第4章

第41話 博物館に行ってみよう

 ハミングタウンにもどってきたヒビキたち。

「近頃、博物館がオープンしたようだ」

「行ってみよう!」

早速ヒビキたちは、博物館に向かう。

柴犬しばいぬは、日本犬の中で唯一の小型犬で、オスは体高約四十センチメートル、メスは約三十六センチメートルの犬種である。日本の天然記念物に指定された七つの日本犬種の一つである。日本における飼育頭数しいくとうすうは最も多い。日本犬保存会によれば、現在日本で飼育されている日本犬種のうち、柴犬は約八十パーセントを占める。日本国外でも人気が高く、日本語の読みをそのままローマ字にしたShiba Inuという名前で呼ばれている。基本的には小型犬に分類される。特にヨーロッパでは柴犬の飼い主が集うコミュニティがある。温暖おんだん湿潤しつじゅん気候きこうに強い。一般いっぱんに主人に対しては非常に忠実、よそ者に対してはれ馴れしくせず、賢く勇敢ゆうかんで警戒心も強いため、番犬にも適する。本来は山地や山あいで小動物の狩猟しゅりょうを手伝ってきた犬だが、現在は主に家庭犬としてあいされている。しかし、今もりやモンキードッグなどをして活躍かつやくしている柴犬もいる。柴犬の一般的な特徴は、短毛・立ち耳・巻きなどにある。毛色は赤・胡麻ごま・黒、まれに白などがあり、尾形も左巻き・右巻き・さし尾など、個体によってちがう。被毛は真っ直ぐでかたいトップコートとやわらかくちぢれたアンダーコートによる二重被にじゅうひもうであり、年二回毛が生え替わる。一般に、めすより雄の方が体高・体長ともにやや大きい。特に赤毛は、柴犬の飼育数の中で八割ほどをめる人気の色である。一方、胡麻毛は色の組み合わせが繊細せんさいで生まれる確率が低いため、飼育数しいくすうが一番少ない。性格は、古代犬種に良く見られるように大胆だいたんで独立心が強く、頑固がんこな面を持ち合わせており、洋犬に慣れた人には訓練が難しい場合もある。番犬向きの警戒心が強い個体から、ペット向きで見知らぬ人にも友好的な個体までと幅広はばひろい。ただし、日本犬の一般的な性格として、主人と認めた人間に比較的ひかくてき忠実ちゅうじつであり、かつ警戒心と攻撃性こうげきせいが強めという傾向けいこうがある。また、雌よりも雄の方が比較的ひかくてき獰猛どうもうであるという傾向にある。獲物えもの直接ちょくせつう猟犬として使われてきた長い歴史から、役割分担に従って多くの品種を派生させた欧州おうしゅうのガンドッグなどと比べ、視界を動くものを追って攻撃し、また捕らえようとする捕食本能が極めて強い。体高は三十八センチメートルほど。DNA的におおかみに近い犬種で、興奮こうふんしやすく、秋田犬や紀州犬などとともに、人をみやすい犬である」

