第9話 秋の花畑を守れ!

 ヒビキたちのいる四季の花畑は、秋を迎えた。

「真っ赤にまっている!」

「あれは、ヒガンバナという花だわ」

「ヒガンバナは、別名は曼珠沙まんじゅしゃ、学名からリコリス・ラジアータとも呼ばれる。中国大陸原産で、日本列島でも道端みちばたや水田のあぜなどに群生し、秋の彼岸ひがんの頃に、はなくきの先に強く反り返ったあざやかな赤い花だけを咲かせ、秋の終わりに葉が伸びて翌年の初夏にれるという、多年草としてはめずらしい性質を持っている。地下のりんけいに強い毒性どくせいを有する有毒植物であるが、かつて救荒きゅうこう作物さくもつとして鱗茎のデンプンを毒抜きして食べられていた。全草が有毒な多年生の球根を作る植物である。地下にはタマネギのような小ぶりの鱗茎があり、卵状らんじょう球形きゅうけいで外皮が黒く、下方にやや太くて白いひげ根を有する。花期は秋の彼岸の頃で、土中の花芽は温度の変化だけを感じて季節を知り、葉よりも先に地上から花茎を出して、散形花序で真っ赤な六弁の花を放射状ほうしゃじょうに数個つけて咲く。その姿は独特で、高さ約四十五センチメートルの枝も葉も節も無い花茎が地上に突出し、その先端せんたんに苞に包まれた花序が一つだけ付く。ほうが破れると五– 七個前後の花が顔を出す。花は短い柄があって横を向いて開き、全体としては全ての花が輪生状に外向きに並ぶ。花径は約十ミリメートルである。一つの花には、花被片かひへんが六個つき、長さ四十ミリメートル、幅約約五メートルと細長く、大きく反り返る。しべは六本、しべが一本あり、ともに花外に長くき出る。ヒガンバナのつぼみは五月中頃には鱗茎の中で作られ、葉が無くとも地下の鱗茎にたくわえた栄養分を使って花茎を伸ばし、地上から顔を出してから一週間ほどで花を咲かすことができる。三倍体の場合は種子ができず、花後に花茎が無くなると葉が伸び出す。葉は線形で、い緑色で光沢こうたくがあり、中脈ちゅうみゃくと葉の裏側が白っぽい。晩秋ばんしゅうに鱗茎一個から長さ約四十センチメートルの細い葉をロゼット状に数枚すうまい出して、緑を保ったまま冬をし、ほかの植物が葉をしげりだす初夏に葉を枯らして、地上部は見えなくなる。日本列島のヒガンバナは種子を作らない、自然の中で生まれた三倍体植物の代表的な種である。結実することはないが、ごくまれに種子ができる場合があるとも言われている。種子ができない代わりに、土の中で球根を作って株分けして繁殖はんしょくしてきたため、遺伝的には同一遺伝子を有し、同じ地域の個体は開花期や花の大きさや色、草丈くさたけがほぼ同じようにそろう」

