ。

全く末恐ろしい話だ。

「じゃあ、やっとだけど、ピクニックにでもしましょうか」

「はい!」

「うん、そうしよ」

私たちはカロンさんの後に付いて、丘の上へ歩いて行った。


「ほらイオ。シートを敷いてちょうだい」

「わかってる」

イオちゃんはカロンさんに急かされながら、ピクニックシートを広げる。

「できた」

「やればできるじゃないイオ。偉いわ」

カロンはわざとらしく微笑むと、イオの頭を優しく撫でる。

「子供扱いもするでない!わしで遊ぶのをやめんか!」

「ふふ」

その光景を見て、シュミカちゃんが小さく微笑んでいる。


「じゃ、みんな座って〜」

用意ができたところで、みんなでシートの四角に座る。

シート中央には、パンの入ったバケットと、水筒が置かれている。

「アヤさん、音頭をとってもらっていいですか?」

「私が?良いけど…」

シュミカちゃんが言うと、イオちゃんもカロンさんも私を見て頷いた。


「じゃあ、いただきます!」

「「「いただきまーす」」」

私たちは合掌すると、揃ってバケットに手を伸ばした。

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