第15話『アランの過去』
結局、離婚届が机上に置かれていた日から美加と会う事はおろか、連絡すら取れずに私達夫婦は離婚した。
そして私もヒットマンとして仕事を始めて2年の月日が経とうとしていた。
以前の会社勤めとは違い、今は心から仕事を楽しめている。
収入も会社員時代とは桁が違うほど得ており、欲しい物は何でも手に入るほど金銭的にも満たされていた。
浮気相手だった杏菜とまどかとも今だに連絡を取り合っており、都合の良い日に呼び出し性処理をしている。
まさに理想の人生だ。
仕事の方では、この2年で殺めた人数は80人近く。
暴行のみの人数も加えれば軽く100人を越えるだろう。
始めた当初は見ず知らずの人間に手を下し、報酬を手にする事に多少の抵抗はあったが、今となればそんな抵抗は微塵も感じず、まるで散歩するかのように仕事をこなしている。
しかしまだ活動を始めて2年しか経っていない私は中野と違い未熟の部類に入るので、仕事の時は高確率で怪我を負った。
ターゲットになる人物も自分が狙われる側だと自覚がある人間が多く、それなりに準備しているし抵抗もしてくるので、こちらが楽に殺れる事は稀だった。
初めの数ヵ月は中野とツーマンで仕事をこなしていたが、それだと報酬が中野と折半になるので効率が悪い。
さらに2人だと証拠を残してしまう確率も2倍なので私の方から中野へ相談し、通常よりも早く一人立ちする事となった。
中野には何度も助けてもらっていたので、一人立ち当初は失敗は許されないというプレッシャーに押し潰されそうになっていたが、80人近くも殺めているといつの間にかプレッシャーも消えて無くなっていた。
そして実は森も中野の仕事のパートナーの1人だったらしく、武器や車両の調達係として私とも深く関わる様になっていた。
アランも相変わらず、訓練相手として手伝ってくれている。
以前はアランに子供扱いされ軽くひねられていたが、今では私もアランと同等の格闘スキルを身に付けるほど成長していた。
アランも私と訓練をする時は本気になっているらしく、訓練が終わる時には互いにボロボロになっていた。
そしていつも「カミヤン!ギュウドン!」と言うので、訓練後は必ず牛丼屋に連れて行かれる羽目になった。
決して褒められる様な関係性ではないのだが、私はこの3人と時間を共にする時が幸せだった。
友達以上恋人未満というが、私達は同僚以上家族未満という表現がしっくりくる感じがする。
とある日。
夕方に中野から連絡が来た。
内容は次の仕事に関してだった。
だが今回は私1人ではなく、アランも連れていく様にと指示が入った。
理由を聞くと今回のターゲットは現役の軍人らしく、念の為にアランも連れて行けとの事だった。
既にアランにも説明はしているとの事だったが、私からもアランに連絡を入れた。
アランは私からもの連絡待ちだったようで、準備万端で待っていたらしい。
「カミヤンノトコイクヨ!」とアランは言ったので私は自宅付近のコンビニを待ち合わせ場所に指定し、アランの到着を待った。
そしてしばらくしてアランは待ち合わせのコンビニへ到着した。アランが乗って来た車は今流行りの軽自動車だった。アランに何となくなぜこの車なのか?と聞くと「ミンナノッテル!メダタナイ」と言っていた。
流行りを分かってるのかこいつは?と外国人のアランのどや顔に笑えたが、あまり人目を引きたくなかったので私はすぐ助手席に乗り込み、車を走らすようアランに指示をした。
いつも通りターゲットの詳細や実行する場所の候補が書かれたリストをアランは中野から預かっていたので、漢字の読めないアランに代わり私が読んだ。
「なんだこいつ?犬みたいな名前だな」
いつもはターゲットの名前にさほど興味のない私だが、今回はすぐ名前に目がいった。
「ジン・コリーだって」
まさか外国人がターゲットだったとは。たしかに見た目はいかにも軍人ですって感じがした。
するとアランの顔が少し曇った。
「ん?どうした?」
私が尋ねると、アランは前を見ながら「ソイツ、ヤバイヨ」と言った。
なぜやばいのか?とアランにと問いただすと、アランは重い口を開き、相変わらずのカタコトで話してくれた。
この話はアランが中野と出会った頃までさかのぼる。
アランの故郷は中東に位置するサウジアラビアだ。アランは幼少の頃から父親が軍人だった事もあり、格闘術を学んでいた。そして成人になる頃には師である父以上の格闘スキルを身に付けるようになっていた。
アランは8人兄弟の長男でもあり、正義感が強い青年だった。
だから自分も敬愛する父の様な軍人となり、弱き人間をテロリストからを守る英雄になりたいと思う様になった。