チララとラビカは、ヒガンバナについて知っている様子。

 すると、

「誰か助けて!」

子猫こねこの女の子がきのこのモンスターにおそわれている光景を目撃もくげきした。

「行こう!」

「うん!」

現場に向かうと、きのこのモンスターにとらわれた子猫の女の子の救出作戦が始まった。

「私に任せて!」

サクラは、ルビーのマジカルジュエルを魔法まほうの筆にセット。それをモンスターに向けてると、

「フラワースパイラル!」

ラビカの魔法によって、モンスターを撃退することに成功した。

「助けてくれてありがとう!私の名前はミル!」

「ネコは、イヌと並ぶ代表的なペットとして日本を含め世界中で広くわれている。より広義には、ヤマネコやネコ科動物全般かどうぶつぜんぱんを指すこともある。イエネコの起源は、ネズミを捕獲ほかくさせる目的で飼われ始めたリビアヤマネコの家畜化かちくかである。リビアヤマネコは独立種 Felis lybica Forsterとされることもあるが、ヨーロッパヤマネコの亜種あしゅ Felis silvestris lybica Forsterともされる。イエネコをふくむヨーロッパヤマネコの学名は、記載きさいが古いFelis catus Linnaeusとなるのが命名法上の原則であるが、原則通りに運用すると様々な支障が出ることから、Felis silvestris Schreberをイエネコを含むヨーロッパヤマネコの学名として使用できることが認められた。つまりヨーロッパヤマネコの亜種としてのイエネコの学名は、Felis silvestris catus Linnaeusとすることができる。イエネコをヨーロッパヤマネコと別種としてあつかう場合は、イエネコの学名はFelis catusが正しい。広義のネコは、ネコ類の一部かその全ての包括的ほうかつてき分類ぶんるいを指し、家畜種のイエネコに加えて広義のヤマネコ類を含む。特に学術用語としては、英語のcatと同様、トラやライオンなどの大型種を含むネコ科動物を指すことがある。非常にすぐれた平衡へいこう感覚かんかくに、柔軟性じゅうなんせい瞬発力しゅんぱつりょくの高い体の構造、武器のするどかぎつめきばを持ち、足音が非常に小さく、体臭が少ないことも挙げられる。吻部ふんぶ突出とっしゅつしていない丸い頭部を持つ。ネコは一歳いっさいほどになると生殖せいしょく可能かのう年齢ねんれいを迎え、五歳ほどで落ち着いた雰囲気を醸(かも)し出し、七歳ほどから高齢期に差しかり、二十歳超えはかなりの長寿ちょうじゅとされる。屋外で暮らさなければならない野良猫と人間に室内で飼われているネコの寿命じゅみょうには、歴然とした差がある。前者は多くの天敵や事故・怪我けが・病気やそれに伴うストレスにさらされており、野良ネコの寿命は三年から五年といわれており、その大半が子ネコの内に死ぬ。ネコの年齢をヒトに換算かんさんすると、室内ネコの場合は例として一歳で、人間でいう約十八歳、二歳で約二十四歳、以降いこうは一年ごとに四、五歳ずつ比例していく計算となるが、成熟期が短く中年期が長いため単純な比較ひかくはできない。ネコは骨格や筋肉きんにくの付きかた、あしの長さなどによっていくつかの種類に分類することができる。コビーと呼ばれる種類は短いどうにがっしりとしたかたこし、やや短めのを持ち、この代表とされるのがペルシャである。一方、逆三角形の顔に長い四肢しこむちのような尾をもつオリエンタルというタイプを代表する種はシャムである。この二種の間を分割し、セミコビー、セミフォーリン、フォーリン、そしてそれらの種類とまたちがううロング&サブスタンシャルという種類を加えた六種がネコの体格に関する基本的区分である。ネコの体は非常に柔軟性が高い。関節がゆるやかで、筋肉や靭帯じんたいやわらかく、体のほぼ全ての場所を自分で舐めることができる。特に肩の関節は可動性が高く、鎖骨さこつは退化しているが、小さいながらも存在しており、筋肉でつながっている。