第2話 家族とステータス

 まばゆい光がおさまり、目を開けると、銀髪のロングヘアに赤い眼のドレスで着飾った美女と、茶色の髪を肩まで伸ばした黒目のメイド服を着たかわいらしい女性が目に入った。



「元気な男の子ですよ!ルイディナ様!ただいま、ラルフ様を呼んでまいります!」



 メイド服の女性はそう言うと、部屋を出て行った。ということは、きっと俺を抱いている美女がルイディナという名前で母親なのではないだろうか。そして、メイド服の女性が呼びに行ったラルフという人が俺の父親だろう。

 そんなことを考えながら、抱かれているとさっき出て行ったメイド服の女性が帰ってきた。その後ろには、金髪を短く刈り上げた青い眼のイケメンがいた。



「ラルフ、元気な男の子です。さっそく名前を付けてあげましょう。」



「そうだな!ディーナに似て可愛らしい顔をしているな。よしっ、お前の名前は、レオナルドだ!」



 どうやら俺の名前はレオナルドに決まったらしい。それにしても、ラルフはルイディナのことをディーナと呼ぶのか。ルイディナだからディーナ、なるほど。愛称ってわけね。



「レオナルド、私がお母さんでちゅよ~」



「あうっ!」



 どうやらまだ舌が発達していないから、言葉は話せないようだ。まぁ、生まれて間もない赤ちゃんが急にしゃべりだしても怖いもんな。ていうかこっちの世界の言葉って理解できるんだな。これもエリス様がくれたチートの内の一つだろう。



「まぁ!聞きましたか!ラルフ!私の言葉に返事をしてくれましたよ!」



「あぁ、聞いていたよ。じゃあ、俺も...レオナルド、お父さんだぞ~」



「あうあ!」



「おお!ちゃんとわかっているのかもな。レオナルドは天才かもしれん。」



「ほら、ミルアも抱いてみなさい。」



 ラルフはそういうと、メイド服の女性に俺を手渡した。



「レオナルド様の専属メイドのミルアです。よろしくお願いいたします。」



「ばぶっ!」



 ミルアは前世の俺と同じくらいの年齢だと思う。そんな子が専属メイドだということを考えると、これだけで人生勝ち組のように思えてくる。それに、ラルフとディーナの顔で考えると俺の将来も期待が持てるだろう。

 そんなこんなで両親やミルアと戯れていると、急な眠気に襲われた。



「あら?レオナルドはおねむみたいね。赤ちゃんは寝ることがお仕事ですからね。ゆっくりおやすみなさい。」 



 ディーナにそう言われると、俺の意識はそこで途切れた。



***



 次に目が覚めると外は真っ暗だった。辺りを見回すとさっきいた部屋とは違い、子供用の玩具などが置かれている部屋だ。きっとこの部屋が俺の部屋だろう。こんな赤ちゃんにかなり広い部屋を与えられるくらいにこの家は裕福なのだろう。

 部屋には俺以外の人はいないが、なんかあった時のためにミルアは近くにはいるのだと思われる。

 誰もいない今がチャンスだと思い、ラノベでは定番のステータスを確認しようと思う。というか、この世界にステータスはあるのか?そういえばエリス様に聞くのを忘れていた。とりあえずやってみる。



「あうあーう、あうあ(ステータス・オープン)!」



〈ステータス〉

【名前】レオナルド・コロソフ

【種族】人間  【性別】男  【年齢】0歳

【称号】コロソフ伯爵家三男 転生者 

【レベル】1

【HP】250/250

【MP】150/150

【スキル】

鑑定 アイテムボックス

【加護】女神の加護



 この世界の基準を知らないため、数値については何も言えないが、スキルや加護は結構チートなのではないだろうか。

 もっと詳しく知りたいと、念じると、



〈鑑定〉

 物や道具について説明を得ることができる。また、人のステータスをみることができる。



〈アイテムボックス〉

 亜空間に物を入れることができる。生き物は入れることができない。また、亜空間の中では時間が経過しない。



〈女神の加護〉

 女神エリスからの加護。成長補正大。スキルが入手しやすくなる。成長の限界がなくなる。



 鑑定やアイテムボックスもかなりのチートだが、女神の加護がやばい。この世界の人がどれくらい強いかわからないが、成長の限界がないのは努力すればどこまでも強くなるということだ。せっかく赤ちゃんの頃から意識がはっきりしているのでたくさん努力して強くなってやろうと決心した。



______________________________

【あとがき】

ここまで読んで下さりありがとうございます。

レオナルドはだんだん強くなっていきます。

次回からレオナルドのチートが加速していきます。

これからも読んでいただけると幸いです。

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