第1話  転生

「安藤航太さ~ん、起きてくださ~い。お~い、起きてくださ~い。」



 透き通るきれいな声が聞こえてきて、目が覚めた。



「ん...ここは、知らない天井だ。」



 人生で1度は言ってみたいセリフランキングのトップ5には必ず入るセリフを呟きながら目を開け、体を起こすと、そこは、何もないどこまで続いているかすらわからない真っ白な空間だった。



「やっとおきてくれましたか。」



 目覚めるときに聞いたきれいな声が背後から聞こえたきた。声の聞こえるほうへ向いてみると、そこには、光り輝くような黄金色の髪に、引き込まれるような翠眼。出るとこは出て、引っ込むとこは引っ込んでる。そんな理想的なスタイルを持つ、この世のものとは思えない美しさの女性がいた。



「まぁ、そんなに褒めていただけるなんて、うれしいです!」



 頬を赤らめ、照れているそんな仕草すら美しいと感じてしまう。



「そ、そんなことより、安藤航太さん、あなたはお亡くなりになってしまいました。」



 その言葉で自分がトラックに轢かれたことを思い出す。



「そうなんです。実は、あなたが助けた少女はこの事故に巻き込まれないはずだったんですが、こちら側の手違いで巻き込んでしまい、少女を助けたあなたが亡くなってしまったんです。申し訳ございませんでした!」



 目の前の女性が深々と頭を下げる。



「つきましては、あなたには別の世界に転生してもらいたいのです。本来ならば、お亡くなりになった方は天国か地獄に行ってもらうのですが、今回はこちら側のミスで関係のないあなたを巻き込んでしまったので転生という形でもう一度人生を送ってもらいたいのです。」



 キターーーーーー!!!女性のその言葉を聞いた俺は歓喜した。それこそ、その場で踊りだしそうなくらいだ。



「あ、あれ?もっと悲観したり、怒ったりすると思ってたのですが...」



 女性のその言葉を聞いて俺はいったん冷静になる。あれ?俺、声に出してないよな。もしかして、心を読まれてる!?



「はい、話が進まないのであなたの心を読ませていただきました。あっ、申し遅れました、私はエリスと申します。あなたの世界で言うところのいわゆる、神と呼ばれる存在です。」



 なるほど、女神ならこれほど美しいのも納得がいく。そう思いながら俺は、いくつか疑問に思ったことをエリスさんに聞いてみる。



「あの、別の世界ってもしかして剣で戦ったり、魔法が使えたりしますか?」



「はい。あなたが生きていた頃に読んでいたラノベの世界と同じようなものです。」



「おお!じゃあ、俺も魔法が使えるようになりますかね?あと、生きていた頃の記憶ってのこるんですか?」



「もちろんです。この転生はお詫びも兼ねてますからね。あなたが転生先で不自由なく生きられるくらいの力は授けさせていただきます。それと、記憶も残したままでかまいません。」



「なるほど!ありがとうございます!では最後に転生先の世界について教えてもらえますか?」



「わかりました。その世界では、魔王とかはいませんが、魔獣と呼ばれるモンスターが人々の生活をおびやかしています。ですので、魔獣を討伐したりすることで生計を立てている人もいます。あなたにはオストラ王国という国に転生してもらいます。他には、帝国や教国など様々な国がありますが王国が一番平和的ですので。それと、転生先の家はある程度裕福な家にしておきます。いわゆる、貴族というやつですね。」



「大体はわかりました。あと、俺は自由に行動したいので長男とかは遠慮したいんですけど...」



「わかりました。そのように手続きしておきます。その他に何か聞きたいことなどありますか?」



「今のところは、ありませんね。」



「そうですか。何か聞きたいことができたなら、転生先にある教会にて祈っていただければ質問にお答えしますので。」



「わかりました。何から何までありがとうございました。」



「いえ、もとはこちら側の不手際ですからね。では、安藤航太さん、よい人生を。」



 その言葉を聞いた瞬間、俺の体はまばゆい光に包まれた。




______________________________

【あとがき】

ここまで読んで下さりありがとうございます。

会話って難しいですね。

次回は家族の登場です。

これからも読んで下さると幸いです。



 

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