これらは高い所から着地した場合の衝撃を吸収することに役立っている。内臓ないぞうを前後に移動させることができ、これを利用する形でせまい場所を通ることが出来るよう身体のはばを自在に調節することが可能となっている。待ち伏せ型の肉食獣であるネコは俊敏しゅんびんな運動能力をもっている。瞬発力が高く、跳躍力ちょうやくりょくにも長けている。跳躍力は、およそ体高の五倍程度の所に飛び上がることができる。走るスピードは最高でおよそ時速四十八キロメートルといわれ、瞬間的に最高速に達するが長くは続かない。その運動能力にもかかわらず、ネコが自動車にかれることは多いが、それは運動能力の問題ではなく、想像をえる大きさの物体に突然とつぜん遭遇そうぐうしてしまったとき、判断力を失ってその場で体の動きを止めてしまうからであるとされるが異説もある。平衡感覚を司る三半規管の能力とは別に、ネコには小脳の視覚による優れた水平線検出能力がそなわっており、これによって、三半規管が失調した状態でも、正向反射として空中で正しく上下を判断した上で四本の足を使い着地を行う。犬かきで泳げるが、水に入ったり水に濡れることをきらう個体が多い。被毛は品種により、様々な毛色や毛質のパターンを持つ。同品種でも多様な色彩しきさや模様を持つ珍しい動物である。毛色や毛質の決定には遺伝子の働きによるところが大きいことが分かっているが、遺伝子がどのように活性化、不活性化するかなど、不明な点も多い。毛色は子宮内の状態にも影響を受けるともいわれる。例えば、世界初のクローンネコの毛色は、遺伝子が全く同じにも関わらず、クローン親のものと異なっていた。毛色をつかさる遺伝子は、すでにいくつか解明されており、色を薄めるダイリュート遺伝子や、被毛にしま模様もようを描くタビー遺伝子などの存在が知られている。品種によって、突然とつぜんへん異体いたいの遺伝子や、伴性遺伝子の存在もあることから、生まれてくる仔猫の毛色・毛質などを判定することは可能であるが、不明な部分も多い。顔の大きさの割に、かなり大きなを持っている。他の動物におけるようじゅうの眼の大きさの比率に近く、これがネコを可愛かわいいと思わせる一因にもなっている。正対視するのに有利な前面に眼窩がんかが開いている。これはネコとヒトに共通の身体的特徴で、眼による感情表現が豊かであることも意味し、ヒトがネコに対して抱く親近感の理由ではないかとも考えられている。視覚は、特に対象の動きをとらえることを得意とする。八メートル位の距離きょりなら人間の顔を識別することが可能である。二十メートル以内のものであれば、じっと見ることによって距離感をかなり正確に測ることができる。シャム系のネコの場合、立体視力に問題がある場合がある。瞳孔どうこうは人間と異なり縦に細長くなっており、これは瞬時に瞳孔の大きさを変えることに有利という説や、野生状態で草むらのような縦長の視界で視覚を働かせるのに有利と考える説がある。瞳孔は調整の範囲はんいが広く、明るい所では細長く、暗い所では目一杯開いて光の入る量を多くすることが可能なため、暗所での視力はよい。時計が一般的いっぱんてきでなかった時代、猫の眼の瞳孔の広さは時間帯によって変わり、時間が真昼に近づけば近づくほど瞳孔の広さは狭くなり、逆に真夜中に近づくほど広くなることを利用して時間を知ることが行われていた。獲物などに狙いを定めてから飛びかかるまでの間も非常に大きく開く。他の多くの夜行性動物と同様、ネコの眼には輝板てるばんと呼ばれる層が網膜もうまくの下に備わっている。この層が光を反射はんしゃするため、入射光と反射光の両方の光が網膜を通過することになり、わずかな光でも物を見ることができる。この反射光のため、暗所で観察者側から照明を当てたとき眼が光って見えることがある。この現象はシカなどの野生動物でも同様であり、ライトで照らして光って見えた眼の数で個体数を割り出すライトセンサスにも利用されている。