第125話 火山の恵みと次なる目的と…

 「さあ、着いたよ」

プロミネンス地方での戦いを終えたヒビキたちがタビビトに案内された場所は、バーニング火山のふもとにあるミネラル温泉おんせん

「温泉は、その熱水泉を用いた入浴施設やそれらが集まった地域も一般いっぱんに温泉と呼ばれる。人工温泉と対比して天然温泉と称する場合もある。熱源で分類すると、火山の地下のマグマを熱源とする火山性温泉と、火山とは無関係に地熱などにより地下水が加温される非火山性温泉に分けられる。含まれる成分により、様々な色、におい、効能の温泉がある。広義の温泉の定義では、必ずしも水の温度が高くなくても、普通の水とはことなる天然の特殊とくしゅな水やガスが湧出ゆうしゅつする場合に温泉とされる。温泉が本物か否かといわれるのは、温泉法の定義にあてはまる法的な温泉であるのかどうかを議論する場合が一般的である。湧出している熱水泉を、温かく感じるか冷たく感じるかは、個人差や環境に左右される面があり、世界各地ではその国の一年の平均気温を基準として、温泉とするかどうかの温度が定められている。日本では温泉法によって二十五度となっている。他国では、南アフリカでは二十五度、アメリカ合衆国では華氏七十度、イギリス・フランス・ドイツでは二十度が基準である」

「戦いが続いていたから、疲れたのだろう?さあ、ゆっくりつかって」

「ありがとう!」

ヒビキたちは、タビビトの計らいで温泉に入ることになった。

「いいお湯だね!」

「気持ちいい!」

温泉につかっているヒビキたち。

「こちらが、温泉の主であるカピバラのモンテマーレだ」

「カピバラは、H. isthmiusと二種でカピバラ属を構成する。種小名はギリシャ語で水のぶたを意味し、漢名も水豚と呼ばれる。 現生種のげっ歯類しるいでは最大の種である。南アメリカ東部アマゾン川流域を中心とした、温暖な水辺に生息する。体長百二十センチメートルである。体重オス五十キログラム、メス五十キログラムと現生の齧歯類でも最大である。五センチメートル以上にもなる、タワシのようなかたい体毛におおわれている。前肢ぜんしの指は四本、後肢のあしゆびは三本である。指趾ししの間には小型の水かきがある。下顎したあご大臼歯だいきゅうしは左右に四本ずつあり、大臼歯の三本と、第四大臼歯一本の大きさがほぼ等しい。肛門こうもんの周囲に臭腺しゅうせんがある。オスは鼻面はなづら卵状たまごじょうに盛り上がった毛で被われない臭腺が発達するが、メスではほとんど発達しない。オスは肛門腺の周囲の体毛が抜けやすく固く透明とうめいなカルシウム塩で覆われるが、メスは肛門腺の周囲の体毛が抜けずに粘着質ねんちゃくしつの分泌物で覆われる。河辺にある開けた草原から熱帯雨林など様々な環境に生息する。性格は非常に穏やかで、人間になつくことからペットとしても人気がある。百ヘクタールの行動圏内で生活するが、通常は十五ヘクタールの行動圏内で生活する。行動圏は重複することもあり、乾季かんきには特にその傾向けいこうが強く二つ以上の群れが同じ場所で採食を行うこともある。雨季には優位ゆういのオスと一頭から複数頭のメス・複数頭のようじゅう劣位れついの複数頭のオスからなる成獣が平均十頭の群れを形成するが、四十頭に達する群れを形成することもある。乾季には少なくなった水場にこれらの群れが集まり、約百頭に達することもある。群れの構成は主な個体は変動が少なく閉鎖的へいさてきで、単独のオスが群れに加わろうとすると群れにいるオスによって排除はいじょされる。一方で劣位のオスは変動的に群れへ合流・離脱りだつを繰り返す。昼間は水中で休み、午後ごごおそくから夕方に採食を行う。夜間は休息と採食を交互に行う。群れを成して泳ぎ、捕食ほしょく動物どうぶつから身を隠すために五分以上もの潜水せんすいができる。鼻先だけを水上に出して眠ることもある。危険を感じた個体は鳴き声をあげ、それを聞いた他の個体は立ちあがるか水中へ逃げる。げる際には幼獣を成獣が取り囲んで防衛する。食性は植物食で、水中や水辺にあるイネ科の植物などを食べる。幼獣の捕食者はヤブイヌなどイヌ科の構成種、コンドル類、ワニ類が挙げられる。交尾期こうびきになるとオスはメスをひきつけるため、鼻の上の臭腺を周囲の木の葉にこすりつける。優位のオスは群れの中心に位置して劣位のオスを群れのがいえんいやるが、激しく争うことは少ない。交尾は水中で行う。妊娠にんしん期間きかんは百五十日である。群れから離れた草むらで最大七匹の幼獣を産む。出産後数時間で母親は群れにもどり、幼獣は動けるようになる生後三日で群れに合流する。授乳じゅにゅう期間きかんは一年以上に達するが、生後一週間で食物が食べられるようになる。群れにいるメスは母親でなくても、幼獣に授乳を行う。生後十八か月でせい成熟せいじゅくする。寿命じゅみょうは八年である」

