第9話 宴の後
はやし立てる歓声に背を向け
足音を忍ばせて立ち去る
この俺には似合わない
賛美と称賛の言葉は
君とは踊れない
おどけたアンコール
奴の方がお似合いだろ
はしゃぐパレードにはね
切れかけた街灯が映し出す
うつろな背の影
踏み締めて歩く
列車の音だけが響く
君が気づく頃には
俺はもういない
探さないでくれよ
独りが好きなのさ
でも心が叫んでる
君が欲しいと
でも気持ちが拒んでる
壊れる事の痛みを
そうさ
俺は臆病者なのさ
薄暗い階段に座りながら
煙を吹かすのがお似合いなのさ
構わないでくれよ
冷えた心に灯りをともすのは
君だけだってことは分かりきっているけど
その温もりを知ったら
俺はもう戻れない
その居心地の良さを知ったら
俺はもう離れられない
これ以上傷つくのはごめんだ
誰かを傷つけるのもな
だから旅に出るのさ
どこでもないどこかへ
そしてまた
独りになれる場所を探すのさ
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