夜でもよく見えるネコの眼は非常に敏感びんかんで、フラッシュ撮影をしたりするといやがったりストレスを与えることとなり、目をいためてしまう可能性もあることが指摘されており、プロカメラマンは猫の撮影の際にはフラッシュをひかえるか、外付フラッシュで猫ではなく天井に向けて光らせるなどの方法をすすめている。二色型色覚だが、色の識別は困難である。三色型色覚の青と緑と赤を一応は認識できるが、赤の場合薄うすいピンクにしか認識できない。しゅんまくが、わりと大きく、体調の悪い時などに眼球の前に出てくることがある。目が開いてから授乳期後半頃までの幼猫は、ややがい斜視しゃしである。青い眼は白猫とシャム系のネコに多く、白猫の場合は高い割合で聴覚ちょうかく障害しょうがいを持っている。白猫の場合はオッドアイと言われる、左右の眼の色が違う場合も多い。この場合、青い眼の側の耳に聴覚障害をかかえることがある。一方が黄色で、もう一方が黄味のないあわ銀色ぎんいろか淡い青色というオッドアイは、日本では『金目銀目』と呼ばれ、縁起が良いものとして珍重ちんちょうされてきた。これらの眼の色の違いは、虹彩におけるメラニン色素の量で決まり、色素が多い順にカッパー、ヘーゼル、緑、青となる。人間など他の哺乳類ほにゅうるいの眼でも同様である。色素の量の違いは、元々生息していた地域の日光量の違いに由来するといわれるが、交雑こうざつの結果、現在では地域による違いはほとんどなくなっている。シャムネコの青い眼は北アジア由来といわれ、熱帯のタイ原産のシャムネコであるが、先祖の眼の色に由来するという。生まれて間もないねこの場合、品種に関わらず、虹彩こうさいに色素が沈着していない場合が多く、青目に見えることが多い。これをキトゥン・ブルーという。生後七週間ほどから虹彩に色素がつき始め、徐々に本来の眼の色になっていく。ネコの五感で最も優れているのは聴覚である。猫は聴覚障害の割合が多い。耳は片方ずつ別々に動かすことができ、異なる方向の音を聞き分けることができる。そのため、指向性が強く、音源の場所をかなり正確に特定することができる。音の聞き分けの能力も高く、例えば飼い主が帰ってきた足音を判別することは簡単にできる。これらの能力は、夜間に待ちせ型のりをするのに適応し発達したものと考えられている。耳の動きは感情にも左右され、特にネコがおびえているときや不満を感じているときなどは、耳はうしろ向きに伏せられる。スコティッシュフォールドという折れ耳が特徴の品種もある。鼻は、他の動物に比べ優れていないが、それでもヒトと比べれば数万から数十万倍と言われる嗅覚きゅうかくを持つ。体のバランスに比べて小さくできているが、鼻腔びくう内部ないぶは凹凸に富み、大きな表面積を生み出しているため、小さな鼻の外観だけからは予想できない優れた嗅覚がある。ネコの鼻は個体によって異なる紋様を持っており、これはもんと呼ばれ、人でいうところの指紋と同じものであり、個体の識別に用いることが可能である。嗅覚の優れた動物の代表であるイヌとは狩りの方法が異なり、嗅覚を狩りに利用することはほとんどなく、ネコの嗅覚は食物の峻別しゅんべつや縄張りの確認に主に使うと考えられている。ネコはほおせん肛門こうもんせん(せん)から出る分泌物や尿などによって自分の臭いを付け、縄張り、仲間同士のコミュニケーションのために臭い付けをする行動を、飼い主やほかのネコに対して行う場合がある。例えば、ネコが飼い主の足に顔をすり寄せるのは、頬腺などから出る分泌物ぷんぴつぶつを付け、自分の物というマーキングをしているわけである。フェロモンを感じる器官が口内の上顎にあり、ヤコブソン器官という。フェロモンを感じると口を半開きにし、目を半分閉じて笑っているような表情を示す場合があり、これをフレーメン反応といい、フェロモンを分析している行動である。これにより、主に相手のネコがどういう状態にあるかを分析する。毛づくろいで自分の肛門の周囲をなめたときにもこの反応を示すことがある。マタタビの果実やイヌハッカのにおいを嗅ぐと、ネコは恍惚こうこつとして身悶みもだえるような反応を示す。