第136話 赤い炎を取り戻せ!

 ヒビキたちを乗せたトリップ号は、プロミネンス地方にたどり着いた。

「街が水没の危機にひんしている…」

「しかも、マグロまで泳いでいるよ!」

「マグロは、暖海性で外洋性、回遊性の大型肉食魚で、日本を始めとする世界各地で重要な食用魚として漁獲ぎょかくされている。全長は六十センチメートルほどのものから三メートルに達するものまで種類によって異なる。最大種タイセイヨウクロマグロは全長四メートル・体重六百八十グラムを超える。水中生物としてはかなり高速で遊泳することができる。全長二メートルのタイセイヨウクロマグロの群れの遊泳速度を測定した結果、平均の遊泳速度は時速七キロメートルと計算されている。また、瞬間的しゅんかんてきな最大速度は時速八十キロメートルに達すると推定されている。体型は紡錘形ぼうすいけいで、体の横断面はほぼ楕円形だえんけいうろこむなびれ周辺しゅうへんを除けばごく小さいかほとんど無く、高速遊泳に適した体型である。ふんはわずかに前方にとがる。尾鰭おひれは体高と同じくらいの大きな三日月形だが、それ以外の各鰭は小さい。第二背鰭としりひれの後ろにはいくつかの小離しょうりひれがある。ただし、種類や成長段階によっては胸鰭・第二背鰭・尻鰭などが鎌状かまじょうに細長く伸びるものもいる。筋肉内きんにくないの血管は動脈どうみゃくと静脈が近接する、奇網という構造を持つ。これで体内の熱が逃げるのを防ぎ、体温を海水温より高く保って運動能力の低下を抑える。全世界の熱帯・温帯海域に広く分布するが、種類によって分布域や生息水深が異なる。海中では口とえらふたを開けて遊泳し、ここを通り抜ける海水で呼吸する。泳ぎを止めると窒息ちっそくするため、たとえ睡眠時でも止まらない。食性は肉食で、表層・中層性の魚類、甲殻類こうかくるい、頭足類などを捕食する。海洋の食物しょくもつ連鎖れんさにおいてはクジラ、アザラシ、カジキ、サメなどと並ぶ高次の消費者である。それ故に相対的に個体数が少なく、また、生物せいぶつ濃縮のうしゅくによって汚染おせん物質ぶっしつ蓄積ちくせきしやすいため、様々な問題も起きている」

一変したプロミンタウンに、ヒビキたちは驚いた様子。

「ここに、伝説の猛者もさがいると思う」

「さあ、ガラスのすずを使うのです」

「チリンチリンチリン…」

「いでよ、伝説の猛者!」

ガラスの鈴の音色に導かれて、空から朱雀すざくが現れた。

「朱雀は、福建省ではあかとらに置きわっている。朱雀は南方を守護しゅごする神獣とされる。長生の神とされ、天之四そらのよんれいの一つである。つばさを広げた鳳凰ほうおうようの鳥形で表される。しゅは赤であり、五行説では火の象徴しょうちょうで南方の色とされる。同じく中国古代の想像上の鳥である鳳凰とはことなるが、同一起源とする説もあり、同一視されることもある。 あくまで神格のある鳥であり、信仰の対象ではあるがいわゆる悪魔や唯一ゆいいつしん、列神の類ではないことが最大の特徴である。俳句において夏の季語であるえんてい・赤帝と同義であり、陰陽いんよう五行説ごぎょうせつでは火であり、夏の象徴である。春・秋・冬の場合はそれぞれ青帝・白帝・げんていと色に相応する名前があるが、夏の場合は炎帝しか普及していない。なお、夏のことを朱夏ともいう」

「勇気と友情があれば、何でもできる!」

ヒビキたちは、朱雀の封印にいどむ。

「決めるなら、今しかない!」

「俺も力になってみせる!」

「僕に任せてください」

ヒビキとアラシ、ウィルは力を合わせて、

「ジュエリーレイン!」

「マーブルスパーク!」

「レインボーシンフォニー!」

チララとウィンディ、バニラとココアの魔法まほうによって、朱雀を封印することに成功した。

 すると、

「これは…」

紅色べにいろのしずくだ!」

ヒビキは、紅色のしずくを手に入れた。

 そして、

「ちゅぴ!」

「ちゅる!」

プロミネンス地方を守る炎のいずみが天空の島とつながった。

「水が干上がってきた!」

こうして、一連の洪水は解消した。

 その後、

「グハハハハハッ!」

ヒビキたちがトリップ号に戻ってくると、大魔王の新たな目撃もくげき情報じょうほうが入ってきた。

「どこで見かけたのだろうか?」

「富士山で見かけたわ」

「富士山は、標高三千七百七十六メートル、日本にほん最高峰さいこうほうの独立峰で、その優美ゆうび風貌ふうぼうは日本国外でも日本の象徴として広く知られている。数多くの芸術作品の題材とされ芸術面のみならず、気候や地層など地質学的にも社会に大きな影響を与えている。懸垂けんすい曲線きょくせんの山容を有した玄武岩質成層火山で構成され、その山体は駿河するがわんの海岸まで及ぶ。古来霊峰とされ、特に山頂部さんちょうぶは浅間大神が鎮座ちんざするとされたため、神聖視しんせいしされた。噴火ふんか沈静化ちんせいかするため律令国家により浅間神社が祭祀さいしされ、浅間信仰が確立された。また、富士山修験道の開祖とされる富士上人により修験道の霊場としても認識されるようになり、登拝が行われるようになった。これら富士信仰は時代により多様化し、村山修験や富士講といった一派を形成するに至る。現在、富士ふじ山麓さんろく周辺しゅうへんには観光名所が多くある他、夏季シーズンには富士登山が盛んである。日本三名山、日本百名山、日本の地質百選に選定されている。また、一九三六年には富士ふじ箱根はこね伊豆いず国立こくりつ公園こうえんに指定されている。その後、一九五二年に特別名勝、二〇一一年に史跡、さらに二〇一三年六月二十二日には関連する文化財群とともに富士山-信仰の対象と芸術の源泉の名で世界文化遺産に登録された」

ゼルコバ博士とリアは、大魔王の現在地について語っていると、

「次なる伝説の猛者は、サイショー地方にいるそうだ」

「今すぐ行くしかない!」

「うん!」

次なる伝説の猛者を見つけるために、ヒビキたちを乗せたトリップ号は、サイショー地方へと飛び立っていった。

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