第7話 大事な物を取り戻してやるその2
目が覚めて気が付くと私は宙に浮いていた。
どんどんどこかに落ちて行くようだ。
どうやら今居るのは別世界みたいだ。
でも生きている事は確かだ。
そこだけは唯一安心出来る材料として取っておこう。
そんなうちに不思議な丘に着く。
そこには女の子が居た。
見覚えがある女の子だった。
「有紗…?」
「そうだよ、夏樹お姉ちゃん。
久し振りだね、元気してた?」
その少女は、私の姪だ。
彼女は3年前に不慮の事故で亡くなった。
彼女の死にどのくらい大勢の人が泣き、苦しんだことだろう。
「何で私をこんな所に?」
「お姉ちゃんが夏恋列車を無くさないで欲しいって願ったからだよ」
「そうだけど、でも何で有紗が?」
「私は今から貴方の3つのお願いを叶えて差し上げます。」
「分かった。
1つ目は夏恋列車を無くさないで。
2つ目は由樹とずっと親友で居たい。
3つ目は…。」
「3つ目は何?」
「貴女を生き返らせること!」
「夏樹姉ちゃん…?」
「私は貴女ともっと仲良くなりたいの!
今まで空いた時間は戻らないと思うけれども、これから思い出を作って行けたら
私はそれでいいの…!
だから…お願いっ!!」
私はポツンと立つ彼女にそう必死に言葉を放つ。
私の想いは本当に届くのかな。
「分かったよ。
お願い。」
そして目の前が暗くなるのをまた感じる。
気付いたら元の駅のホームに居た。
「夏樹姉ちゃん!」
「有紗!!」
私たちは泣きながら二人抱きしめあった。
ずっと一緒に居たいな。
ほかのお願いも全部叶うかな?
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