第109話 地底人の住んでいる街

 ヒビキたちは、プロミネンス地方の拠点きょてんであるプロミンタウンにたどり着いた。

「プロミンタウンの名前の由来は、プロミネンス地方のプロミネンスからなっている」

「プロミネンスは、皆既かいき日食にっしょくの際に、月に隠された太陽の縁から立ち昇る赤いほのおのように見えることから名づけられた。紅炎こうえんが赤く見えるのは、彩層さいそうと同様に主にHα線を放射ほうしゃしているためである。Hα線を選択的せんたくてきに通すフィルターを用いれば、通常時でも観測することができる。光球上の紅炎をHα線で観測すると、波長の関係で光球よりも暗い線状に見える。この場合には暗条またはダークフィラメントと呼ばれている。光球上にあるかないかでこのように見え方がちがうのは、紅炎の背後に光源があるかないかの違いによる。紅炎には、数ヶ月にわたって安定に存在する静穏型紅炎と、激しく形を変え主に黒点に伴って発生する活動型紅炎の二種類がある。時によって、高さは地球の直径の二十倍にもなる」

「ここに、誰が住んでいるのかな?」

「僕も気になる」

すると、

「誰か助けて!」

パフェの生き物が地底人におそわれている光景を目撃もくげきした。

「地底人は、多くのSF作品などに登場するほか、伝承にも登場するが、実在しているとは立証されていない。が、黒くて細いという不思議なうわさもある。さらに、地下空間に造られた空間に住んでいる人のことを一概いちがいに地底人と呼ぶことはない」

「行こう!」

「うん!」

現場に向かうと、地底人にとらわれたパフェの生き物の救出作戦が始まった。

すると、日差しが強くなってきた。

「僕がみんなを守って見せる!」

ヒビキは、サファイアのマジカルジュエルを魔法まほうの筆にセット。それを仲間たちに向けてると、

「クリアーリフレクション!」

ヒビキたちの周りに結界ができ、ダメージを最小限におさえた。

「俺も力になってみせる!」

アラシは、ダイヤモンドのマジカルジュエルを魔法の筆にセット。それを地底人に向けて振ると、

「マーブルスパーク!」

バニラとココアの魔法によって、地底人は正気にもどった。

「助けてくれてありがとう!私はサンディ!」

サンディはヒビキたちに挨拶あいさつすると、

「さあ、ハミングタウンに帰ろう!」

「うん!」

ヒビキがスマートフォンで転送アプリを起動して、ハミングタウンに帰ったのであった。

「やあ、ここは我々地底人が住むプロミンタウンだ!」

「飛行機内で見かけたものと同じ!」

「そう!」

プロミネンス地方は、太古から地底人が住んでいるのだ。

「島民一同、あなたたちを待っていましたぞ!」

すると、地底人たちがプロミネンス地方独特の民族みんぞく舞踊ぶようおどっている。そう、ここは一つの島で成り立っているのだ。

「太陽の楽園・プロミネンス地方へようこそ!」

「ここは、太陽に由来しているかも!」

ヒビキとチララは、そう思うのであった。

「プロミネンス地方に住んでいる地底人があやつられた原因は、魔王の仕業しわざだったのか…」

その時、アラシはこんな言葉を残した。

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