第24話 青い海を継ぐ者よ

 ヒビキたちは、カメじいと再び合流する。

「この先は、小さな島々がつらなっているのじゃ!」

カメじいがコースト地方の秘密について明らかにすると、

「大変、お兄ちゃんが!」

浜辺に白いイルカが現れた。

「行こう!」

「うん!」

現場に向かうと、水流のモンスターにとらわれた青いイルカの救出作戦が始まった。

「決めるなら、今しかない!」

ヒビキは、サファイアのマジカルジュエルを魔法まほうの筆にセット。それをモンスターに向けてると、

「プリズムショット!」

チララの魔法によって、モンスターを撃退げきたいすることに成功した。

「イルカは、多くは海に生息するが、カワイルカ類のように淡水たんすいの川に生息する種類や、淡水と汽水域を行き来する種類もいる。とう頂部ちょうぶに肺呼吸のための一つのふん気孔きこうをもち、体表面下で分枝して左右のはいつながっている。呼吸の周期はおよそ四十秒である。平均体温は三十七度で、体温を保つため体はあつ皮下ひか脂肪しぼうおおわれている。泳ぐ速度は最高で時速三十キロメートル程度ていどとされる。陸棲りくせい哺乳類ほにゅうるいと比較して体重あたりの血液量が多く、血中のヘモグロビン濃度のうど筋肉中きんにくちゅうのミオグロビン量が多く、そのため一回の呼吸で長く海中に留まることが出来る。また海中では不必要な心拍しんぱくを抑制し、血液をのうや心臓などの重要臓器に集中させて酸素さんそ消費量しょうひりょうおさえるメカニズムも備わっている。イルカは一度も泳ぐのをやめず息継ぎもきちんとしながら常に泳ぎ続けている事から、かつてイルカは全く眠らないのではないかと言われていたが、イルカは半球睡眠の能力を持つことが分かってきており、眠らないという説は現在ではあまり有力ではない。また、右の脳が眠っている時は反対の左目を、逆に左の脳が眠っているときは右目をつむりながら泳ぐ。体形は紡錘状ぼうすいじょうで、背に鎌形かまがたか三角形の背びれを有する種類が多いが、背びれがほとんどない種類もいる。尾側びそくの最後部に尾びれを有し、尾びれを上下に動かして泳ぐ。前足に相当する部分にむなびれがあり、後ろ足は退化してわずかにほねのカケラとして体内に残る。腹びれのあるイルカが発見されたこともある。メスとオスに分かれ、生殖せいしょく行為こういを通して一定いってい期間きかん妊娠にんしんの後に出産する。生殖器は通常外見からはメスとオスの区別は困難だが、交接時にはペニスが露出ろしゅつするため容易に鑑別かんべつできる。誕生たんじょうからしばらくの間は母親の母乳ぼにゅうで育てられる。多くは肉食であり、魚類や頭足類などを捕食ほしょくする。また、水分はあくまでも食料の魚類などから摂取せっしゅする。水分として直接摂取するほか、脂肪を体内燃焼したときに生じる代謝たいしゃみずもある。海水からは摂取する割合はごく少量であり、意図的に摂取しているのではないと考えられている。海水を大量に摂取した場合、排尿が促進されて脱水症状におちいる点は人間と同じである。イルカのはおよそ八十本あるが食べるときは丸飲みである。肺呼吸であるので、他の哺乳類と同様に、せきをしたり、肺炎はいえんになったり、かぜをひく。水族館などでは、日頃の行動観察や体温測定、採血などで体調管理をする。ただし、ショーへの参加をいやがり仮病をつかうイルカもいるとされ、判断が難しい場合もある。イルカは単独で行動するケースも見受けられるが、複数匹で群をなして行動することが多い。複数の実験・観察結果を通して、噴気孔付近から出すクリック音を使って同種の個体同士でコミュニケーションする可能性が指摘されている。全般的ぜんぱんてきに好奇心旺盛で人なつっこく、船にって泳ぐなどしてその姿を人間に見せることが多い。人間は、このような性格を興行こうぎょうやアニマルセラピーとして利用している。イルカは体重に占める脳の割合がヒトに次いで大きいことから、イルカの知性の潜在的せんざいてき可能性かのうせいが古くから指摘されており、世界的にも数多くの研究者の研究対象になり、一般からも興味の対象とされてきた。 ただし、イルカの脳は、サイズは大きいものの、グリア細胞さいぼうの割合が多く、ニューロン自体の密度はそれほど高くない。ただしニューロンの密度をもって知性がおとると言い切れるのかは定かではない。従って、科学的かがくてき根拠こんきょから脳のサイズのみから知性のレベルを判断するのは早計である。イルカの脳はその生息環境及び形態に応じた適応を果たしており、仮にイルカがヒトに匹敵ひってきする密度のニューロンを持てば酸素要求量が増し、長時間の潜水は困難となる。また肺を肥大化ひだいかさせると運動能力が犠牲ぎせいとなるため、現在の脳に最適化されたと考えられている。イルカが人間と同様かそれ以上の知性をもった存在としてえがかれる作品は多数存在するが、いずれも科学的根拠にとぼしいフィクションである。また、イルカは高い周波数をもったパルス音を発して、物体に反射した音からその物体の特徴を知る能力を持つ。更にその特徴とくちょうを他の個体にパルス音で伝えたりと、コミュニケーション能力は高く、人間のようないじめも行うこともわかっており、魚などを集団でみ付き弱らせもてあそんだ挙句あげく食べずに捨てる。小さな同種のイルカや弱ったものを集団で噛み付くなどして、殺すなど集団的な暴行ぼうこう行為こういも行う。イルカの脳は高性能だが、人のような四肢しこがないことで、脳が人間のように十分に活かされていない。小アンティル諸島しょとうで次のようなことが観察されている。群れから遠くはなれたイルカがサメにおそわれた時、SOS信号を出し、その信号を受け取った群れのイルカが助けにけつけた。助けられたイルカは自力で浮上することが出来なかったが、仲間に介護かいごされ二週間後に回復した」

