第65話 崖の上のスズメ

 ヒビキたちは、ハミングタウンにある風車の近くにいた。

「長い間、動いていないみたい」

こわれてしまっているのかな…」

風車について気になっているヒビキたち。

 すると、

「助けて、早く!」

スズメが綿毛のモンスターにおそわれている光景を目撃もくげきした。

「行こう!」

「うん!」

現場に向かうと、綿毛のモンスターにとらわれたスズメの救出作戦が始まった。

「よし、やってみよう!」

カナタは、ペリドットのマジカルジュエルを魔法まほうの筆にセット。それをモンスターに向けてると、

「びりびり粉!」

ジョンの魔法によって、モンスターはマヒして技が出にくくなった。

「決めるなら、今しかない!」

ヒビキは、サファイアのマジカルジュエルを魔法の筆にセット。それをモンスターに向けて振ると、

「ジュエリーレイン!」

チララの魔法によって、モンスターを撃退することに成功した。

「スズメは、全長は約十四センチメートルで、体重は約二十三キログラムである。ホオジロより小さく、シジュウカラぐらいの大きさ。日本では鳥の大きさ等を比較ひかくする場合の基準となるものさし鳥と呼ばれる基本種となる。翼長約七センチメートル、尾長約四センチメートルで、雌雄しゆう同色どうしょくである。成鳥は頭部が赤茶色、背中は褐色かっしょくで縦に黒斑こくはんがあり、つばさに二本の細い白帯がある。ほおから後頸ごくび、腹にかけては白色をしている。耳羽および目先からのどは黒い。くちばしの色は黒色であるが、ようちょうの時はたん黄色こうしょくである。ただし成鳥でも、繁殖期はんしょくきの終わりごろにはくちばしの根元が黄色になる個体が観察される。全ての成鳥のくちばしの根元が黄色くなるかどうかは分からないが、若い個体と区別が付きにくいので注意が必要である。成鳥の頬にある大きな黒い斑は遠くからも目立ち、これが他の類似種との区別点でもある。幼鳥は全体に色があわく、頬の黒斑や喉の黒斑がはっきりしない。くちばしは短くて太い円錐形えんすいけいで、小さなえさをついばむために都合がよい構造となっている。くちばしぽうちょうは約一センチメートルである。足はたん褐色かっしょくで、跗蹠くびすしょちょうは約一センチメートルである。ヨーロッパなどユーラシアに広く分布し、アメリカ大陸やオセアニアなどにも移入種として生息する別種イエスズメは、やや大きくて、雄の頭部に灰色の太いラインが入る。地上では両足で飛びねて素早く移動する。飛翔ひしょうは直線的であるが、急に飛ぶ方向を変えたりすることもできる。鳴き声は一般的いっぱんてきにちゅんちゅんと表される。チュンという声を基調に、変化のある鳴き声を続けて発したりするが、ときにジュクジュクジュクとむねらせながら尾を上げて激しく鳴くことがある。それは、縄張なわばりを守る威嚇いかく行動こうどうと考えられる。また、交尾の際に下のめすが、少し広げた翼を小刻みにふるわせながらヒヨヒヨヒヨと細い声を発する。一般に留鳥とされているが、日本で一九二〇年代から一九四〇年代に行われた移動性を調べる調査によれば、移動距離いどうきょりが二十五キロメートル以内の真の留鳥集団と百キロメートル以上を移動する移動性の高い集団が存在していることが明らかとなった。この調査にいて、新潟県にいがたけんで標識放鳥された約五千七百個体のうち七個体が岡山県おかやまけんで、三個体が高知県で標識回収された事が記録されている。食性は雑食性ざっしょくせいで、イネ科を中心とした植物の種子や虫を食べる。また、都市部に生息するスズメはさくらの花のみつ、パンくず菓子屑かしくずや生ゴミまで、何でも食料にする。このような雑食性が、都市部での繁殖を可能にした理由の一つと考えられている。繁殖期には子育てのために虫を好んで捕獲ほかくする。夏から秋にかけては稲に対する食害も起こすが、いねの害虫も食べることでも知られる。親鳥の死亡など緊急な保護ほごを目的などとして飼育しいくする場合、ヒナ鳥は、和鳥用の練り餌のみならず、パンをぬるま湯で柔らかくしたものや植物性の練り餌でもいくすうが可能であるが、充分な知識がないと成長せずに死亡するケースも多い。ヒナ鳥は通常充分に飛べない状態で巣立ちをするため、親鳥は近隣きんりんで見守っているもので、持ち帰って飼育していると親鳥が餌を運んでくる事例も確認されている。ヒナ鳥は拾い上げて持ち帰らず、そばの植え込み等に放っておけば親鳥が声で見付け出し育雛を続ける。繁殖は春から夏頃にかけて行われる。一年に二回程度繁殖すると考えられている。人に対する警戒心は強いが、人の生活のそばで繁殖を行う。そうすることで天敵などから身を守る効果があると推測されている。一方、集団で繁殖する習性があり、二十つがい以上がいないと繁殖しないという報告もある。巣の材料として、イネ科の植物などの繊維状せんいじょうのものを用いるので、営巣時期にはそれらをくわえて飛ぶ様が見られる。巣の大きさや形状は営巣場所の穴の形や隙間すきまによって変わる。巣に人間などの外敵が近付くとヂヂヂヂヂヂと短く高い声で警告されるが、この場合、たまごの有無は問わず、ある程度完成した巣であると警告を行うとされる。毎日一個の卵を産み、一つの巣に産む卵の数は六個とされ、五卵が七十五パーセントを占める。二〇一〇年には、秋田県大潟村で、九卵が産みこまれていた例が報告されている。卵は灰白色で、紫褐色や灰色、黒褐色の斑があり鈍端側どんたんそくに多い。卵の大きさは一センチメートルである。雌雄が抱卵ほうらんし十一日で孵化ふかする。ヒナは晩成性で、十六日で巣立つ。巣は地面近くには作らず、人の身長よりも高い位置に作ることが多い。見た目には無理と思われるような隙間でもけられるので、スズメの巣そのものは普段目に付かないが、巣の真下付近には枯草かれくさなどの巣材の残骸ざんがいが散らかっていることが多いので、それをたよりに見付け出すことができる。また、雛が餌をねだる高い周波数のチリチリという鳴き声で巣の存在に気付くこともある。日本では人間の生活に密着しているので、多くはかわらの下やあまどい(どい)と屋根の隙間などの屋根ののきの隙間や、この他にも人の住んでいない家や集合住宅の換気かんきせんカバーの中や煙突えんとつ、プレハブの鉄骨の隙間や穴など直径三センチメートル または 五センチメートル ほどの隙間さえあれば入り込んで営巣することがある。人間が設置した巣箱も利用するが、この際は出入口の位置まで巣材を積み上げる習性がある。他に、電話線の分配ボックス、電柱トランス下のスペース、交通標識の横に伸びたパイプ等でも営巣する。自然にあるもので営巣する場合、木の洞や、さらに樹木の枝のしげみに球形の巣を作ることもある。ツバメなど他の鳥の古巣を利用することもあり、造巣中のコシアカツバメの巣をうばって使った観察記録もある。まれにスズメバチの古巣を利用した例も報告されている。また、トビやクマタカなど猛禽類もうきんるいの巣の下部裏側に営巣することもあり、これは猛禽類の近くに外敵が来ないことを利用していると考えられる。夏から秋にかけて、街路樹などに数十から数百羽が集まってねぐらを形成する。その年生まれの若鳥が多いとされるが、若い個体だけでなく成鳥もまざっている。集まることで、体温の維持いじ、翌日の餌場の探しやすさ、睡眠時の安全性の向上などの効果があると考えられている。一方で、群れのねぐらに入らず個々の場所に定住する個体は成鳥が多いとされる。近縁で主にヨーロッパに分布するイエスズメでは、喉元のどもとの黒い部分の大きさが、その個体のコンディションの良さを表しており、黒い部分が大きいほど、または黒さが強いほど群れの中で優位ゆういな個体であるという研究がある。一方、スズメの頬および喉の黒い部分と社会的なランクについては、それほどはっきりした関係がないことが示されている。ただし、イエスズメについても否定的な研究もあり、スズメについてもまだ十分調べられているわけではない。スズメの寿命じゅみょうはよく分かっていない。理由は、そのための調査があまり行われていないせいもあるが、巣立ち後に分散するので個体の寿命を把握しづらいためである。これらの値が日本でも成り立つとすると、秋頃の当年生まれの個体の期待余命は一カ年ほど、一年目の春を迎えた個体の期待余命は一年ほどということになる。卵の段階から巣立つまで、そして巣立った直後から秋にかけては、かなり高い死亡率を持つと思われるので、産卵された直後のスズメの期待余命、つまり寿命は半年以下になるかもしれない。日本における自然条件下の最長寿命は、約二千百日である。これは初めて捕獲されて標識されてから、次に捕獲されたまでの日数なので、少なくともこれ以上生きたことは間違いがない。飼育下では、一般に自然条件下よりも長く生き、最長十五年という記録がある。都市部では、猫、カラスおよび小型の猛禽類などが捕食者になっている。農村部ではこれらに加え、中型以上の猛禽類も捕食者になる。かつては、ヒトも影響力の大きな捕食者であった」

