支配され続けた人間の末路を詳細に描いている。冷静に考えれば、主人公はぶっ飛んだ人かもしれない。だけど、そこにあるのは狂気ではない。たしかにそうなったら、そう感じる、と納得させられてしまう、力強さがある。解放の形は人それぞれ。ハッピーエンドも、その人次第。私はこの物語を解放の物語と感じた。支配を受け続けた人間がそこから抜け出すのは、本当に容易ではない。そのことをこれでもかと言うほど、わからせてくれる作品だ。