第3話 初めての魔法

 次の日の朝、俺はエリス様が言っていたような魔法が使えるか試してみることにした。



『魔法って言ったらまずは、自分の中の魔力を感じることからだよな。ラノベでもそうだったし。』



 そう思った俺は、自分の中にある前世では感じなかったものを感じ取ってみた。



『んっ、体の奥に何か温かいものを感じる。これが魔力か?動かそうとしても動かないなぁ。』



 そんなこんなで試行錯誤していると、頭の中に無機質な声が聞こえてきた。



《スキル「魔力感知」、「魔力操作」を獲得しました》



 どうやら新しいスキルを獲得したらしい。鑑定の練習も兼ねていったん魔力の練習はやめ、スキルの詳細を確認してみることにした。



〈魔力感知〉

 周囲の魔力を感じることができる。魔力を持つ生物の気配を感じることができる。



〈魔力操作〉

 体の中の魔力を自由自在に動かすことができる。魔法の発動スピードが速くなる。



 魔力の練習をしたからスキルが増えたらしい。試しにさっきと同じように魔力を動かそうとすると、さっきよりも滑らかに動かせるようになっていた。この調子で今度は魔力を体の外に放出しようと、動かしてみる。すると、体から何かが抜けたような感じがした。



《スキル「無属性魔法」を獲得しました》



 どうやら念願の魔法のスキルを覚えたらしい。



〈無属性魔法〉

 属性の無い魔法。体の身体能力を向上させたり、鎧のように纏うことで防御力を向上させたりすることができる。



 ラノベでよく見る、身体強化の魔法が使えるみたいだ。せっかく覚えた初の魔法だ。使ってみたい。



『身体強化』



 体中に魔力がいきわたるように操作し、体の機能が向上することをイメージする。すると、体に力がみなぎってくるような感覚がした。魔法をうまく使えているということだろう。嬉しくなって身体強化をしたままはしゃいでいると、不意に力がガクッと抜け、俺の意識はそこで途切れた。



***



 目が覚めるとそばにミルアの顔があった。



「レオナルド様、今お起きになったのですか?もうお昼ですよ?」



 そう言って、愛おしそうな眼をしながらミルアは俺を抱き上げた。



「そろそろごはんですよ。ルイディナ様のところに行きましょうね。」



 俺はミルアにだっこされながら、自分の体の調子を確認していた。



『意識を失った時のような倦怠感は感じない。意識を失ったのは、魔法を使いすぎてMPがなくなったからか?』



 ステータスを確認したいが、ミルアにだっこされたままで「ステータス・オープン」と言うわけにもいかないのでどうしようかと考えていると、一つの案を思いついた。



『自分に「鑑定」かければいんじゃね?』



 さっそく自分に鑑定をかけてみると、



〈ステータス〉

【名前】レオナルド・コロソフ

【種族】人間  【性別】男  【年齢】0歳

【称号】コロソフ伯爵家三男 転生者 

【レベル】1

【HP】250/250

【MP】25/300

【スキル】

鑑定 アイテムボックス 魔力感知 

魔力操作 無属性魔法 魔力自然回復

【加護】女神の加護



 やはり、MPが0になったから意識を失ったのだろう。そして、いつの間にかMPの最大値が増え、新しいスキル「魔力自然回復」を覚えていた。

 おそらく、「女神の加護」の影響でMPを最後まで消費するとMPの最大値が上昇するのだろう。



〈魔力自然回復〉

 MPの回復速度が上昇する。



 単純なスキルだが、この「魔力自然回復」があれば毎回意識を失っても、今回のように長い時間気絶しなくなるだろう。

 そんなこんなで、ディーナのいる部屋についた。



「レオナルド~、待っていたわ~。さぁ、ご飯のお時間でちゅよ~」



「だぁう!」



 中身が高校生なので、授乳はキツイと思ったが、実際そんなことはなく、本能的に食事の面が強いのだろう。ディーナの胸に欲情することはなかった。

 だが、ディーナの名誉のために言うと素晴らしかったとだけ、言っておこう。



______________________________

【あとがき】

ここまで読んで下さりありがとうございます。

スキルの説明が雑ですいません。

本格的な魔法はまだ先かと思います。

これからも読んで下さると幸いです。







 

 

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