これは匂いに含まれるマタタビラクトンやネペタラクトンなどの物質にヤコブソン器官が反応し、ネコに陶酔感とうすいかんをもたらすためといわれており、これはネコ科全般の動物に起こる反応である。舌は薄くまっており、表の面には多数の鉤状こうじょう突起とっきがあってザラザラしているが、これはほねに付いた肉をしゃぶりとるのに適応したものである。この突起は毛づくろいや水を飲む際にも役立つ。この特質と形状を模してパソコンのポインティング・スティックには猫の舌状ぜつじょうのものが製品化されている。掃除機そうじきのゴミ圧縮ブレードにも応用されている。この糸状乳頭と呼ばれる突起の形状は管を半分に割ったような形をしており、そこに唾液だえきなどを含むことができることが解明された。熱い食べ物が苦手な人を猫舌と俗称するが、ネコのみが特に熱いものを嫌うというわけではない。野生動物は山火事などの後にしかばねにくあさるくらいしか熱を持った食物を口にする機会がなく、全般的に熱いものに慣れていないためである。アミノさんに対する反応が強く、特に苦味を認識するらいは多くある。これはアミノ酸が腐敗ふはいしたときの苦味を強く感じることによって、腐肉を食べることを(ける役割を担っていると考えられている。ネコの食物に対する嗜好しこうは、これらの味蕾の構成の違いが要因の一つと考えられている。猫の牙は生後約五ヶ月で乳歯の脇から永久歯えいきゅうしが生え始め、やがて乳歯にゅうしけ落ちる。ネコのひげは感覚器として重要な役割を果たしており、ネコを象徴する特徴してその印象を大きく左右する。品種や個体によってその数は異なり、少ないもので七対、多いもので二十七対程度と幅広い。スフィンクスのように口ひげがほとんどかまったくない個体がいる品種もある。ネコのひげは毛根部分に感覚神経や血管が密に分布しており、非常に鋭敏えいびんで、先端に何かが少しれても感じ取れる。ひげの状態はネコの感情によって変化する。例えば目の前にあるものに好奇心を持つとひげは前に向き、おびえているときはぴったり頬にくっつくことが多い。口の周りだけでなく、眼の上、顔の横にもあり、それらの先端せんたんを結ぶと顔を一周する大きな円になり、これで狭い通路を通り抜けられるかどうかを判断できるので、獲物の追跡ついせき、敵からの逃走とうそうに重要な役割を果たす。ひげは生え変わるが、無理に抜くとひどい場合はストレスで死んでしまうこともある。ひげ以外のほらは、前肢の関節付近の裏側に生えている。長さは若いほど長く、歳をとったものほど短い。尾はおおむねその胴体ほどの長さであるが、ジャパニーズボブテイルやクリルアイランドボブテイルのように極端に短いものや、マンクスのように尾がない個体もある。尾の役割は、感情を表すほか、走行時や跳躍・着地の際に体のバランスを取る役割がある。イエネコは尾がなくても行動にほとんど支障はないと考えられている。従来の日本産のネコは、世界に現存するほとんどのネコに比べ、ジャパニーズボブテイルのように尾は半分以下もないことが普通であったが、戦後以来日本在来のネコに海外のネコの血統けっとうが混入し続けた結果、一部地域を除くほとんどの場所で尾の長い個体が大半を占めるようになっている。長崎県を中心とした九州地方全域において、尾が極端に曲がった個体の存在が報告されている。尾骨が極端に湾曲した個体は東南アジアの個体に顕著に見られる特徴であり、長崎県ながさきけんを中心とした尾曲がりネコは明治以前の出島交易時に東南アジアの個体が長崎に持ち込まれ混血した結果であると見られている。尾は脊髄せきづいと直結しているため、非常に痛覚つうかくが強い。よって、尾を持って引っ張ったりすると大人しい個体でも抵抗する。猫の尻尾を強く引っぱると内臓に障害を起こしたり脊髄に損傷を起こし後肢などに障害が発生することもある。襟首えりくびと呼ばれる頸の後ろの皮膜は痛点が鈍化どんかしており、親猫が仔猫を運ぶときここをくわえる。