第110話 マーケットへ行こう

 ヒビキたちは、プロミンタウンを訪れている。

「路上で市場がやっている!」

「市場は、商人が仕切りを設置し、買い手が商品を求める広場であり、取引の場である。この種の市場は非常に古く、無数の市場が世界中で運営されている。主に野菜やさい、果物、魚介類などの生鮮せいせん食品しょくひんや、株式や債券さいけんなど証券、為替かわせなどの金融きんゆう取引とりひきの場を指すことが多い。証券・為替など金融関係ではしじょうと読まれる。また、施設しせつの名称もしじょうとなっているところも多い」

「どんなものが販売はんばいされているのだろうか?」

「楽しみだね」

プロミンタウンでは、路上でマーケットを開いているという。

 そんな中、

「誰か助けてちょうだい!」

メロンの生き物が泥棒どろぼうのモンスターにおそわれている光景を目撃もくげきした。

「行こう!」

「うん!」

現場に向かうと、泥棒のモンスターにとらわれたメロンの生き物の救出作戦が始まった。

すると、日差しが強くなってきた。

「僕がみんなを守って見せる!」

ヒビキは、サファイアのマジカルジュエルを魔法まほうの筆にセット。それを仲間たちに向けてると、

「クリアーリフレクション!」

ヒビキたちの周りに結界ができ、ダメージを最小限におさえた。

「ここからは、僕の出番!」

ケンタは、エメラルドのマジカルジュエルを魔法の筆にセット。それをモンスターに向けて振ると、

「ワイルドトルネード!」

ナツの魔法によって、モンスターを撃退することに成功した。

「メロンは、北アフリカや中近東地方の原産地と推定されたが、最近の遺伝子研究によれば、インドが原産地と裏付うらづけられた。紀元前二〇〇〇年頃に栽培さいばいが始まった。通常Cucumis melo L.の西方に伝わった品種群をメロンと呼び、東方に伝わった品種群を瓜と呼ぶ。日本のマクワウリなどもそのひとつである。漢字ではろんと呼ぶが、これはメロンを指すと同時にマクワウリをもふくむ表記である。紀元前五世紀頃にエジプトで作られた苦味の少ないメロンが地中海をえてヨーロッパにわたった。当時のメロンはキュウリよりは甘いという程度ていどであり、サラダや酢漬すづけにされた。その後、あまいメロンが作られるまで数世紀に及ぶ改良の努力が行われた。ルネサンスの頃に南フランスでカンタルー種のような甘い品種が作られるようになり、メロンは野菜の仲間ではなくなっていった。日本では中世の考古遺跡から炭化種子が検出されており、古い時代に渡来とらいして雑草化したものは雑草ざっそうメロンと呼ばれ、西日本の島嶼部とうしょぶなどに自生している。メロンの産地として夕張などの冷涼れいりょうな地域が有名である。熱帯性の種の多いウリ科植物にはめずらしく、日本で流通している高級メロンの元になった品種はヨーロッパで生まれ、夏の高温こうおん多湿たしつえられないからである。同じウリ科の果菜のスイカが庶民しょみんの味として親しまれてきたのに対し、メロンは高級品というイメージを持たれた。近年では品種改良が進み産地も広がり、生産量ベースではメロンがスイカの約半分までい上げている。時期や地域にもよるが同程度の小玉スイカと価格が逆転する場合もある。スイカの旬は盛夏だが、より冷涼を好むメロンの出荷期の方が早いため、出始めの高値のスイカと安いメロンが市場に出回ることになる。普及をめざす過程で様々なタイプの品種が開発あるいは移入されたため、超高級から低価格まで、外見も味も多様な品種が見かけられる。同属の有用植物としてキュウリがある。メロンは園芸分野では果菜とされるが、青果市場での取り扱いや、栄養学上えいようがくじょうの分類では果物あるいは果実と分類される。果実は多くの場合に球形であるが、ラグビーボール形やこん棒形、さらにはへびの様に細長いものまで変化に富む。表面は白色、緑色、黄色などで、複数の色が混ざる事もあり、イボや深いみぞを生ずることも多い。網目あみめが生じるものと生じないものとがある。多くは中心部が綿状で多数の種子を含む。日本で流通しているアミメロンは、品質を高めるために一本のつるから通常一個しか収穫しゅうかくしない。主なネットメロン品種は受粉じゅふんしてから食べ頃までの日数が特定されている。ネットとは、かさぶたのようなものであり、果実の成長期に果肉と表皮の伸長率のずれによって生じるひび割れをふさ分泌物ぶんぴつぶつから形成されるもの。 実を一個残す過程で未熟みじゅくな状態で収穫される実は摘果てっかメロンと呼ばれ、メロン漬けの材料となる。果実は熟すと甘くなるが、酸味が含まれる場合もある。極粉質の果実をつける品種や、乾燥かんそう地帯ちたいの品種には極めて保存性のよい品種もある。この場合は果物というより、水筒すいとうの代わりとしての利用である」

