マウンテン地方の冒険

第87話 山のふもとの雪原

 ヒビキたちを乗せたトリップ号は、マウンテン地方にたどり着いた。

「ちゅぴ!」

「息が、白い!」

「山が近くにそびえたっているからね」

ヒビキたちが降り立った場所。そこは、フローズン雪原だ。

「雪原は、面積が小さい場合は雪田ともいう。山地で氷河地域に使用される。なお、氷河は雪原から生じる。日本語では、冬の積雪時に一面の雪におおわれた雪野原も雪原と呼ばれる」

 すると、

「助けてちょうだい!」

ホッキョクグマがアイスクリームのモンスターにおそわれている光景を目撃もくげきした。

「行こう!」

「うん!」

現場に向かうと、アイスクリームのモンスターにとらわれたホッキョクグマの救出作戦が始まった。

 すると、雪あられがってきた。

「僕がみんなを守って見せる!」

ヒビキは、サファイアのマジカルジュエルを魔法まほうの筆にセット。それを仲間たちに向けてると、

「クリアーリフレクション!」

ヒビキたちの周りに結界ができ、ダメージを最小限におさえた。

「本番はまだまだこれから!」

リンリンは、ガーネットのマジカルジュエルを魔法の筆にセット。それをモンスターに向けて振ると、

「フレアブレイズ!」

タンタンの魔法によって、モンスターの撃退に成功した。

「ホッキョクグマは、体長オス二百二十センチメートル、メス百九十メートル、体重オス約五百キログラム、メス約二百キログラムである。オスの平均体重は三百九十キログラムである。ボーフォート海出身のオスは平均四百五十キログラムになる。メスは妊娠時五百キログラムに達する場合もある。地球温暖化の影響で小型化が進んでおり、一九八四年から二〇〇九年までの二十五年間で、オスの平均体重が四十五キログラム、メスの平均体重が三十一キログラム減少した。ホッキョクグマはクマ科最大の種の一つだがヒグマの中でもコディアックヒグマはホッキョクグマと同等のサイズを持つ。他種のクマと比較ひかくすると頭部は小さいが、長い頸部けいぶを持つ。体は大きくても耳が小さいため体勢は寒冷地に適応している。吻端ふんはしあしうらの肉球を除いた全身が体毛でおおわれている。夏季は日光などにより、毛衣に黄がかる個体もいる。長い首や流線型で小さな頭は遊泳への適応結果とされ、何時間も氷海を泳ぐことができる。また流氷に乗って長距離ちょうきょり移動いどうすることもある。クマの中では視力は良いほうである。全身が白い体毛に覆われているように見えるため、シロクマとも呼ばれる。多くの哺乳類ほにゅうるいの体毛がたとえ白色であっても光を透過とうかしないのに対し、ホッキョクグマの体毛は光を透過し、内部が空洞になった特殊とくしゅな構造のために、散乱光によって白くかがやいて見える。ホッキョクグマの透明の体毛は陽光の通過を妨げずおくにある皮膚ひふにまで届き熱をもたらす。もたらされた熱はぶあつ脂肪層しぼうそうと体毛に保護ほごされ、容易よういに失われることはない。それに加え体毛内の空洞くうどう蓄熱ちくねつの役割を果たすというたくみな保温機構を成立させている。体温がほとんど外にげないため、体から輻射ふくしゃされる赤外線の量が非常に少ない。この特性から、赤外線カメラによる空中くうちゅう撮影さつえいの際は雪の反射光にさえぎられるため、ほぼその姿を捉えられないことが知られている。なお、動物園などに飼育しいくされている個体の場合、体毛の空洞に汚れが入り込むことで黄色っぽく変色したり、ときには空洞内にが発生し緑みがかかった色になってしまうことがある。この状態をぞくにミドリグマともいう。出産直後のようじゅうは、体重約一キログラムである。流氷水域、海岸などに生息する。冬季には流氷の南下に伴い南へ、夏季には北へ移動する。