第3話 W
エリ、君の横で眠る。
その事だけが、僕の幸せ。
それが僕たちの日常になれば
どんなに幸せだっただろうか。
僕たちは、互いに家庭があるにも関わらず、3日に一回のペースで逢瀬を重ねた。
それが異常な事くらいわかってる。
だけど、僕たちには時間がいくらあっても足りなかった。
お互いの20年間は、そんなに簡単には埋まらない。
10歳の頃の僕たちは、毎日顔を合わせていながら、告白も、恋人らしいことも出来なかった。
でも、互いに惹かれ合っている事だけは、言葉にしなくても理解していた。
それはまたクラスの皆の共通認識でもあった。
僕たちは皆の公認カップルだった。
担任の教師は、学校でもとびきり評判の良い、新任の熱血漢で、子どもたちを惹きつけてやまない、リーダーシップがあった。
クラス全体が一つになり、その中心には僕たち二人がいた。それは、人生の特別な時間だった。
だからこそ、こうしてクラス会が続く。
エリは、明らかな精神衰弱状態にあった。
僕たちは毎日メールをして、少しずつ心の距離を詰めて行った。
再会して、一週間後、
日本を未曾有の大災害が襲った。
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