「どうも」

ミネラル温泉は、モンテマーレが管理しているという。

 すると、

「チララ、君にこれをあげよう」

「どんなもの?」

「伝説の猛者もさたちを呼び出すために使うガラスのすずだ。バーニング火山からできた火山灰でできたガラスが素材となっている」

「ガラスは、語源的にはケイ酸塩さんえんガラスの固体状態を他の物質が取っている場合をもガラスと呼ぶようになったものである。日本語のガラスの元になったオランダ語glasの発音は、英語のglass同様グラスに近いが、日本語化した時期が古いため、転訛てんかしてガラスとなった。日本語でのグラスは多くの場合はコップの意味になる。ガラスには多くの種類があるが、その多くは可視光線に対して透明であり、硬くて薬品にもおかされにくく、表面がなめらかでよごれを落としやすい。このような特性を利用して、窓ガラスやかがみ、レンズ、食器など市民生活及び産業分野において広く利用されている。近代以前でも装飾品そうしょくひんや食器に広く利用されていた。また金属表面にガラス質のまくを作った琺瑯ほうろうも近代以前から知られてきた。ガラスの表面に細かな凹凸おうとつを付けたりガラスや内部に細かな多数の空孔くうこうを持つ多孔質ガラスは、散乱のために不透明である。遷移せんい金属きんぞくや重金属の不純物を含むガラスは着色するものがあり、色ガラスと呼ばれる。二〇〇二年の統計によれば日本だけでも建築用に三千九百億円、車両用に千七百億円、生活用品に三千億円、電気製品等に八千三百億円分も出荷しゅっかされている」

