第2話 自堕落・昼過ぎ

 んん、まだねむ、たぶん枕元に携帯置いたはず。あった、でもなんで布団ん中あんだろ。ロック画面を見ると、13時06分、まだ眠いな、目が開かない。


 あ、また寝てた。携帯を見ると、14時11分。5分くらいのつもりが1時間も二度寝してしまった。まあいいか、昨日遅かったし。


 てかなんか暑いな、そろそろ夏か?曜日感覚どころか日本の季節すら感じなくなりましたとさ、めでたくないめでたくない。


 うっすいかけ布団をひっぺがながら立ち上がる。なんか指が無意識にYouTubeを開いていた。別に見たいものなんかなかったけど、知らんバンドの曲を垂れ流して意識をはっきりさせる数分が流れていった。


 早朝に飲んだレッドブルを捨てようとしたら、まだちょっと残ってた。やむなく飲んだ。うわ、まず、炭酸抜けてるし、俺寝起きだし。


 朝食ったラーメンを吐きそうになりながら、放置プレイ中だったカップ麺のスープを流し、容器も見ないで燃えるゴミの袋に突っ込んだ。今どきだいたいなんでも燃えんだろ、焼却技術とかそういうの上がってるだろうし。まあでも、最近はゴミより人間の方が炎上してるみたいだけどな、言おうとしたら、声が詰まって出なかった、何してんだろ。一人ノリツッコミ失敗。


 閉め切ってたカーテンを開ける。朝は暗い方がいいけど、寝起きは明るい方が好みだから。つっても北向きだから日は入んないけど。あ昨日干した洗濯物出しっぱだった、でも別にいいか。


 もうだいたい何が起きても「まあいいか」「別に」くらいしか感想が出てこない。感情の起伏はほとんどない、感受性は死につつあるかもしれない。それも別にいいけど。


 一度出た布団に横になって携帯とにらめっこする昼から夕方にかけて。5時を告げる街のチャイムを聴くと、何故か少し憂鬱になる。ほんとになんでだろう。


 「5時の鐘 憂鬱」でGoogle先生に聞いたら、同じ症状を抱える患者が結構見つかった。そうそう、その日が終わる感じ、絶望に近いあの感覚。特に俺なんかニートでまだ起きて3時間とかだから、一瞬で1日終わったみたいな気分はなおさらだ。


 あー-死にてえ。


 いや、普通に嘘。「死にたくねえけど生きるの微妙につれー」が正解。


 特に意味もなくテレビをつけて、夕方のニュースを眺めるだけ。だったら今どきテレビってやっぱ要らねえな、と改めて思った。そういえば受信料払ってないな。尋ねられたことあったっけか。


 そんな感じでいたずらに時間を浪費した昼過ぎから夕方にかけて。昨日と同じ今日、今日と同じ明日が過ぎていく。


 

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自堕落、 成程寝 @naruhodone2

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