第7話 文庫本が高過ぎて……

 こんにちは。草原守拙です。


 わたしは思うのですがね、文庫本というものは貧しくて単行本を買えない庶民・苦学生に文化・知識・趣味・古今東西の名作というものを安価に提供することによって我が国の文化レベルの向上に寄与するみたいなこと、巻末の方に書いてありませんでしたかね? わたしの気のせいですか?


 にも関わらず、最近は文庫本で千円以上するものがザラにあるのですよ。わたしは衣食足らずとも礼節を持って新刊書店で文庫を買うわけですがね、やっぱり定価千三百円とか見ると「うっ」と一瞬息が詰まります。あの指先を挟んで血中酸素濃度を測ったら、Cocoaはやっぱり森永卓郎を装着しないと死にます。

 しかも、それが上下巻ものだったら尚更厳しいです。まあ、結局買うのですがね。


 今、歴史小説を好んでいますでしょ、わたし。あの佐伯軍団の時代小説どもは、発行部数が多いから定価が安くなるのですよ。ところが、重厚な歴史小説はやっぱり部数が伸びないのでしょうね。刷り部数が少なければ、定価が高くなるのはビジネスの常識ですから仕方がないです。

 講談社文芸文庫のように「ウチは最初から定価は高いですよ。その代わり、品切れさせませんから」と謳って創刊された文庫なら仕方がないのですがね。(と言いつつ最近は品切れしているらしいですけど)

 本当に高いですよ、中公文庫さん。


 有名な話ですけど宮部みゆきの『模倣犯』。単行本は小学館から上下巻で結構な定価で発売されていました。それが文庫化の際に何故か版元が変わって新潮文庫から五冊くらいで出版されたのですが、文庫一冊の定価が高めに設定されていたために、単行本で買ったのと合計金額に差がほとんどなかったらしいです。笑えません。

 こんなこと言うとアレですが、最近の新潮文庫のレベルがものすごく落ちています。おそらくは編集者のレベルが落ちているのだと思います。それに、新潮社は作家を怒らせるので有名な出版社で、大江健三郎先生始め多くの作家が新潮社と絶縁状態になっています。老舗の奢りでしょう。大して大きな会社ではないので、潰そうと思えば簡単に潰せますよ。わたしにはもちろん無理ですけれど。


 最近は電子書籍でデータを購入すれば安価ですし、紙媒体だと絶版のものでも購入できるようですね。

 しかし、わたしは東南アジアの森が砂漠化してしまい、地球の酸素供給が減ってしまったとしても、紙の本がいいです! いざとなったら窒素を吸って生きるようにショッカーさんに改造してもらいます。


 スマホやらキンドルだかコンドルだか知りませんがね、腕が疲れるほど重い紙の本を読むことで、筋力がつくのですよ。老化防止だ! ああ、下半身の筋肉はどうしましょう? やっぱり、サントリーのロコなんとかですかね? 橋本功がCMやっているやつ。サプリが効くとも思えないのですが……


 さようなら。

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