「助けてくださってありがとうございます。私はキャラメルです」

キャラメルはヒビキたちに挨拶あいさつすると、

「さあ、ハミングタウンに帰ろう!」

「はい!」

ヒビキがスマートフォンで転送アプリを起動して、ハミングタウンに帰ったのであった。

 その後、

「君にわたしたいものがある」

ヒビキはネネからあるものをプレゼントする。

「これは?」

「アメジストのマジカルジュエルだ」

「アメジストはむらさき水晶すいしょうとも呼ばれる。amethyst の名は、ギリシア語のamethustosに由来する。いを防ぐ効果があると信じられていた。素焼きの陶板とうばんにこすりつけると白いじょうこんが残る。ハンマーなどで割ると貝殻状かいがらじょうの断口が残る。光沢こうたくはガラス光沢で、色は淡いライラック色から、濃紫色まで幅広はばひろい色合いがある。紫色の発色は、ケイ素を置換ちかんした微量びりょうの鉄イオンが放射ほうしゃせんを受けると電子が飛ばされ電荷でんか移動いどう酸素さんそ原子げんしと鉄イオンとの間で起こり、三価の鉄イオンが四価の鉄イオンになり、これが形成した色中心が光のスペクトルの黄色を吸収するために、その補色である紫色が通過する様になるのが原因とされる。紫外線しがいせん曝露ばくろすると退色する。照射する光のスペクトル組成によって、見た目の色を大きく変化させる紫水晶は、カラーチェンジアメシストもしくはカラーチェンジタイプアメシストと称されている。 また、加熱すると色が黄色に変化し、宝石名ほうせきめいとしてはシトリンとなる」

「ありがとう!大事にするね!」

ネネはこれで、魔法が使えるようになった。

 一方その頃、アラシはせせらぎ川いた。

「忠告しておく。ここの向こうにはたきがあることを…」

アラシはこう言い残して、どこかへと去っていった。

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