そして成人になったと同時ぐらいに故郷であるサウジアラビアの軍隊に入隊した。
新人はA、B、Cのいずれかの部隊に配属される。
A部隊は自国の防衛が主な任務の部隊。戦争になったら真っ先に駆り出される部隊であり、日本でいう自衛隊だ。
B部隊は他国からの要請があった場合や自国でテロがあった時に駆けつける部隊。日本でいうSATだ。
C部隊は有事が起きる前にそれを阻止する暗躍部隊。部隊の情報が表に出る事が少なく、日本でいう公安警察の様な部隊だという。
アランの父はA部隊の分隊長をしていた。だからアランも父と共に活躍したいとA部隊への配属を希望したが、入隊テストの成績とアランの体型が標準体型だった事もあり、上層部からはC部隊への配属が適していると判断された。
父と共に働ける事を夢見ていたアランは相当ショックを受けたが、父は何とかアランを諭し、アランはC部隊への配属が決定した。
表面上、C部隊は主に情報戦術でテロや戦争を事前に阻止する軍にとって必要不可欠な部隊であった。
だからC部隊はスパイ活動が主な任務だと噂されていたし、実際アランもそう思っていた。
だが配属後、アランは驚愕する。
C部隊はスパイ活動や隠密行動を得意とするインテリ部隊ではなく、殺し屋部隊だったのだ。
殺害、排除、暗殺。。。
過去のどの任務の資料を読み漁っても、ほとんどこの言葉が記載されている。
訓練でもライフルなどは決して使わず、サプレッサーという銃声を限りなく小さくする装置を装着した片手で使用できる武器が使用された。
ナイフなどの刃物類もごつい物ではなく、すぐ折れそうなほど細くコンパクトな物が採用されている。
上官いわく、ナイフは刺すものではなく切るものだと。今時は相手も防刃ベストを来ているのが当たり前であり、ナイフで刺す事は非常に困難だ。だから我々はそんな愚かな攻撃はせず、守られていない首の動脈を切れ!と指導された。
アランは生真面目だった事もあり、教官や上官の言う通りに訓練を積んだ。
そして数年が経ち、アランは部隊の誰もが認める殺戮マシーンと化した。
殺戮マシーンとなったアランは様々な国へ派遣され、要人の暗殺を繰り返した。アランはこの時暗殺への罪悪感はなく、むしろ自分が任務を遂行する事によって国が守られていると誇りに思っていたほどだったらしい。
一方でアランの父は既に退役し、故郷のサウジアラビアで隠居生活を送っている。
結局アランは父と同じ部隊で働くという夢は叶わなかったようだ。
だがアランは国を守る事にのみに意識を集中させ、人事に不満を漏らす事なく働いた。
そして9月15日。アランの人生を変えてしまう事件が起きる。
この頃アランは若くしてC部隊で、分隊長となっていた。
いつも通り本部の指令に従い任務につく。内容は今だ紛争の絶えないパキスタンへと潜入し、現場で指揮を取る上官およびその側近を暗殺または確保するというものだった。
部隊の編成などは全て分隊長のアランに権限がある。
今回はそれほど難易度が高い任務ではないと判断したアランは3人小隊を編成した。
もちろん隊長はアランだ。そして残りの2人は弟のようにめんどうを見てきた若手のロイとアランが入隊後、陰ながらアランを支えてくれた姉のような存在のヴェネッサ。
3人共、故郷はまったく異なるのだがなぜが気が合う仲だった。血は繋がっていないが一緒にいると故郷にいる兄弟を思い出させてくれる。
地獄の様な訓練中でも他愛のない話で笑い合い、3人で一緒にいると居心地が良かった。
アランは自分に権限が与えられた難易度の低い任務には出来るだけこの2人を採用し、少しでも手当てが出るよう秘密裏にひいきしていた。
そして今回の任務もそれほど難易度が高くないと判断し、2人を採用に踏み切った。
今回の作戦ではパキスタンへは警戒されないよう普通の旅行客として入国する。
武器などは現地で偵察をしている部隊から支給される手筈だ。
予定通りパキスタンへ入国すると空港で自分が偵察隊だと言うジャンという男が出迎えてくれた。
異国出身の者だろう。ジャンはアラン達とは違い白人だった。
アラン達は簡単に挨拶を済ませ、
「国内の情勢はどうだ?」
「ここ最近は特にひどいですね。街中でも普通にドンパチが始まりますよ。ここまで酷くなる事はなかった」
隣にいたヴェネッサが神妙な面持ちで「突然酷くなったって事?」と探るように聞いた。
ジャンは伏し目がちで「はい」と返事をした。
ロイが「上層部が作戦を変えたんじゃないですかい?」と、絶対そうだと言わんばかりのどや顔でアランに言った。
だがアランは少し引っ掛かっていた。
(紛争といえど、この程度のレベルで急に作戦をガラッと変えるだろうか…?)