この特徴は成猫になっても残るため、成猫でもヒトがここをつかんで持ち上げることができる。持ち上げなくとも襟頸を掴むだけで大人しくなる傾向があるため、気性のあらい猫や野良猫を扱う際に有効である。これは、母猫が危険を感じた時にしか使われない方法のため、猫は緊張して動きを止めていると考えられている。母猫が仔猫の襟首をくわえて持ち運ぶことがあるが、これはくわえても仔猫に悪影響のない場所を母猫は本能的に知っているからできることで、人間はその場所を知らないため、むやみに襟首をつかんで持ち上げると猫の頸をめてしまうことになりかねない。また、筋肉に悪い影響を与えるという説もあるので、襟首だけ掴んで成猫を持ち上げることは避けるほうがよい。ネコの指の数は、通常前肢が五本、後肢が四本であるが、多指症という奇形が頻繁ひんぱんに見られ、多指症の猫はヘミングウェイの猫のように後肢に五本かは前肢に六本というようなネコも少なくない。鉤爪はといで鋭さを保つ。爪を自由に出し入れできるので鋭さを常に保持でき、チーター以外のネコ科動物に共通する特徴である。樹上生の傾向が強く、木登りをしたり高所も移動するが、頭を下にして降りる時に爪が引っかからない指の向きであり、降りるのは得意でなく飛び降りる事が多い。ちなみに人に爪を立てることがあるが、動くとさらに食いこむため動かず離すのを待つほうがよい。不意打ちを食らうと、肛門嚢から臭い匂いを発することがある。他のネコ科動物にも見られるゴロゴロと喉を振動しんどうさせる音のメカニズムには複数の説があり、はっきりとしていない。この音は、親子間のコミュニケーションにも用いられる。ライオンやトラなども含むネコ科動物全般は喉をゴロゴロと鳴らすことで知られているが、これは声帯からではなく、胸腔きょうくうの一部から発せられる音である。一般的には飼い主やいだいた人になでられるなどしてリラックスしている時にこの反応が見られるが、体調が悪い時や出産時、死ぬ直前にものどを鳴らすという。これらの行動の意味は未だにはっきり解明されていないが、普段から低周波の音を発生させることで骨格を丈夫にする、苦しいときに痛みを緩和かんわし呼吸を楽にする、などの説が存在する。ネコが歯を打ち鳴らしているような音を出す現象をクラッキングといい、ネコ科の動物でもネコだけが発するものである。小声を出しながら行う個体もある。知能は哺乳類の中で高い部類に属し、人間とのコミュニケーションもかなりできることが、イヌと並ぶ愛玩動物の地位を獲得した要因となっている。根気よく繰り返して教えれば簡単な言葉を聞き分け、意味を理解できるようになる個体も存在する。俗にネコは頭が良い、イヌは賢いとよくいわれるが、これは知能というよりも人間の都合からみた従順さである。またメインクーンなどに代表される、体長一メートル前後に達する大型種は、人間に従順で時にイヌのようにふるまう。これはネコと共通の祖先を持つイヌにも見られる傾向だが、大型種自体が少ないうえにイヌの種別間ほどはっきりした体格差はないことから、一般、特に日本では大型種の存在とその性格についての認知度が低い」

ミルはヒビキたちに挨拶あいさつすると、

「さあ、ハミングタウンに帰ろう!」

「うん!」

ヒビキがスマートフォンで転送アプリを起動して、ハミングタウンに帰ったのであった。

 その後、ヒビキたちがトリップ号にもどると、

「クリスタルについての情報が入ってきた!」

ブリーフィングルームに招集された。

「どうやら、春になるとぬしが現れるらしい!」

「ぬしは通常より強いということ?」

「そうだ。みんなで力を合わせて戦ってほしい」

ゼルコバ博士は、クリスタルのぬしであるモンスターを倒すにはそう簡単にいかないと語る。

「気を引き締めていこう」

「そうだね」

ヒビキとチララは、そうちかうのであった。

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