第16話 お家を立てよう

 ハミングタウンの住民に家を提供ていきょうすべく、ヒビキたちは木漏こもれ日林道にたどり着いた。

「木材と石材を集めなきゃ!」

「うん!」

家を建てるのに必要な資材を集めるヒビキたち。

「ちゅぴ!」

「これは使えそう!」

ヒビキたちは、次々と資材を回収していく。

「よし、そろった!」

「あとは家を建てるだけ!」

ハミングタウンにもどってくると、

「うちはプロの料理人、飯塚いいづか大輔だいすけや!ほな、ダイ大将と呼んでや!」

「よろしくね」

「ほな、行くで!」

「私も協力するよ」

ダイ大将とゼルコバ博士によって、家が完成した。

「ありがとう!」

「これで便利になる!」

テントで暮らしてきた住民たちは、家ができたことに大喜び。

「ここは、時空のかなたから現れた魔王まおうによって狙われている。そこで、君にお願いがある。僕たちと一緒に冒険ぼうけんの旅に出てほしい!」

ヒビキたちが改めてお願いすると、

「ほんまおおきに!喜んで受け入れるで!」

しょうだくした。

 「ただいま!」

「おかえりなさい」

ヒビキたちがトリップ号に戻ってくると、

「ダイ大将にあれをわたさなくちゃね」

「まいど、おおきに!」

リアがダイ大将にスマートフォンを支給した。

「このスマートフォンには、料理やDIYのレシピがインストールされているわよ」

「DIYとは、お金をはらって他者にやらせるのではなく、自身で何かを作ったり、修理したり、装飾そうしょくしたりする活動のことである。自分でできることは自分でやろうという理念のもとに行う諸活動である。DIYという言葉・概念がいねんは、自身でやるという考え方を、広く生活の基本態度にしようとする精神を指していることもある。これらはDIY ethic・DIY精神とも言う。営利企業の活動には頼らず、人々が自主的に行う活動を推奨すいしょうする言葉・概念である。こうした精神・態度は、多様な領域りょういきにおいて提唱ていしょう・実行されており、自主イベントや草の根政治運動・草の根社会運動、自主制作誌、インディーズ音楽等々に影響を与えている。各領域のメンバーの中に、DIY精神を志向する人がいる場合、その人がその領域でも、業者任せにせず自分でやることを望み、あるいはその精神を周囲の人々に伝えて、その結果として、それらの個別的活動が生み出されている場合もある」

ダイ大将のスマートフォンは、ヒビキ・ケンタ・サクラのものとは少しちがった仕様である。

 すると、

「二つ目のクリスタルの居場所を見つけたぞ!」

コクピットからブリーフィングルームに指示が送られてきた。

「場所は?」

「コースト地方だ!複数の島々からなっている」

「しかも、青くんだ海で有名だわ」

ゼルコバ博士とリアは、ヒビキたちにコースト地方について説明する。

「準備はいいか?」

「はい!」

「さあ、出発だ!」

ヒビキたちを乗せたトリップ号は、コースト地方へと飛び立っていった。

 一方その頃、アラシは木漏れ日林道にいた。

「忠告しておく。選ばれし戦士になったからには、ニュートピアをめぐる冒険の旅とともに街の復興を成しげなければならない」

アラシはこう言い残して、どこかへと去っていった。

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