更なる悩み

明日学校に行ってどう説明しようか悩んでいるうちに、日曜日もあと1時間を切っていた。

(クラスメイトにどう伝えたらいいだろうか…)

多分そのままド直球に「女の子になりました!」なんて言ったら笑われるだろうな…

なんせいつも一緒に行動してる奴が女装野郎だし…僕まで女装に目覚めたかと思われる…!それだけは勘弁してほしい。それどころか僕じゃないって思われるかも…

っていうかあの野郎揶揄っただけとか言っときながらガチトーンで「襲わせろ!」なんて言うからビックリしたよ…てか女装男子なのに襲う側なんだな…やっぱり…

「男って怖いな…」声に出ていた。いやお前も元男やないかいなんて思いながら眠りについた。



(いや、眠りについた。じゃねぇんだよ

どうすんだよ今日。どう説明するんだよ)

僕は朝ごはんを食べながら心の中で自問自答していた。すると婆さんが

「アンタ学校の事が心配なんでしょ。」

「…うん」

「大丈夫!なるようになるわよ!」とすごい笑顔とものすごいgoodポーズが僕を圧倒した。いやなるようにはならんやろ。事態は重いんだわ。なんて思いながら学校へ向かった。


通学はいつも優希と一緒に通学している。家と学校が近いので交通機関は使っていない。

歩きで学校へ通っている。

「んで、どう説明するか決めたのか?日向よ」

「いやそれがさ…考えてる途中で寝てしまって何も考えてないんだよ…どうしよう…」

「女の子になりましたって直球に言ってみたら?」

「いや、それはお前がいるから絶っっっ対僕も女装に目覚めたと思われるから…」

「じゃあどうすんだ?」

「んー…」

僕は深々と考えた。5分ぐらい優希に急かされながら考えた。

「わっかんねぇわっ」と今までにした事のないようなめちゃくそいい笑顔で答えた。

「まぁ、そうだよな。それなら俺が手伝ってあげるよ。」優希は言ってきた。正直、断りたかったが1人ではどうしようもないのでお願いした。めっちゃ不安だけどな!


学校にて


「おい…優希と一緒にいる女子意外と可愛くね…?」

「転校生か…?」

と言った声が聞こえてくる。想定内だったが何故か恥ずかしい感情に襲われる。

(もしかして僕…可愛いって言葉に照れてるんじゃないのか…!?あーやべッ、吐き気してきた…男なのにこんな言葉に照れるって…)

「ゔぇっ…」

「?!…どうした急に!女の子の日にでもなったのか?!」

「うるせぇよ…ちょっと自分に吐き気がしただけだから大丈夫…あとお前デリカシーって言葉学ぼうか…」

と言うか優希の言葉で思い出したのだがそういえば女の子になったって事は生理もあるんだよね…あー本当にどうしよう。悩みに悩み続けていたら教室に着いた。

「スゥーハァー…よしっ入るぞ…」

と言って勢いよく扉を開けた!

「おはよう諸君!今日も良い朝だな!僕のように煌めく太陽に、僕のように爽やかな風、そして僕のように鮮やかで凛々しい空。全てが絶好調だと言ってもいいほどのいい朝だな!」ヤベッ…やっちゃったよ…何言ってんだよ僕。悩みすぎて狂ったんか…?

するとクラスメイトの1人が

「え、誰?」と笑いながら言ってきた。

「優希の彼女?フフフッ!学校に連れてきちゃダメでしょー!」とクラスの上位層的な女子が笑っていた。すると優希が

「あーいやコイツ日向だよ。早川日向。なんか女体化したらしいからー。ちなみに男子諸君!日向は俺の物だから取るんじゃねぇぞ!」いや何様なんだよ君。なんで僕はお前のものみたいになってんだよ。おかしいよこいつ。特に頭が


「ハハッ!いや嘘だろお前!こんな美少女が日向なわけねぇだろ!なぁ!」と、僕に返事を求めてくる。

「いや僕日向なんですけど。女装とかでもなく普通に女体化してしまった日向君なんですけど。」と言った直後に優希が「今は日向ちゃんだよ」なんて耳元でほざいてきやがったから鳩尾に肘を入れておいた。


「え…お前本当に日向なのか…?」クラスがざわつく中さっきのクラスメイトが言ってきた。多分これだけじゃ信じてもらえないだろうと思い僕は

「いやだから本当だって!なんなら…僕のお腹のホクロ…見る…?」

クラスがさらにざわついた。

「えっ…!おま…!本当か?!」

もちろん、嘘ではなく本当に見せるつもりだ。一瞬だけだがな。あっそういえばいい機会だしちょっと女の子を使ってみるとしよう。

「僕が日向だって信じてくれるのなら…見せてあげてもいいよぉ…」

「信じる!信じる!だから見せてください!」よしかかった!チョロいなこいつら。

って事で一瞬制服をチラッと上にあげてすぐ下ろした。

「お…おい!一瞬すぎて見えなかったぞ!」

「え、だって見せるって言っただけじゃん。何秒間とは言ってないよ〜だ」僕は適当に屁理屈を言って受け流した。

「わ…分かったよ…日向だってのは信じるよ」

「おおそうか!それはよかった。じゃあ席に着きますねー」

僕が席に向かって歩き出そうとした時クラスメイトはこう言った。

「お前…女装じゃないだろうな…?」

まずい。非常にまずい。いやこれ絶対優希のせいでしょ!しかもこれ、ボディタッチフラグ立ったよね?ボディ触られちゃうよね僕!

多分いやらしい事を要求されるのだろうが一応ワンチャンスあるのかもしれない!

例の女装野郎とは違うしな!

「…僕になにをしたいんだい?」

とりあえず聞いてみた。聞いてみないことには何も始まらないしな。

「胸を………」

「ん?なんだって?」

「胸を揉ませてくださぁぁぁい!!!!」

「やっぱりお前もかよぉぉぉぉ!!!」

僕の退屈だった学校生活は終わりを告げたようだ。そしていつの間にか悩みもほぼ消え去ったようだ。

ここから僕の、いや私?の新しい学校生活がスタートするんだ!するんだわ!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る