「そうなんだ!」

チララは、タビビトからガラスの鈴を手に入れた。

「ガラスも温泉も、火山のめぐみでできているんだね」

「プロミネンス地方は、太古の火山活動で生み出された自然に囲まれている」

「太陽にいつも照らされている場所、そこがプロミネンス地方だ」

ヒビキたちは、プロミネンス地方についてそう思った。

 その後、

「グハハハハハッ!」

魔王まおうがまだ生きているなんて…」

トリップ号にもどってきたヒビキたちは、魔王にまつわる新事実を知る。

「東京都に、魔王が現れたわ」

「東京都は、関東地方に位置する都である。都庁所在地は新宿区である。区部、多摩地域および島嶼部とうしょぶからなる。関東南西部にあって東西に細長い都域を有し、東部は東京湾に面する。西部は雲取山を最高峰さいこうほうとする関東山地となる。行政機関、金融きんゆう機関きかんや大企業などが集中し、新聞・放送・出版などの文化面、大学・研究機関などの教育・学術面においても日本の中枢をなす。交通面でも鉄道網てつどうもう、道路網、航空こうくうの中心である。世界最大級の人口を有する国際的大都市である。東京都と周辺七県で首都圏を構成している。特に東京圏の総人口は約三千五百万人に達し、日本の人口の約三十パーセントを占める。管轄かんかつする領域は東京都区部、多摩たま地域ちいきおよび東京都島嶼部の四支庁からなっている。沖ノ鳥島おきのとりしま、南鳥島をふく小笠原おがさわら諸島しょとうふくむため、日本最南端および最東端に位置する都道府県でもある。都公認の東京都の英語表記はTokyo Metropolisである。他には Tokyo Prefecture と Tokyo Metropolitan Prefecture がある。人口は約百三十万人である。これは日本の都道府県の中では人口が最も多く、日本の人口のおよそ十一パーセントを占めている。人口密度も都道府県の中で最も高い。東京都を中心とする東京都市圏は人口三千七百万人を超える世界最大の都市圏である。日本の人口のおよそ三割が集中し、ポーランドやモロッコ、カナダなどの国の総人口に匹敵する。東京は、江戸幕府が置かれたかつての江戸であり、徳川とくがわ家康いえやすの都市計画によって大いに発展した。幕末の動乱を経て明治元年の文書から東京と表記されるようになった。一八六九年二月十一日に平安京から遷都せんとされ、一八七八年に府制が施行しこうされて東京府となった。第二次世界大戦中の一九四三年七月一日、首都の行政機能を強化する目的から東京都制が施行された。これにより東京府と東京市が廃止はいしされ、これらを統合する形で東京都が設置された。終戦後の一九四七年の地方自治法施行に伴い、一九四三年以来の東京都制は廃止されたが、東京都の名称と行政区域は変更していない。すなわち、東京都制によって都の直轄ちょっかつとされた、旧東京市内に設置された区は、地方自治法施行によって特別地方公共団体たる特別区となって市に準ずる権限を付与されたものの、一部の事務や徴税権ちょうぜいけんは引き続き都に留保された。このため東京都庁は、今なお二十三区を包括する市役所としての機能と県庁としての機能とを併せ持っている。東京都の議決機関として東京都議会が設置される。東京都の首長は東京都知事である。その権能は地方自治法によって定められており、選挙によって選出される。任期は四年である。知事の補佐職として東京都副知事四名が置かれる。二〇一七年四月時点で都庁の職員数は、知事部局等の一般行政職員が約二万五千人、公営企業部門が約一万三千人である。これに東京消防庁および警視庁の職員、東京都内の公立学校の教職員を加えると総計約十六万八千人となる。東京都庁舎は長らく千代田区有楽町にあったが、一九九一年四月一日に新宿区西新宿へ移転した。移転に伴って地方自治法に従い条例が改正され、これ以降、都庁所在地は東京都新宿区西新宿二丁目となっている。しかし、地図等の都庁所在地の表記は、便宜上東京べんぎじょうとうきょうが使用される。国土地理院によると、東京以外の道府県庁所在地は市の名称を用いるのに対し、東京の場合は実際の所在地である新宿区を含めた二十三区をまとめて東京と表記する。教科書でも国土地理院と同じく東京としているものが多い。特別区が市町村でないことに加え、市町村が持つ業務の権限の一部を有しないこと、区部がかつて東京市という一つの市であったことなどが原因とされる」

「しかも、僕の故郷が…」

これには、ヒビキたちも危機感をあらわにする。

「世界は今、破滅はめつの危機にさらされています。それを解決するカギは、ニュートピアにあるでしょう」

その時、希望の国にあるプリズムパレスにいるカレン・ピュアラ・エスポワール・フェアリーテイルは、そう語った。

「王子さま、行きましょう」

「はい」

カレンは、希望の国の王子とともにニュートピアに向かうのであった。

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