「助けてくれてありがとう!僕の名前はクー!そちらは妹のミューだよ」

「よろしく!」

クーとミューがヒビキたちに挨拶あいさつすると、

「実は、わしの光景としてコースト地方の海を守っていくのじゃ」

と、カメじいはコースト地方の海の伝承者について語った。

「クー、ミュー、この海を案内するのじゃ!」

「はい!」

クーとミューは、ヒビキたちを乗せたトリップ号を案内する。

「左は、アリドン島!」

「そちらは、ドリアンが名前の由来となっている」

「一部の地域で果物の王様と名付けられているドリアンは、その大きさと、強い芳香ほうこうとげに覆われた外果皮が特徴的である。ドリアンは長さ三十センチメートル、直径十五センチメートルまで成長し、典型的な重量は二キログラムである。形状は卵形らんけいから丸形で、外皮の色は緑色から茶色、果肉の色はたん黄色こうしょくから赤色、と種によって異なる。一部の人々はドリアンが心地良いあまかおりを持つと考えるが、その他の人々は不快ふかいにおいが勝っていると考える。匂いは高い評価から強烈な嫌悪感けんおかんまで様々な反応を引き起こし、くさったタマネギ、テレビン油、生下水の匂いと様々に形容されてきた。その匂いは数日間残ることもあり、東南アジアの特定のホテルや公共交通機関ではドリアンの持ち込みが禁止されている。対照的に、十九世紀のイギリスの博物学者アルフレッド・ラッセル・ウォレスはその果肉をアーモンドで強く風味付けされた豊かなカスタードと形容した。果肉は様々な熟成じゅくせい段階だんかいで食べることができ、東南アジア料理の様々ないい香りのする甘いデザートの風味付けのために使われる。種子も調理すれば食べることができる」