「ようこそ、博物館へ!」

そこには、学芸員である柴犬のシーバがいた。

「学芸員さん、お願いします!」

「はい!」

シーバが案内したのは、化石の展示室。

「僕たちが見つけた化石が寄贈きぞうされている!」

「すごく大きい!」

これには、ヒビキたちも大興奮。

 虫と魚の展示室に行ってみると、

「ここは、住民たちの協力でにぎやかにしていく予定です」

「そうなんだ!」

ハミングタウンの住民たちによって、博物館が活性化することを明かした。

「二階には天文台がありますが、行ってみますか?」

「はい!」

「なら、私についてきてください」

シーバの案内で、ヒビキたちは天文台に向かった。

「試しに、望遠鏡ぼうえんきょうを使いますか?」

「はい!」

「では、どうぞ」

ヒビキとチララが望遠鏡を使ってみると、

「ちゅぴ!」

「あっ、金星だ!」

「金星は、地球型惑星であり、太陽系内で大きさと平均密度がもっとも地球に似た惑星であるため、地球の姉妹惑星と表現されることがある。また、太陽系の惑星の中で最も真円に近い公転こうてん軌道きどうを持っている。地球から見ると、金星は明け方と夕方にのみ観測でき、太陽、月に次いで明るく見える星であることから、明け方に見えるものを明けの明星、夕方に見えるものをよいの明星という。金星の自転は非常にゆっくりなものであるが、熱による対流と大気の熱慣性のため、昼でも夜でも地表の温度にそれほどの差はない。大気上層部のスーパーローテーションと呼ばれる四日で金星を一周する高速風が、金星全体へ熱を分散するのをさらに助けている。金星の赤道せきどう傾斜けいしゃかどは百十七度である。すなわち、金星は自転軸じてんじくがほぼ完全に倒立しているため、ほかの惑星と逆方向に自転していることになる。地球など金星以外の惑星では太陽が東から昇り西に沈むが、金星では太陽は西からのぼって東にしずむ。金星の自転がなぜ逆回転をしているのかはわかっていないが、おそらく大きな星との衝突しょうとつの結果と考えられている。また、逆算すると金星の赤道傾斜角は三度ほどしか傾いておらず、自転軸が倒立しているとはいえ、軌道面に対してほぼ垂直すいちょくになっていることになる。このため、地球などに見られるような、気象現象の季節変化はほとんどないと推測されている。金星の自転速度はきわめておそく、地球の自転周期が一日であるのに対し、金星の自転周期は地球時間で約二百四十三日、すなわちおよそ地球の二百四十三日をかけて一回転していることになる。自転の向きは公転の向きと回転方向が逆であるため、自転で一回転する前に金星表面上の同一地点は太陽に正中してしまい、金星の一日は地球の約百十七日に相当することになる。金星の自転周期は、地球との会合周期とほぼ一致している。そのため、最接近の際に地球からはいつも金星の同じ側しか見ることができない。これが何らかの共振のような現象によるものなのか、単なる偶然ぐうぜんによるものなのかは詳しくわかっていない。金星表面には地球にある大陸に似て大きな平野を持つ高地が三つ存在する。イシュタル大陸はオーストラリア大陸ほどの大きさで北側に位置する。この大陸には金星きんせい最高峰さいこうほうであり、高さ十一キロメートルのマクスウェル山を含むラクシュミー高原などがある。南側の大陸はアフロディーテ大陸と呼ばれ、南アメリカ大陸ほどの大きさである。さらに南の南極地域にはラダ大陸がある。高地の面積は金星表面の十三パーセントを占めるが、このほかに金星表面は中程度の高度を持つ平原、もっとも低い低地の、計三つの区分に分類されている。金星には上記の大地形のほかに、コロナと呼ばれる円形に盛り上がった地域や、中心から放射状ほうしゃじょうに盛り上がりを見せるノバ、パンケーキ状に丸くひろがった台地や、断層や褶曲しゅうきょくが入り組むテセラなどの特徴的とくちょうてきな小地形が数多く存在する。このうちコロナやノバ、パンケーキ状の地形は火山活動によって形成されたと考えられている。金星ができたのは約四十六億年前だが、表面の大半は数億年前に形成されたと見られており、過去に活発な火山活動があったことを示す地形が多く存在する。ヨーロッパの金星探査機の観測により、比較的最近にも火山活動が起きていたことを示す証拠しょうこが得られた。有名な金星表面の立体画像としてマゼランが観測したデータにもとづくものがある。しかしこの画像は、レーダーによって観測された地形データに着色し起伏きふくを十倍に強調したコンピューター画像で、実際の金星の地表の様子からかけ離れたものであるため注意が必要である。実際の金星の表面は地球や火星と比較するとむしろ起伏にとぼしいとされる。金星の地形には大陸、地域、平原、れっ溝帯こうおび峡谷きょうこく、モザイク状の地形、断崖、丘、線状せんじょう地形ちけい、火山、溶岩流、火口、山などがあり、おもに各民族の神話における女神や精霊せいれいの名がかんせられている。たとえばアフロディーテ大陸、メティス平原、フェーベ地域、ディオーネ地域、レダ平原、ニオベ平原、アルテミス谷、ディアナ峡谷、イシュタル大陸、ラクシュミー高原、セドナ平原、ギネヴィア平原などがある。日本神話やアイヌ神話、日本の民話などに由来するものとしては、ユキオンナ・テセラ、ニンギョ・フルクトゥス、ウズメ・フルクトゥス、ヤガミ・フルクトゥス、セオリツ・ファッラ、ベンテン・コロナ、イナリ・コロナ、カヤヌヒメ・コロナ、オオゲツ・コロナ、トヨウケ・コロナ、ウケモチ・コロナ、イズミ・パテラ、オタフク台地、オトヒメ台地、カムイフチ・コロナなどがある。クレーターには様々な言語圏における女性名がつけられている。日本語および日本人に由来するものとしては、晶子あきこ、千代女、林、卑弥呼ひみこ、市川、政子、吉岡よしおか、ふきこ、ひろみ、いさこ、まりこ、なみこ、のりこ、れいこ、せいこ、やすこ、ようこ、などがある。ヴァリスには川にちなむ女神の名のほか各言語によるこの惑星の名がつけられており、日本語にちなむものとしてキンセイ峡谷がある」

金星を見つけることに成功した。

「明けの明星と宵の明星で知られていますが、この時間帯に見られるというのは、結構けっこうめずらしいですよ」

シーバが解説をしていると、

「助けて…」

という声が聞こえてきた。

「お願い、助けて…」

「そちらに声が聞こえてくる!」

チララは、なぞの声を察知した。

「とりあえず、行ってみるしかない!」

「うん!」

「気を付けて!」

ヒビキたちはそれを求めて、博物館を後にするのであった。

 一方その頃、アラシは博物館のロビーにいた。

「忠告しておく。特殊とくしゅな時間に金星が空にかんでいるときに、流れ星が来ることを…」

アラシはこう言い残して、どこかへと去っていった。

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