第20話 社交界①

 翌日、ついに社交界の日がやってきた。

 僕は朝からミルア達メイドにいつもの通り、着せ替え人形にされていた。



「レオ様!かっこいいです!これで社交界に来る女の子達もいちころですね!」



「別に僕はそんな気はないんだけどなぁ・・・」



「いえ!そんなことを言ってもレオ様は先日の模擬戦で多くの人に顔が知れています!それにレオ様はもともとイケメンなのですから女の子たちは何もしなくても言い寄ってきますよ!」



 ミルアの言う通りなところもある。模擬戦で戦ったこともそうだが、僕が男爵位を貰ったことも大きいだろう。貴族社会では僕はかなり有名人だと先日父上から聞いた。

 まぁ、だからと言ってむやみに女の子を侍らせるようなことはしないが。

 しばらくミルアと話しているとどうやら皆の準備ができたようで呼ばれた。今日、僕と一緒に社交界に参加するのは父上と母上の二人だ。マリア母上は家で待っているそうだ。もちろん、兄上達は学校があるので家はいない。

 三人そろったので馬車に乗り込んだ。



「おぉ、レオもばっちり決まっているな!これなら貴族の当主としても恥ずかしくないだろう。」



「私もそう思うわ!今回参加する子供の中で一番位が高いのはレオなのですから堂々としていてかっこいいと思うわ!」



 母上の言う通り、今回参加する子供の中で最高位なのは僕だ。どんなに位の高い貴族の子よりも貴族の当主が偉いというようになっているのだ。



「父上、母上、ありがとうございます。と言っても最初は父上達について回りますけどね。」



「それでもだ、レオに興味を持っていたり縁を結びたい人がたくさん来るだろうからな。今回は俺やディーナが付いているが、次回からは自分で対処しなければいけなくなるかもしれないからな。」



「そうですね。今日は頑張ります。」



 そうこうしているうちに、馬車は城へと着いた。今日の城の前にはいつもとは違い、多くの馬車が止まっている。その行列に並び、少し待つと中へと通された。中に入って少しして馬車を降り、社交界の会場となっているホールへと足を踏み入れた。



「思ってたよりもすごい人数ですね。」



 僕が感想を言うと反応したのは父上だった。



「そうだな。俺は騎士団長として毎年参加しているが、例年通りって感じだな。まぁ、人が多い原因としては子供を連れた貴族だけでなく、大臣とかの国の重役たちも参加してるってことだな。」



「なるほど・・・あっ!もしかしてその人たちがみんな僕に話しかけてくるってことですか?」



 嫌そうな顔をして僕が父上に問うと、父上は苦笑いをしながら、



「皆ってことはないだろうが、ほとんど来るって思っておいた方がいいな。まぁ、安心しろ俺もディーナもそばにいるようにするから。でも、子供たちだけの交流会の時間は一人で頑張れよ。」



「えっ!そんな時間があるんですか?」



「あぁ、そうしないと子供たちは親について回るだけだからな。子供たちの経験のためにもということでその時間をとっている。」



「まぁ、子供だけなら僕に積極的に話かけてくるとは思えませんし、来たとしても適当にあしらっておきますよ。」



「まったく、5歳の子供とは思えない発言だな・・・」



 僕と縁を作ろうとして近づいてくる貴族の親はたくさんいるだろうが、子供ならそんな服芸などしないだろうから少しだけ気が楽になった。それでも王女様とウォーレン公爵の娘さんに話しかけなければいけないので、まだまだ緊張はしているけど。

 しばらく話していると、



「王のご入場である!」



 という、声がホール内に響き渡った。その声を合図にホールの扉が開かれ、そこから見慣れた陛下の姿ともう一人、輝くような金色の髪を腰まで伸ばした僕と同じくらいの年の美少女が陛下の後ろを歩いてきた。

 会場の人々は話をぴたりと止め、美少女に目を奪われていた。ホール内にいる貴族の男児たちは一目惚れをしたようでほとんどが頬を赤らめている。

 そんな状況で僕は一瞬美少女に目を奪われたが、すぐに別のことを考え始めた。



『あれに話しかけんの!?ハードル高すぎない!?」



 と、考えていた。ホール内の状況を見てみるに、多くの男児が王女の婚約者になりたいと考え行動を起こすだろうし、女児だって縁を結ぼうと動くはず。そんな中、話しかけられるだろうか?答えは、否である。

 かといって話しかけずにこの社交界を終えれば陛下に何かを絶対に言われるだろう。この状況にため息をつくと、父上が小声で話しかけてきた。



「どうした、レオ?もしかしてお前もあの王女様に恋をしたか?」



 父上は半分僕をからかうように聞いてきた。



「そんなわけないですよ。確かにかわいいと思いますが。そうではなく、これから王女様は多くの人に話しかけられるでしょう。そんな中、話しかけに行かなければいけないのが億劫になっただけです。」



「なんだ、つまらないな。俺はレオと王女様が婚約を結んでもいいと思うけどな。まぁ、レオが億劫だというのはわかるが、話しかけられるのはお前も同じだぞ。」



「それは・・・先ほども言った通り大人だけでしょう?王女様はここにいる皆が行きそうですから。」



「まさか、お前気づいていないのか?」



「えっ?何のことですか?」



「はぁ・・・そこは鈍感なんだな。レオがこの会場に入ってからお前のことを貴族のご令嬢たちがずっと見てるぞ。お前も十分イケメンなんだ。少しは意識してみろ・・・」



「えっ!全然気が付きませんでした・・・言われればなんだか視線を感じるような・・・」



 レオは自覚していないが、周りから見るとレオは、とてつもないイケメンである。母親譲りの銀髪に父親の目と同じ、青い眼はご令嬢の目を奪うのに充分であった。実際、レオを初めて目にしたご令嬢たちはレオが何者であろうと自分の婚約者にしたいと親に頼んだほどだ。



閑話休題



 僕がこれからどうしようか考えていると陛下の挨拶が始まったようだ。



「今日は実にめでたい日である。ここにいる多くの子供たちが洗礼を終え、新たに

人生の扉を開いたことだろう。そして子供たちがこれからのこの国を作っていくのである。そんな子供たちの門出を今日は盛大に祝おうではないか。それでは皆の者、乾杯!!」



「「「「「乾杯!!」」」」」



 陛下の乾杯の挨拶を皮切りに貴族たちがそれぞれ交流を始めるのだった。



_________________________

【あとがき】

ここまで読んで下さりありがとうございます。

更新遅くなってごめんなさい。体調を崩していました。

だんだん良くなってきたので更新を再開したいと思います。


それと、作品フォロー1000人ありがとうございます。

これからもレオの活躍を末永く見守っていてください。

ちなみに余談ですが、エレノアはヒロイン候補です。これからの展開に期待していてください。

次回もお楽しみに!



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