第8話 完結しないと言うこと

 こんにちは。草原守拙です。


 全然、勉強しなくて申し訳ございません。今、世界史の勉強をしようと思いまして一冊、体系的に書かれたと思わしき“千円以上する”PHP文庫を注文しているのですが、まだ手元に届いていません。新型コロナと経済的理由でリアルな書店に行けなくなり『本やくらぶ』でネット注文し、ペリカンに持って来させて送料を節約しているのですが、ペリカンが「あんた、貧乏人のクセに本を買い過ぎだ。あたしは我慢しているのに!」と怒るので辟易しています。だったら、わたしよりもお金を持っているのだから好きなものを買えば良いと反論したら「老後がどうのこうの」とキレられました。老後に金があっても、アル中のペリカンなど人工透析か認知症の世界しか待っていなくて、金は医療費にしかならないよ! ゆとりある老後の楽しみなど、この先の日本ではあり得ませんとキリギリス的に思いましたが立場が弱いので黙ってその場から消えました。


 大人気漫画『ベルセルク』の三浦建太郎さんが若くして亡くなられたそうで残念です。『ベルセルク』は未完に終わってしまいそうですね。


 小説、漫画など人間が創作している以上、その作者が執筆中に亡くなってしまい未完に終わってしまう『絶筆』作品はこの世にたくさんあると思います。高齢の作家さんが連載小説を小説誌などに執筆していると「完結まで保つのか?」と不安になりますが、若い作者でも急な病気や事故その他で亡くなってしまえば、そこで物語の世界は断ち切られてしまいます。稀に、というか結構な作品で別の人が書き継いだりしますけれどやっぱりどこかオリジナルとは違い、その作者のファンにとっては不満が残ってしまうのはどうしようもないことです。


 神話・伝承や昔話ではなく、一人の作者が自分の脳や感性によって創り出した世界は、その作者が全智全能の神であり、ある種の一神教世界だと思います。わたしは二次創作というものが正直大嫌いなのは、単にキャラクターの表層面だけを拝借して、作者が脳内で神となって創造した奥深いバックボーンまで考えて書いていないだろうという偏見からです。特に、キャラクターを拝借したBL、やおい系のものなど、許し難いですが、個人の表現の自由は侵害できないので、著作権に引っかからないのであれば、文句を言うことはできません。だって、そういう世界が最近の日本経済を回しているのでしょ? 有力コンテンツなのでしょ? ははは、これは皮肉ですよ。でも真実。


 作者の皆さんも、未完の作品を残さないように健康に留意して規則正しく生きていただきたいですが、そういうタイプの人には奇想天外な面白いものは書けませんよね。


 わたしは、未完の作品が残ってしまった場合、無理に別の人が書き継いで完成させるよりも、未完のまま世に出し、結末は読者の想像に委ねるのが良いかなあと思います。わたしが好きだった北森鴻氏が急死した後、公私共にパートナーだったという女性が書き継いだり、プロットしかなかった作品を連名で出版したりしていましたが、とても読めたものではありませんでした。最後の小説など、北森鴻ブランドを利用した悪徳商法かよ! なんて思った人もいるのではないでしょうかねえ。わたしは何も感じておりません。


 愛すべき作者の未完の作品を書き継ぐのは愛読者たちの心の中に留めるべきでしょう。所詮、作者の物語世界とは違う、読者たちの世界に過ぎませんけれど。無理やり押し付けられた他人の文章よりはマシです。


 さようなら。

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