第4話 列車のピンチ!?

「おーい」


由樹が慌てたように私の所へと来る。


「どうしたの?そんなに慌ててさあ。

慌ててたっていい事ないよ?」


私はそう言った。


「のんきに言ってる場合じゃないの!

夏恋列車無くなっちゃうの!」


「嘘でしょ…?」


私は思わず声を漏らした。


「嘘じゃないよ!

願いが叶わなくなってしまったから、無くしてしまうんだよ」


「この街のシンボルなんて無くしちゃいけないよ!

願いが叶わなくなったから無くすなんておかしすぎる!

私は絶対に反対だね!!」


私はそう言った。


自分は迷信だからどうたらこうたら言ってるけど、夏恋列車が無くなることは

絶対に反対派である。


私はまだ叶えきれていない願いが残っている。

だからそれを果たさないとダメだ。


叶わなくてもダメ元でもやってやりたい。


私には元気にしたい人が居るから!!


「夏樹ならそう言うと思ったよ。

叶わないかもしれないけどダメ元でもやりなよ。

叶わないからってこんなところで諦めたら夏樹が苦しむことになる。

頑張れ、応援しているよ!」


「頑張るよ。

今日の所はもう帰ろうか。

早帰りで12時に帰るはずだったのに1時になっちゃったからさ。

帰らないと先生に怒られちゃうし、藍乃もお腹空かせてるはずだし」


私はそう言った。


最終下校時刻から1時間をゆうに超えていた。


今日は夏休み開始前日だから中学生の妹の藍乃あいのも早帰りの事だろう。


ならば早く帰ってご飯を作ろう。


妹が腹を空かせているから。


そして私は家に帰った。


夏恋列車の廃止を何とか取りやめなければならない。

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