一日あたり七十キロメートルを移動することもあり、年あたり千百二十キロメートルの距離を移動した例もある。地域によっては、夏季に風通しの良い場所に直射日光や外敵から逃れるための巣穴を作る。秋季にはあらしいや雪をけるために、同様の巣穴を利用することもある。流氷の間を数時間にわたって泳ぐ。時速六キロメートルの速度で、約六十五キロメートルの距離を泳ぐことができる。クマ科中で動物食どうぶつしょく傾向けいこうが強く、主にワモンアザラシやアゴヒゲアザラシを食べ、ズキンアザラシやタテゴトアザラシも食べる。ワモンアザラシは成体でも六十キログラムほどでホッキョクグマよりはるかに小さいが、主に狙うのは幼体である。アザラシだけでなく、より大型のセイウチにおそかる映像も確認されている。ただしセイウチはホッキョクグマの倍以上の体躯たいくと巨大なきばがあり成体には返りちにうこともあり、七十回襲って三回セイウチの幼体の死骸しがいにありつける程度である。夏季には鳥類や魚類、植物質、海藻も食べる。アザラシを捕食する際は、すぐれた嗅覚でにおいを察知し、氷をって巣穴にいる個体を襲う、氷上にある呼吸用の穴や流氷のえんで待ちせる、氷上にいる個体に忍び寄るなどの方法を取る。学習能力は高い。繁殖はんしょく形態けいたいは胎生で、春から初夏に交尾こうびを行う。受精卵じゅせいらん着床ちゃくしょう遅延ちえんする期間も含めて、妊娠にんしん期間きかんは約九か月である。秋から冬に複数の幼獣を産む。幼獣は、生後二十八か月は母親と一緒に行動する。生後五年でせい成熟せいじゅくする。生後二十一年で繁殖を行ったメスもいる。寿命は約二十七年である。五百キログラムの雄の個体の体重を維持するには一日に一万二千キロカロリーを必要とし、これには一週間でアザラシ一頭の捕食ほしょくを必要とする。交尾相手のメスをめぐり、オス同士が争うこともある。ただし、この争いは相手の殺害が目的ではなく、威嚇いかくを重視したものである。なお、仔の二頭に一頭は生後一年以内に死亡することが多く、この中にはホッキョクグマのオスの成獣に捕食される個体も多い。このため子グマをつれたメスはオスを大変に恐れ、警戒する。生息地帯においてじゅうを持った人間にんげん以外いがい脅威きょういとなるものはほとんど存在しないが、ごくまれに水中活動中にシャチに襲われる例が確認されている。また、ニシオンデンザメの胃からホッキョクグマの骨が発見されたこともある。海氷が激減してからは、必然的に泳がなければいけない距離が長くなり、以前よりシャチやサメに襲われる危険性が高まっている。ホッキョクグマに限らず、大型の海生動物の減少には、シャチやサメによる捕食が拍車をかけているという指摘もある」

「助けてくれてありがとう。僕はフラッペ」

フラッペはヒビキたちに挨拶あいさつすると、

「さあ、ハミングタウンに帰ろう!」

「うん」

ヒビキがスマートフォンで転送アプリを起動して、ハミングタウンに帰ったのであった。

 その後、

「ねえ、見て!」

「あれがダイヤモンドダスト!」

「ダイヤモンドダストは、よく晴れた朝など、気温が氷点下十度以下の状態のときに発生する。視程していは一キロメートル以上である。日光で輝いて見えることから、ダイヤモンドダストと呼ばれる。人工的に作ることもできる。氷晶ひょうしょうで光が反射はんしゃ(はんしゃ)、屈折くっせつすることで、太陽や月の周囲、ダイヤモンドダストが発生している大気中にかさげんじつ、太陽柱などの大気光学現象が現れることがある」

「初めて見たわ」

フローズン雪原にダイヤモンドダストが発生した。

「ちゅぴ!」

「ちゅる!」

これには、チララとコロンはうっとりした様子だった。

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