完成前の依頼処理

カロンさんとシュミカちゃんが、きちんと混ぜ合わせた生地を、整形まで丁寧にやってくれた。

「じゃああとは一次発酵させてガス抜き、整形後、二次発酵だね」

「あとは大半は放置、ですか」

シュミカちゃんが頷きながら言った。

「でしたら、焼く前までの行程は、イオさんとカロンさんに任せて、アヤさんは少し私についてきてもらえますか?」

「あ、うん。いいけど、何するの?」

私はおずおずとシュミカちゃんに尋ねた。

「大木の伐採です」


「ああ、この前町民に頼まれていたやつね。任せたわよ二人とも」

私が返事をする前に、カロンさんが納得言ったように頷いて言った。

「私が力になるとはあんまり思えないけど、頑張るね」

「うん、アヤは特に気をつけてね」

イオちゃんは、心配そうに言ってくる。

「わかってるよ。全く心配性だなぁイオちゃんは」

「それ以上言うでない! おばあちゃんとか言ったら、アヤであっても今度こそ容赦はせん!」

イオちゃんは私を強めに睨んでくる。


「まだ言ってないから!」

「まだ…?」

「い、言ってません!」

あわわわわ。

蛇に睨まれたカエルみたいにすくんでしまう。

「威圧スキルが出てるわよ、イオ」

「いたい!」

カロンさんはイオちゃんの頭をコツンと叩くと、私の体のすくみが消えた。

「レベル1に威圧スキルは強すぎだから、ダメ!!!」

私はイオちゃんに声の限り叫んだ。

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