第111話 港町にアンコウが出現!?

 プロミネンス地方を訪れているヒビキたちが次に向かった場所は、トリコロールハーバーという港町だ。

「港町は、舟運に適した海岸・湖岸・河岸において、陸上生活者と水上生活者の両方あるいはどちらか一方によって都市化が進む。流通りゅうつう拠点きょてんとして発達すれば、陸上と陸上、あるいは、水上と水上とをも結ぶハブ港湾こうわんともなる。古代に繁栄した都市の多くが河川や海沿いにあったことからも水域と文明の関係はきわめて重要であることがわかる。古代世界では多くの場合、陸上交通より水上交通のほうが、移動速度が速く大量輸送が可能であった。そのため、海や河川、湖に面した船舶の停泊に適した陸地に人々が集住し、内陸方面と水上方面とを結ぶ交易市場として発達した。そうした集落は都市へと成長して港湾都市と呼ばれるようになった。港湾都市の形成されることが多い場所には、入り江や河口付近、みさき付近ふきんなどが挙げられる。港の周辺の水域で海産物を捕獲ほかくすることができれば、港は漁港としての役割を果たした。古代から中世にかけての港湾や港湾都市は、いわゆる天然の良港と呼ばれる地形を活かした自然発生的なものが多いのに対し、近世以降になると、め立てやり込みなどの土木技術を用い、埠頭を中心に港湾建設がきわめて大規模かつ緻密ちみつに設計されたものが出てきた。後背地が商業都市や工業地帯である場合は、港湾は貿易港や工業港としての機能を有し、軍事都市や軍事基地である場合は軍港としての機能を有した。現代においては、港湾がせまい意味での港としての機能を果たすだけではなく、ウォーターフロント開発や、後背地開発を中心に、市民生活や経済における役割を拡大させ、機能が多様化している。近年は、英米におけるロンドンやサンフランシスコのように、港湾機能の大半を失いながらも、市民による文化・芸術・観光・情報発信等、港湾都市機能を多様な形で展開している港湾都市も少なくない」

「世界中から多くの船がやってくるそうだ」

「貿易の拠点なのかな?」

すると、

「誰か助けてくれ!」

サボテンの生き物がアンコウにおそわれている光景を目撃もくげきした。

「アンコウ科と結果的同義と言える英語としては Goosefish と Monkfish があり、日本語のアンコウの第一義とも同義と言える。英語には Anglerfish という語もあるが、こちらはより広くアンコウ目および日本語最広義のアンコウと同義と言える。日本では、キアンコウとアンコウが主な食用の種である。両種は別の属に分類されているが、外見は良く似ている。そのため、一般に市場では区別されていない。外見的な特徴とくちょうは頭部が大きくはばが広いこと。体はあん褐色かっしょくから黒色で、やわらかく平たい。北極海、太平洋、インド洋、大西洋、地中海に生息する。アンコウは水深百メートルの泥状でいじょうの海底に生息する。手足のように変形したヒレで海底を移動する。このことから、アンコウ目の魚類全体に対して底生生活のイメージが持たれているが、アンコウ目のうちチョウチンアンコウなどは深海域の千メートルの中層域に生息し、ハナオコゼのように表層に分布するものもある。擬餌状体ぎじじょうたいという誘引ゆういん突起とっきによる待ちせ型のせつ餌法じほうをとる魚である。肉食性で、口が大きく、歯が発達している。海底に潜んで他の魚を襲うのに適するため、口はやや上を向いている。頭には二本のアンテナ状の突起があり、長い方には皮がついている。アンコウは泳ぎが下手なため、泳ぎの上手な魚をい回してもげられてしまう。そこで、海底の砂にもぐり、その突起の皮を水面で揺らし、これをエサだと思って寄ってきた魚を、丸呑みにして捕食する。突起の皮は擬餌ぎじばりのような働きをする。アンコウは主に小魚やプランクトンを捕食するが、種によっては小さなサメ、スルメイカ、カレイ、かに、ウニ、貝などを捕食するものもある。さらに、たまに水面に出て海鳥を襲うこともあり、食べるために解体したらの中にカモメやウミガラス、ペンギンなどが入っていたという報告もある。体長は大きなもので二メートル近く、重さも六十キログラム近い種もある。アンコウ目の魚類には雌雄差しゆうさがある。アンコウのメスはオスよりも早く成長し体が大きく寿命じゅみょうも長い。チョウチンアンコウ科に属するチョウチンアンコウではメスの体長が六十センチメートル程度なのに対してオスの体長は四センチメートルに満たない。ただ、アンコウ科に属するアンコウは雌雄ともに大きくなる。また、アンコウ目のうちヒレナガチョウチンアンコウ科、ミツクリエナガチョウチンアンコウ科、オニアンコウ科など一部ではオスがメスに寄生する習性を持つ。なおキアンコウなどアンコウ科に属する種はそのような習性は見られない。また産卵さんらん時期じきなどにオスのキアンコウがメスに捕食されるケースがある。名古屋港でキアンコウの産卵シーン撮影が成功している」