「右は、ナナ島!」

「バナナが名前の由来だ」

「バナナは、日本では古くは芭蕉ばしょうと呼ばれ、実を食するものは実芭蕉とも呼ばれる。漢名は香蕉である。葉の繊維せんいを主に利用するイトバショウは同属異種である。食用果実として非常に重要で、二〇〇九年の全世界での年間生産量は生食用バナナが九千五百八十一万トン、料理用バナナが三千五百八十一万トンで、総計では一億三千二百六十二万トンにのぼる。アジアやラテンアメリカの熱帯域で大規模に栽培さいばいされているほか、東アフリカや中央アフリカでは主食として小規模ながら広く栽培が行われている。花を料理に使う地域もあり、葉は皿代わりにしたり、包んで蒸すための材料にしたりするほか、屋根の材料などとしても利用される。原産地は東南アジアをふくむマレーシア熱帯アジアなど。バナナの栽培の歴史はパプアニューギニアから始まったと考えられている。バナナの木と言われるように、高さ数メートルになるが、実際には草本であり、その意味では園芸学上果物ではなく野菜やさいに分類される。その高く伸びた茎のような部分は偽茎にせくきと呼ばれ、実際には、ようしょうが幾重にも重なりあっているものであり、いわばタマネギの球根を引き延ばしたようなものである。茎は地下にあって短く横にう。茎のような先端からは、長楕円形ちょうだえんけいの葉が大きく伸びる。花は偽茎の先端せんちょうから出て、下に向かってぶら下がる。花序は一本の果軸かじくに複数の果房かぼうがつき、各果房には十本から二十本程度の果指から成っている。大きな花弁に見えるのはほうようで、果指の部分が本当のバナナの花である。果指一つ一つが一本のバナナに成長し果房がバナナのふさとなる。なお、開花は一本の偽茎につき一回のみで開花後は株元から吸芽を出してれてしまう。最初は下へ向けて成長するが、後に上へ向けて成長することから湾曲わんきょくした形となる。果皮の色は品種によって異なり、一般的に知られるものは緑色から黄色だが、桃色ももいろからむらさきまで多様である。収穫後しゅうかく時間じかんが経過するにつれて皮の表面に浮かぶ黒いはん点状てんじょうのものはスウィートスポットかシュガースポットと呼ばれ、簡単な熟成のバロメータとなる。成熟したバナナの皮にはクロロフィルの分解物が含まれ、紫外線しがいせんを照射すると青色の蛍光けいこうを発する。キャベンディッシュ種などの食用バナナは三倍体であるため種子を作らない。吸芽の株分かぶわけなどで繁殖はんしょくする」

クーが案内すると、

「こっちは、マゴ島!」

「マンゴーが名前の由来だ」

「マンゴーは、原産地はインドからインドシナ半島周辺と推定されている。そのうち、たん胚性はいせいの種類はインドのアッサム地方からチッタゴン高原辺りと考えられ、多胚性の種類はマレー半島辺りと考えられている。インドでは四千年以上前から栽培が始まっており、仏教の経典にもその名が見られる。現在では五百以上の品種が栽培されている。インド・メキシコ・フィリピン・タイ・オーストラリア・台湾が主な生産国で、日本では沖縄県おきなわけん宮崎県みやざきけん鹿児島県かごしまけん・和歌山県・熊本県くまもとけんで主に栽培されている。マンゴーの木は常緑高木で、樹高は四十メートル以上に達する。開花と結実時期は地域により差がある。枝の先端に萌黄もえぎいろの複総状花序を多数付ける。花は総状花序と呼ばれる小さな花が房状でく状態になり、開花後に強烈な腐敗ふはいしゅうを放つ。この腐敗臭により受粉じゅふんを助けるクロバエ科などのハエを引寄せている。マンゴーの原産地の熱帯地域は、ミツバチにとって気温が高すぎるため、マンゴーは受粉昆虫としてハエを選んだと考えられている。果実は系統で長さ約十センチメートル、幅約五センチと大きさに開きがあり、その形は広卵形とも勾玉形まがたたまがたとも評される。果皮は緑色から黄色、もも紅色べにいろなどと変異に富むが、果肉は黄橙色きだいだいいろをしていて多汁たじるである。果皮は強靱きょうじんでややあつく、熟すと皮が容易よういけるようになる。未熟果は非常に酸味が強いが、完熟すると濃厚のうこうな甘みを帯び、松脂に喩えられる独得の芳香を放つ」

「そっちは、ライ島!」

「ライチが名前の由来となっている」

「ライチは、常緑高木で、葉は偶数ぐうすう羽状うじょう複葉ふくようで互生する。花は黄緑色で春に咲く。果実は夏に熟し、表面は赤くうろこ状、果皮をむくと食用になる白色はくしょく半透明はんとうめいで多汁の果肉があり、その中に大きい種子が一個ある。上品な甘さと香りから中国では古代より珍重ちんちょうされ、ようなんから都長安まで早馬で運ばせた話が有名である」

ミューもこれに続いた。

「ここは?」

「どんな島なのだろう?」

すると、クーとミューが知らない島を発見した。

「わしも知らないのじゃ」

カメじいもこれについて知っておらず、地図にもっていない。

 その時だった。

「ちゅぴ!」

「チララ、どうかしたのか?」

「そこにクリスタルがある!」

チララは、クリスタルの気配けはいを察知した。

「行くしかない!」

「うん!」

ヒビキたちを乗せたトリップ号は、名もなき島に上陸するのであった。

 一方その頃、アラシはナナ島にいた。

「忠告しておく。ここはトロピカル諸島しょとうと呼ばれていることを…」

アラシはこう言い残して、どこかへと去っていった。

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