難しい表情をしているアランを見たロイが
「まぁ、とりあえず移動しましょうや」と提案したので、3人はお世辞にも綺麗とは言えない庶民的なジャンの車に乗り込んだ。
アラン達3人はパキスタンの土地勘がないので、まずはジャンの隠れ家に向かいそこで準備を整える事とした。
ジャンの隠れ家に到着するまでに2、3の町を通過したが、どこも銃声が聞こえ火薬の臭いが充満していた。
それを見て3人は現在のパキスタン情勢の酷さを理解した。
ヴェネッサは窓の外を眺めながら
「隊長、これは早急に目標を排除しなければいけませんね」
とアランに言った。
「そうだな」
もちろんアランもそのつもりだ。
すると車が止まり、「ここです。ついて来てください」とジャンが車を降りた。
ジャンに案内された隠れ家は周辺に人気は無く、完全に孤立していた。
「廃墟じゃん!」とロイは笑い、ヴェネッサは光の速度でロイの頭をはたいた。
「いてっ!」
「いくら所属がが違うからって他所様の暮らしている所を笑うもんじゃないよ」
その様子を見たジャンは
「はははっ、別にここは隊が用意した所なのでかまいませんよ」と笑った。
「まぁ、まずはお茶でも飲みましょう!今丁度美味しいのがあるんです」
ジャンの提案に断る理由もなく、アラン達は言われるがまま中に通された。
外観とは裏腹に中は机と椅子とベッドだけの殺風景な部屋だった。
ここでは最低限の生活はしかしていないようだ。
「どうぞ、熱いので気をつけて」
アランは本当は冷たい飲み物が良かったが、なにも言わずジャンに出されたお茶を頂いた。
「で、隊長。どんな感じで行きます?」
出されたお茶を一気に飲み干したロイがせわしなくアランに作戦を聞く。
ヴェネッサとジャンも黙ってはいたが、私の口が開くのを今か今かと待っているのが見え見えだった。
「今回の作戦はお前らも知っての通り紛争中の軍の指揮官および側近の暗殺、または確保だ。しかし見た限り紛争は私の想像以上の規模となっている。初めはなるべく死人を出したくなかったが、いたしかたない。ターゲットの確保ではなく、暗殺に切り替えて遂行する。では早速…ジャン、君が掴んでいる情報を私達に共有してくれ」
「イェッサー、隊長。では…」
ジャンは手帳を取り出し話し始めた。
「現在ここで行われている紛争はパキスタン軍同士の紛争です」
待ったをかけるようにヴェネッサが反応する。
「え!?ちょっと待って。両方パキスタンの軍?ちょっと変じゃない?」
ロイも続いて、「そうだよ。姉御の言う通りそれってちょっと変じゃない?もしそうだとしたら俺達に関係ないじゃないか。ほっとけば良いんじゃないの?」
ヴェネッサとロイはアランを見ながら訴えかけた。
アランは黙ったままジャンに続きを説明するよう目で促した。
「この軍同士の紛争にはある一人の新参者が深く関わっています。その新参者の名はジン・コリー。顔や出身国などの詳細は不明ですが、軍の上層部が指令官として引き抜いたとか…その異例の人事に不満を持った旧指令官がジン・コリーを排除する為に仕掛けたのが原因で、ここまでの規模の紛争となりました」
ここで初めてアランも口を開いた。
「事情と原因は分かった。だがなぜ俺達がこの紛争の後始末をしなければならない?ロイの言う通り俺達の軍にとって関係のない案件だと思うが」
「たしかに隊長の仰る通り、一見他国の我が軍には関係のない案件に見えます。だがもしこの紛争が長引けば近隣諸国にも被害がおよぶ可能性が高い。私達の軍はそれを抑止する大切な役目を担っています」
ヴェネッサが言う。
「ま、私達が納得いかなくても上層部がそうと決めたなら従うしか選択肢はないわ。それで?旧指令官の軍はどっちの方向?ちゃっちゃと始末して帰りまっ…」
「いえ」
ジャンがヴェネッサを遮った。
「何よ?」
「今回の指揮官の暗殺はジン・コリー側です」
ロイが声を上げた。
「はっ?逆じゃね?そのジンって野郎に役職取られたバカが嫉妬で怒り狂って起こした紛争じゃあねぇのかよ!」
ジャンは淡々と答える。
「はい、たしかにそうです。表向きはね。しかし組織に属している限り、そういった納得のいかない人事は付きものでしょう?それぐらいで指令官をしていた程の大物が軍に対して反逆を起こすはずがない。実際にあなた方も紛争の原因を知って、そんな事で?と思いませんでしたか?だから私はもっと深くこの紛争の原因を探りました」
