第6話 女神と再会
「お久しぶりですね。安藤航太さん。いえ、今はレオナルドさんでしたね。」
まばゆい光が止んで、目を開けるとそこはあの真っ白な空間だった。そこには相変わらずの美しさの女神エリス様がいた。
「お久しぶりです、エリス様。お会いするのが遅くなって申し訳ございませんでした。」
「あら、ずいぶんと丁寧になりましたね。」
「この世界では三男とはいえ、貴族には変わりないですからね。5歳にもなればそれなりに礼儀作法の練習もさせられましたから。」
あの練習は本当にキツかった。ミルアが、
『レオ様はきっと将来偉大な人になります!そのときに必ず役に立ちますから!』
なんて言って1週間みっちりと礼儀作法を仕込まれた。まぁ、おかげでテーブルマナーとか恥をかかなくて済むようになったからよかったけど。
「ふふっ、楽しそうで何よりです!」
「あぁ、心を読めるんでしたね。忘れてましたよ。まぁそうですね、楽しいか楽しくないかで言ったら、とても楽しいです。礼儀作法の練習も前世ではできない経験なので。」
「前世でできないといえば、魔法もなかなかいいかんじではありませんか?」
「そうですけど...」
「おや?何か悩み事が?」
「悩み事というほどでもないのですが、魔法を自由に打てる場所がなくてですね。一応、上級魔法レベルは使えると思うのですが...」
魔法にも威力によってレベルが存在する。初級、中級、上級、超級、神級の順に強くなっていく。既存の魔法書などを読めば正確にわかるのだが、僕はイメージで魔法を使っているので自分の魔法が大体、上級魔法と同じくらいの威力であることくらいしかわからないのだ。
イメージで魔法を使っているため、もっと威力の強い魔法も考えられるのだが、上級魔法レベルですら打てる場所がないので、実験ができないのだ。
「実験できる場所が欲しいのなら、〈時空間魔法〉を覚えればいいと思いますよ。」
「〈時空間魔法〉ですか?なんででしょう?」
「〈時空間魔法〉は一度行ったことのある場所にワープできたり、自分だけの空間を作り出せる魔法です。自分が作った空間なら誰にも気づかれず、迷惑も掛からないでしょう?」
「なるほど!それならどんな魔法を打っても大丈夫そうですね!」
「それでは、さっそくこの場でスキルを獲得してみてはどうでしょう。」
「わかりました。やってみます。」
僕はさっきエリス様から聞いた時空間魔法の効果を頭に思い浮かべ、時空間魔法が使いたいと強く願う。すると、
《スキル「時空間魔法」を獲得しました》
「やりました!エリス様、ありがとうございます!」
「いえいえ、ちょうど時間ですね。ではまた近いうちに会いに来てください。」
「もう時間ですか。わかりました!また近いうちに会いに来ますね!」
エリス様とそう言葉を交わすと、僕の体は来た時と同じようにまばゆい光に包まれた。
***
光がおさまり、目を開けると、父上と母上がこちらに走ってきた。
「レオ!大丈夫か!?」
「レオ!怪我はない?」
二人ともとても心配してくれた。二人に何事もないことを伝え、落ち着いてもらい、教会を後にした。どうやら、洗礼の時に像が光ることはないらしく、帰りの馬車の中でも二人にはとても心配された。
家に帰ると父上に夕食の時にステータスを見せるように言われた。父上は早く見たくてうずうずしている様子だった。
さぁ、どんな反応をしてくれるかな?
______________________________
【あとがき】
ここまで読んで下さりありがとうございます。
ワープできたらなって思うことってありますよね?
次回はお披露目会までいけるかな?って感じです。
これからも読んで下さると幸いです。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます