第16話 寒さ
エリ、とても寒い。
まさかこんな日がくると思ってもみなかった。
エリは、僕との時間を大切に思っていた。
だけど、もう彼女は限界だった。
僕を独り占めできないこと。
僕との未来がなかなか見えないこと。
そのことが、彼女を追い詰めていた。
もう、彼女は、再生していた。
生理が来たんだ。彼女は、再び、女を取り戻した。
彼女は、また、子供が産める体になった。
それは大きな進歩で、そして希望だった。
もう、彼女は自分を大切にしない子じゃない。
自分の未来に希望を抱く、普通の女の子に戻りつつあった。
それは大きな成果だった。そして、それこそが僕の望んだことだった。
エリはもう自ら命を絶とうとする考えには囚われていなかった。
10ヶ月前のエリとは別人だった。
そして、エリは大きな決断をした。
12月28日に僕たちはお別れした。
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