アラン達は黙ったまま、ジャンの次の言葉を待った。
「原因は全てジン・コリーです。味方であれ彼の存在が危険すぎるみたいです。上層部もジンを引き抜いてからそれに気付いた様で。そして上層部が隠密に旧指令官にジン・コリーを排除する様命じたそうです。しかしその事を事前に嗅ぎ付けていたジンが抵抗した。だから紛争となった。仮に今回の任務でジンを消してもパキスタン軍を敵に回してしまう事はまずないでしょう。むしろ我が国と軍がパキスタンから感謝され、今まで以上の国同士の絆が生まれると思われます」
ジャンは話を続ける。
「しかしジンを仕留め損ねると恐らくこの紛争の軍配はジン側に上がります。そうなると政治がメインで武力を持たない上層部はジンの言いなりとなり、軍としての形もガラッと変わってしまう。そうなると今まで他国と結んでいた同盟などお構い無く、準備が出来次第ジン率いるパキスタン軍が近隣諸国に攻め入って来ると思われます」
「近隣諸国に攻め入る目的は?」
アランは少しでもいいからジンの思考を読み取りたいと思った。
「私もそこまでは分かりません…あくまで予測なので」
「そうか…後もう1つ教えてくれ」
「はい、何でしょう?」
恐らくアランを含む3人が気になっていた事。
「ジンが軍にとって大物なのは分かった。だがジンの何がそんなにやばいんだ?」
「洗脳力と残忍さです」
「洗脳力と残忍さ?それだけか?」
「はい。でも奴の洗脳の力はそこらの胡散臭い宗教の教祖なんぞとは比べ物になりません。ジンはマインドコントロールの達人だと伺っております。こっちの軍に引き抜かれて数日で部下の隊員達がジンの為なら死ねると豪語するぐらいですから」
「まじか…そりゃなかなかだなおい」
沈黙の中、ロイが思わず声をあげた。
「我々に捉えられた捕虜全員がジンを崇拝しているぐらいですから恐らく事実なのでしょう。後、残忍さも半端ない様で…我々とはレベルが違うそうです。映画や漫画ではよく残忍なキャラクターが登場しますがそれはあくまでも架空の人物であり人格でもあります。現実ではいくら残忍な人間でも普通は少しぐらい相手に同情する瞬間があるでしょう?ただジンはそこら辺の線が完全に切れてるみたいで。噂では親兄弟全員を自らの手で殺めたとも聞いています」
ロイとヴェネッサは言葉を失っている。
聞かなきゃ良かった。
アランは激しく後悔した。
だが隊長である以上部下を鼓舞し、士気を上げるのも仕事の1つだ。
アランはロイとヴェネッサ2人に
「俺達3人なら大丈夫だ。まだお前らは現場に出た経験が浅いからジンに対して多少不安があるだろうが、こんな奴は現場に出てりゃごまんといるさ。何も心配する事はない。とっとと任務終わらせて国に帰ってウマイ酒を飲もう」
ヴェネッサはまだ不安が拭えてなさそうだったが、ロイはアランの言葉を聞いて気を取り戻した様だった。
だがアランは震えと汗が止まらなかった。服でいくら拭おうが次から次へと汗が流れ落ちる。
いくら殺戮マシーンと言われても、それはあくまで真面目にマニュアル通り訓練を積んだからだけであって、アランは根は優しい男なのだ。
ジンの様に根っからの悪とはもはや人種が違う。
訓練を経て殺しができるようになったアランと、元から悪で殺しを楽しめるジンとなら結果は目に見えていた。
アランは今回の任務が潮時かとジンの話を聞いてから薄々感じていた。
「大丈夫ですか?」
その声でハッとした。
声の主はジャンだった。恐らくジャンは私の心境に気付いているだろう。だが何も言う事なく私の横に立っている。
ジャンから視線を外し、正面を見るとロイとヴェネッサが不思議そうな顔で私を見ている。
「隊長、どうかした?」
ジャンとは違い、私の不安など微塵たりとも感じ取っていない2人を見て私は急に2人が愛おしくなった。
俺はこいつら2人を死んでも生きて国へ帰還させる。アランは覚悟を決めた。
「いいや。ジンの野郎をどうやって殺ってやろうか考えてたのさ。任務は明日決行する。お前ら準備はいいか?」
「イェッサー!」
ロイとヴェネッサの2人は小さく敬礼をした。
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