「行こう!」

「うん!」

現場に向かうと、アンコウにとらわれたサボテンの生き物の救出作戦が始まった。

「俺も力になってみせる!」

アラシは、ダイヤモンドのマジカルジュエルを魔法まほうの筆にセット。それを空に向けてると、

「チャンスオブタイム!」

バニラとココアの魔法によって、時間が一時的に静止した。

「決めるなら、今しかない!」

「私に任せて!」

ヒビキとサクラは力を合わせて、

「ジュエリーレイン!」

「ブロッサムトゥルビヨン!」

チララとラビカの魔法によって、アンコウを倒した。

「サボテンは、北アメリカと中央アメリカを中心に二千種以上ある。その多くは多肉植物であるため、多肉植物の別名として使われることもあるが、サボテン科以外の多肉植物をサボテンと呼ぶのはあやまりである。とげの部分は葉やくきが変化したものであると考えられている。サボテンの形態は様々であるが、一般的いっぱんてきに茎はつつまたは球型、葉は針状もしくは退化している。全ての種が一種の短枝である刺座とげざまたはアレオーレと呼ばれる器官を持つ。基本的に腋芽には刺座が形成され、多くの場合そこにスポット状に葉の変化した棘が密生する。またしばしば刺座は綿毛で覆われる。棘は大小長短、密度、かたさ、まっすぐであったり曲がっていたり形態は様々である。刺の他に長い毛を生やすものもある。これらは動物による食害から身を守ったり、あるいは脱落した植物体の一部が動物の体にくっついて運ばれた先で根付く栄養えいよう繁殖はんしょくの手段であったり、表面積を増やし空気中の水分をつゆとして凝結させたりする。植物体全体をおおうほど発達したものは、きつける砂嵐すなあらしや、強すぎる陽光、冷気を防ぐなど、様々な役割を果たしている。根は主根が深く伸びる主根系のものが多く、中には主根が芋の様に肥大ひだいするものもあるが、主根が発達しないひげ根系のものもある。貯水ちょすい組織そしきが発達し、たい乾性かんせいすぐれているものが多い。サボテンの最も原始的な形のグループはコノハサボテン亜科あかのコノハサボテン属で、長枝につく葉は棘状にならず、木の葉らしい形を維持している。一見サボテンに見えない形をしているが、刺座が存在するのでサボテンの仲間とわかる。こうした形の祖先からより多肉植物として特殊化とくしゅかし、長枝の葉が鱗状りんじょうに退化したウチワサボテンや、針状に変化していない葉を全くつけない柱サボテンが出現したと考えられる。球形のサボテンは柱サボテンの太くて短いものであると見なせる。トウダイグサ科やガガイモ科の植物には、退化した葉、放射相称形ほうしゃそうしょうけいの多肉質の茎、棘など一見すると球形サボテンや柱サボテンにそっくりなものがある。これらは乾燥かんそうした気候に適応する収斂しゅうれん進化しんかの結果生み出された相似である。これらはサボテンに特有のアレオーレを欠くことでサボテンと区別できる。花弁中に含有がんゆうされる色素は、通常はアントシアン系のアントシアニジンやペチュニジンなどであるのに対し、サボテン科はベタイン系色素を含有し、化学分類上マツバボタンなどと類縁るいえん関係かんけいがあるとされている。アントシアニン系の色素を持たないため、青色の花はかず、赤〜黄、紫色むらさきいろの花が咲くのが基本である。サボテンは、CAM型光合成の機能を獲得し、砂漠といった水分が慢性的まんせいてきに不足し、かつ昼夜の温度差が大きい環境に適応したものだと考えられている。通常の植物は昼に気孔きこうを開け、CO2を取り込む。ただし、このような環境下の場合、同時に大量の水分を失ってしまう。しかし、CAM植物はすずしい夜に気孔を開け、CO2の取り込みを行い、昼は気孔を閉じることで水分の損失そんしつを最小限に抑えることができるものである。サボテンは刺座と呼ばれる特殊な短枝を持つ。短枝自体は極端に短縮しわきと殆ど同化した枝のことで、他の植物にもしばしばみられるが、サボテン科においては短枝が毛に覆われ、かつそこに付く葉が棘になって密生する点に特徴がある。ちなみに長枝の葉は棘にならない。葉が全くないように見える柱サボテン亜科ではあるが、実は顕微鏡けんびきょうサイズに縮小しているだけで、やはり普通の葉として発生している。ある種のコノハサボテンは、刺座に付く刺の一部を普通の葉として発生させる。乾季がある地域に分布する種にこの機能が備わっている例が多く、葉をつけるために枝を伸ばす必要が無いため雨期になると急速に葉を茂らすことができる。一方で、熱帯雨林や亜熱帯あねったい湿潤しつじゅん地域ちいきに分布する常緑性の Leuenbergeria bleo やもくキリンはこの機能を持たず、刺座に付く葉は全て棘として発生する」

「助けてくれてありがとう!おいらはテン!」

テンはヒビキたちに挨拶あいさつすると、

「さあ、ハミングタウンに帰ろう!」

「うん!」

ヒビキがスマートフォンで転送アプリを起動して、ハミングタウンに帰ったのであった。

 その後、

「お久しぶりだっピ!」

「ピーコ!」

「元気そうだね!」

ヒビキたちは、ピーコと再会した。

「どうかしているのか?」

「ヤシの実をハミングタウンに届けるっピ!」

「みんなに届くといいね!」

ピーコは、プロミネンス地方で育てられたヤシの実を船に乗せてハミングタウンに届けるのであった。

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