いざ依頼消化に!

「アヤさん、いきましょうか」

「うん」

私たちは手早く片付けを終えると、ホワイト・リリィをカロンさん、イオちゃんに任せ、外に出た。


「ちなみにどこに呼ばれてるの?」

「あそこの荒地の木を全部伐採ですね」

シュミカちゃんが指さしたのは、ここから30メートル程離れた、未開拓のエリアだった。

「あ、あそこか。でも、私いる?」

「木は魔法で私が切り倒すので、アヤさんは私の監督ということでお願いします」

「あ、うん。わかった」

私は今日は保護者ってことか。

了解了解。


「村長さん、依頼をこなしにきました」

「おお、『雷電之王』シュミカ様よ! お力添えいただけるとはありがたき幸せ」

村長さんが大仰にシュミカに向かって礼を述べる。

「ではシュミカ様、どうぞこちらへ」

「あの、今日はアヤさんもいるんですが」

私を見ないふりで、シュミカだけを案内し始めた村長さんに、シュミカが苛立ちを含めた声で小さく言った。

「おお、すみません。いらっしゃることに気づきませんでした。勇者様」

村長は、嫌味たらしく言う。

シュミカちゃんはその言い方に、嬉しくもイラッときてくれたみたいだが、私は特に気に障ったりはしない。

今まで散々聞いてきたしね。

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