「助けてくれてありがとう!私はメロウ!」

メロウはヒビキたちに挨拶あいさつすると、

「さあ、ハミングタウンに帰ろう!」

「うん!」

ヒビキがスマートフォンで転送アプリを起動して、ハミングタウンに帰ったのであった。

 それから、

「いらっしゃいませ!マーケットへようこそ!」

プロミンタウンの住民である地底人が経営するマーケットがオープンした。

「すいません、これをください!」

「毎度あり!」

ヒビキたちは、ここでスイカを買った。

「スイカは、原産は、熱帯アフリカのサバンナ地帯や砂漠さばく地帯ちたいである。西瓜の漢字は中国語の西瓜に由来する。日本語のスイカは西瓜の唐音とうおんである。中国の西方から伝来した瓜とされるためこの名称が付いた。夏に球形または楕円形だえんけいの甘味を持つ果実を付ける。果実は園芸分野では果菜とされるが、青果市場での取りあつかいや、栄養学上の分類では果実的野菜に分類される。葉は切込みが深く、丸みを帯びている。葉身は約二十五センチメートルである。つる性である。雌雄しゆう異花いかで花色は黄色である。雌花は子房しぼう下位かいである。水にれると花粉が破裂はれつするため、受粉後約四時間以内に降雨こうううと着果せず、自家受粉では良質な実は着果しない。果実の外観は緑色の玉に深緑色の縦縞たてじまが入ったものが一般的いっぱんてきであるが、薄緑色うすみどりいろのものや黒に近い深緑色のものもある。玉形の他に楕円形の品種もあり欧米おうべいでは楕円形が主に流通している。同じウリ科の果菜類であるメロンは、主として甘く熟した果皮の部分を果肉として食べるが、スイカの果皮は内側の薄い層しか甘く熟せず、主に種子をつける胎座の部分を食用とする。果皮はキュウリをわずかに甘くしたような味だが、生のまま果皮まで食べることは少ない。日本で縦縞模様の品種が広まったのは昭和初期頃と言われ、それまでは黒色の無地でてつかぶとと呼ばれていた。果肉の色は赤もしくは黄色である。大玉の品種で糖度とうどは十二度程度である。果実中心及び種子周辺の果肉の糖度が最も高い。果肉は、水分が多く九十パーセント以上である。様々な品種があるが、一般に果肉はくれない、甘くて多汁である。二十一世紀現在の栽培種のルーツは、スーダンのコルドファン地方にあると考えられている。野生のスイカは、ほとんど甘みがないが、水分だけは胎座部分に大量にたくわえられている。しかし、胎座はらざ部分ぶぶんは栽培種と異なり多くの隙間すきまがあり、現在の栽培種のようなリコピンを豊富に含んだ胎座が隙間なくある状態ではない。この野生種から現在の栽培種へと至る過程は、十七世紀の画家ジョバンニ・スタンキや、ジュゼッペ・レッコのスイカの静物画に見ることが出来る。また、スイカは水分の反応に敏感びんかんで、土壌どじょうの水分量が過多になると、現在の栽培種でも果実の中に栄養や水分を送るための維管束いかんそくの管が極端に広がり、内部が、原種に近いような模様のスイカになる。スイカは元々、自生地が乾燥地帯であるため、野生動物は水分を目当てにスイカの果実を摂食せっしょくすることになり、胎座の水分ごと種子を飲み込んでふんとともに排泄はいせつし、種子散布が行われる。人類によるスイカの利用もこの水分を目当てに始まり、同時に脂肪しぼう蛋白質たんぱくしつに富んだ種子をも食用にするようになったと考えられる。日本の改良種のスイカにはナトリウムやタンパク質はほとんど含まれないが、カラハリ砂漠に自生する野生種には一ミリグラムのナトリウム、八グラムのタンパク質が含まれる。野生のスイカは砂漠の生活において貴重なミネラルや栄養の供給源となっている」

「おいしそうなスイカだ!」

「早く食べたい!」

ヒビキたちは、スイカについてそう思うのであった。

「ここの向こうになる港町には、あるものが潜んでいることを…」

その時、アラシはこんな言葉を残した。

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