第5話 プラスマイナス
いつの間にか
君が僕の心に入り込んだ
それまでゼロだった状態が
プラスでいっぱいになった
ただそこにいてくれるだけでいい
たたずんでいるだけで
君はそのまま美しい
微笑んでいるだけで
君はそのまま温かい
心地いいよ
君がいるだけで
でも寂しいよ
君の姿が見られないと
どうやら僕だけじゃないみたいだね
こんなふうに思っているのは
君は人気者だから
いつも誰かに囲まれている
僕もその中にいるつもりだけど、
僕だけが外にいるみたいだ
どうしてだろう?
君と目と目が合うだけで
こんなに幸せに感じるのは
どうしてだろう?
君が他の人と目を合わせているだけで
こんなに虚しくなってしまうのは
プラスマイナス
イコール ゼロ
数式ではそう決まっているけど
君の存在を引いてしまうと
なぜかマイナスになってしまうんだ
おかしいよね?
不条理だよね?
プラスになった分を引けば
元通りになるはずなのに
プラスマイナス
イコールじゃなくて
すごくマイナス
不公平だよ
理不尽だよ
君がいなかったら
ゼロのままでいられたのに
ゼロのままでいられたら
マイナスになんか
ならなくて済んだのに
この世の偉い人は
この世の全ては数式で解けるって言ってるけど、
どう説明してくれるのかな?
この不可解な特異点を
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます