ニュートピア～Newtopia～

第8話 ヒマワリ畑で救出作戦

　ヒビキたちのいる四季の花畑は、夏を迎えた。

「ヒマワリが咲（さ）いているわ！」

「ヒマワリは、種実を食用や油糧（ゆりょう）とするため、花を花卉（かき）として観賞するために広く栽培される。また、夏の季語でもある。ロシアとペルーの国花になっている。原産地は北アメリカである。高さ三メートルくらいまで成長し、夏から秋にかなり大きな黄色い花を咲かせる。ヒマワリの花の色の濃（こ）い部分はやや赤みがかった黄色をしている。花弁（はなびら）は大きな一つの花のように見えるが、実際は頭状（とうじょう）花序（かじょ）と呼ばれ、多数の花が集まって一つの花の形を形成している。これは、キク科の植物に見られる特徴（とくちょう）である。外輪に黄色い花びらをつけた花を舌状（ぜつじょう）花（か）、内側の花びらがない花を筒状（つつじょう）花（はな）と区別して呼ぶ場合がある。和名の由来は、太陽の動きにつれてその方向を追（お）うように花が回るといわれたことから。ただしこの動きは生長に伴うものであるため、実際に太陽を追って動くのは生長が盛（さか）んな若い時期だけである。若いヒマワリの茎（くき）の上部の葉は太陽に正対になるように動き、朝には東を向いていたのが夕方には西を向く。日没後（にちぼつご）はまもなく起きあがり、夜明け前には再び東に向く。この運動はつぼみを付ける頃まで続くが、つぼみが大きくなり花が開く頃には生長が止まるため動かなくなる。その過程で日中の西への動きがだんだん小さくなるにもかかわらず夜間に東へ戻（もど）る動きは変わらないため、完全に開いた花は基本的に東を向いたままほとんど動かない。なお、これは茎（けい）頂（ちょう）に一つだけ花をつける品種が遮（さえぎ）るもののない日光を受けた場合のことであり、多数の花をつけるものや日光を遮るものがある場所では必ずしもこうはならない。種は長卵形（ちょうらんけい）でやや平たい。種皮色は油料用品種が黒色であり、食用や観賞用品種には長軸（ちょうじく）方向（ほうこう）に黒と白の縞（しま）模様（もよう）がある」

「辺り一面が黄色に染（そ）まっている」

ヒマワリ畑に見惚（みほ）れているヒビキたち。

　すると、

「うわー、助けて―！」

子犬の男の子が黄色いチョウのモンスターに襲われている光景を目撃（もくげき）した。

「チョウは、チョウ目の二十一上科のうち、アゲハチョウ上科、セセリチョウ上科、シャクガモドキ上科の三上科が、いくつかの特徴（とくちょう）を共有し、Rhopalocera に分類される、すなわちチョウである。その他のチョウ目の種はガと呼ばれるが、チョウはチョウ目の系統（けいとう）の中でかなり深いところにある派生的な系統で、それに対しガはチョウでないとしか定義できない側系統であり、チョウ目をチョウとガに分けるのは自然な分類ではないが、一般（いっぱん）には完全に区別して扱われる」

「行こう！」

「うん！」

現場に向かうと、黄色いチョウのモンスターにとらわれた子犬の男の子の救出作戦が始まった。

「私に任せて！」

サクラは、ルビーのマジカルジュエルを魔法（まほう）の筆にセット。それをモンスターに向けて振（ふ）ると、

「リボンチェーン！」

モンスターはラビカの魔法によって拘束（こうそく）された。

「決めるなら、今しかない！」

ヒビキは、サファイアのマジカルジュエルを魔法の筆にセット。それをモンスターに向けて振ると、

「プリズムショット！」

チララの魔法によって、モンスターを撃退することに成功した。

「犬は、属名 Canis、種小名 lupus はラテン語でそれぞれ犬、狼（おおかみ）の意である。亜種名（あしゅめい） familiaris はやはりラテン語で、家庭に属するといった意味である。また、英語: familiar、フランス語: familier など慣れ親しんだを意味する現代語の語源でもある。古く日本ではヤマイヌに対してイエイヌとも言っていた。英語名 domestic dog は、伝統的な学名 C. familiarisを英訳にしたもので、日本では domestic dog の訳語として古来からのイエイヌの語をあてるようになった。広義のイヌは広くイヌ科に属する動物の総称でもあるが、日本ではこの用法は一般的（いっぱんてき）ではなく、欧文（おうぶん）翻訳（ほんやく）の際、イヌ科動物を表す dogs や canine の訳語として当てられるときもイヌ類などとしてイエイヌと区別する。イエイヌは人間の手で作り出された動物群である。最も古くに家畜化（かちくか）されたと考えられる動物で、現代でも、ネコ Felis silvestris catus と並んで代表的なペットかコンパニオンアニマルとして、広く飼育（しいく）され、親しまれているが、比較（ひかく）されるネコと違（ちが）い独特の口臭（こうしゅう）がある。野生化したものを野犬といい、日本語ではあたかも標準和名であるかのように片仮名でノイヌと表記されることも多いが、野犬を誤（あやま）って訓読したため生じた新語で、分類学上は種や亜種（あしゅ）としてイエイヌと区別される存在ではない。イヌの属するイヌ科は、森林から開けた草原へと生活の場を移して追跡型（ついせきがた）の狩猟者（しゅりょうしゃ）となった食肉類のグループである。待ち伏せ・忍（しの）び寄り型の狩りに適応したネコ科の動物に対し、イヌ科の動物は、細長い四肢（しし）など、持久力重視の走行に適した体をしている。イヌは古くから品種改良が繰（く）り返されて、人工的に改良された品種には、自然界では極めて珍（めずら）しい難産になるものも多く、品種によっては、出産時に帝王（ていおう）切開（せっかい）が必要不可欠となる。イヌの歩き方は、指で体を支える趾（あしゆび）行性（ぎょうせい）で、肉球と爪（つめ）が地面につく。爪は先が尖（とが）っており、走るときにスパイクのような役割をする。ただし、ネコ科ほど鋭（するど）くはない。爪を狩りの道具とするものが多いネコ類とは異（こと）なり、イヌ科の動物は爪を引っ込めることができず、各指は広げることができない。ネコ類と同じく、第三指と第四指の長さが同じである。後（こう）肢（し）の第一趾は退化して四本趾の構造となるが、たまに後肢が五本趾のイヌもいる。前肢（ぜんし）は五本指の構造となるが、第一指も地面には着かない。一部のマウンテンドッグは狼爪が二本あるものもある。狼爪は幼少（ようしょう）時（じ）に切除される場合が多いが、マウンテンドッグの場合には切除しない。前肢はほとんど前後にしか動かず、鎖骨（さこつ）は失われる。逆に股（こ）関節（かんせつ）は、靭帯（じんたい）の制約が少ないために、他の家畜類に比べ可動性が広く、後肢を、頭を掻（か）くのに用い、雄（ゆう）は排尿（はいにょう）時（じ）に高く持ち上げるが、陰茎の位置からして大型犬のほうが有利ではある。反面、靭帯が少ないことは、しばしば股（こ）関節（かんせつ）脱臼（だっきゅう）を起こす原因ともなり、高齢（こうれい）犬（けん）・著（いちじる）しく体重が増えた犬・大型犬でその傾向（けいこう）が高い。肋骨は十三対で、ヒトより一対多く、走るのに必要な肺(はい)と心臓（しんぞう）は、体のわりに大きい。心臓はネコ目の他のグループの動物と違って球形に近く、特に左心室が非常に大きい。尾（お）は走行中の方向（ほうこう）転換（てんかん）で舵（かじ）として働くが、オオカミなどと比べると細く短くなり、また、日本犬に多く見られるように巻き上がっているものがあるのは、筋肉（きんにく）の一部が退化して弱くなっているためである。陰茎に陰茎骨があり、交尾の際に勃起（ぼっき）の硬（かた）さを得るのにやや時間を要し、陰茎にある程度の硬（かた）さを与えるためである。イヌ科グループの他の動物と同様、イヌは基本的には肉食だが、植物質を含（ふく）む食物にも、ある程度までは適応する。消化管は短いが、腸（ちょう）の長さが体長の四倍程度であるオオカミに対し、イヌは五から七倍と、いくらか長くなっており、これも植物質の消化に役立っている。肉食（にくしょく）獣（じゅう）の中には盲腸（もうちょう）がない種も存在するが、イヌはそれほど大きくないが十センチ程度の盲腸をもつ。オオカミとイヌの違いとして、脳（のう）機能（きのう）に関する遺伝子や消化（しょうか）酵素（こうそ）をコードする遺伝子の相違（そうい）が報告されている。報告によれば、イヌではデンプンの分解酵素の一つであるアミラーゼ遺伝子のコピー数が多く、その活性はオオカミの二十八倍である。同じくデンプンの分解酵素であるマルターゼ遺伝子の場合、コピー数に大きな違いは無いが、イヌのマルターゼ遺伝子配列は長いタイプで草食動物のものに近いという。この違いはイヌの進化における家畜化・雑食化（ざっしょくか）の過程の一つと考えられている。犬の唾液（だえき）は独特の複雑さを持っており、食物（しょくもつ）連鎖上（れんさじょう）、生態系の上位に属すること、オオカミの時代の狩りの方法が集団的であったこと、などの要因の結果もあって、匂（にお）いを有し結果として独特の口臭を持つことにつながる。犬は水を飲む時、舌（した）の裏（うら）で水をすくって飲む。イヌの耳下腺は、副交感神経（ふくこうかんしんけい）性の強い刺激（しげき）を受けると、ヒトの耳下腺（じかせん）の約十倍のスピードで唾液を分泌する。唾液は浅速呼吸で、口の粘膜（ねんまく）と舌の表面から蒸散する。激しい運動の後、イヌが口を開け、舌を垂らしてさかんに喘（あえ）いでいるのはこのためである。イヌの体には汗腺（かんせん）が少ないが、この体温調節法は汗の蒸発による方法と同じくらい効果的であるという。肛門には肛門（こうもん）嚢（ふくろ）と呼ばれる一対の分泌腺があり、縄張りのマーキングに使われるにおいの強い分泌液はここから出ている。ジャコウネコやハイエナのように外に直接開いてはおらず、細い導管で肛門付近に開口している。イヌが雨に濡れたときなどに特に匂う独特の体臭は、主に全身の皮脂（ひし）腺（せん）の分泌物による。警察犬の遺留品捜査や災害（さいがい）救助（きゅうじょ）犬（けん）の被災者探索などでよく知られるように、イヌの感覚で最も発達しているのは嗅覚で、においで食べられるものかどうか、目の前にいる動物は敵か味方かなどを判断する。コミュニケーションの手段としても、ここはどのイヌの縄張りなのかや、相手の犬の尻のにおいを嗅ぐことで相手は雄か雌（めす）かなどを判断することでも嗅覚は用いられたりする。イヌにとって嗅覚はなくてはならない存在である。イヌが嗅覚に優（すぐ）れた動物であることは事実だが、他の動物に比してイヌの嗅覚だけが特別に秀（ひい）でているということではない。イヌ同様に探索目的での使役が多いブタも引けを取らないと考えられ、クマの研究者によればクマ類の嗅覚はイヌの約七倍とされている。ゾウは嗅覚（きゅうかく）細胞（さいぼう）の総量から、能力でイヌやクマを遥（はる）かに上回る動物として知られている。なお、魚類ではウナギの嗅覚がイヌの嗅覚に匹敵するとされる。優れた動体視力を持ち、一秒間に三十フレームを表示するテレビ画像などはコマ送りにしか見えない。一方、イヌの眼には赤色に反応する錐体（すいたい）細胞（さいぼう）の数が非常に少ないといわれ、明るいときに赤色はほとんど見えていない可能性が高い。色の明暗は認識できるが、全色盲に近いと考えられている。信号機だけは識別できるが、灯火の点灯順序と人間の動きを関連づけて学習していたに過ぎない事が確認されている。ネコやキツネの瞳孔（どうこう）が縦長（たてなが）であるのに対し、イヌの瞳孔は収縮しても丸いままである。イヌの呼吸はパンティングと呼ばれ、俗に喘ぎ呼吸とも呼ばれる。イヌは足の裏の肉球以外には汗腺を持たない動物であり、肉球からの発汗による体温調節の効率は人間の百三十分の一程度しかなく、ヒトとは異なり発汗で体温調節を図ることが出来ない。熱の発散の唯一の手段は口からの呼吸しかなく、汗をかく代わりに舌を出しハアハアと喘ぐように呼吸することで、そこから染（し）み出す唾液を始め口内や喉の水分を蒸発させて熱を放出し体温調節を図っている。汗腺が身体のごく一部にしかないイヌにとっては、その呼吸や行為自体がヒトを含む他の動物以上に命に関わる重要な行動となる。パンティングの頻度（ひんど）は大型犬に多いことが判明している。メスの発情周期は約七か月だが、犬種により差がある。発情期間は約三ヵ月で、この期間のうち前期一ヵ月の間が実際に交尾により繁殖（はんしょく）が行える可能性のある期間である。発情期に入ると、メスは性器を自ら舐（な）める仕草が多くなり始める。この時期からメスは性器からフェロモンを発して周囲のオスに発情期を察知させるようになっている為、他のオスを興奮（こうふん）させない意味でも、ドッグランなど不特定多数のイヌがいる場所に発情期に入ったメスを連れ出す事は控（ひか）える事が望ましい。次いで性器が充血して出血が始まる時期に移行する。この期間は概（おおむ）ね十日前後で、この時期にパートナーとなるオスと同居させる事で交配が行われる。交尾の際には多くのイヌ科と同様に交尾結合が見られ、後背位で結合した後にオスがメスの尻を跨（また）ぎ反対向きとなり、尻同士を向かい合わせた状態で長い時は三十分以上交尾が継続する。交尾中はオスの陰茎は根元付近が特に大きく肥大（ひだい）してメスの膣（ちつ）から抜（ぬ）けなくなる為、射精（しゃせい）が終了するまでは人の手でも引き離（はな）すことは難しい。ブリーダーによる血統（けっとう）証明書（しょうめいしょ）の申請の際には、この尻を向かい合わせた姿勢の写真を根拠（こんきょ）として交配証明書を作成することが一般的である。排卵期が過ぎた後の残りの二ヵ月余りは、メスの体内では黄体ホルモンが分泌されており、妊娠（にんしん）の有無に関わらず乳房（ちぶさ）の肥大や母乳の分泌、地面に穴を掘（ほ）る営巣行動などが見られる場合がある。こうした状況は偽妊娠（ぎにんしん）と呼ばれ、この期間が実際の妊娠期間とほぼ重なる為、妊娠の真偽判定が難しくなる場合がある。その一方で、偽妊娠期間中で母乳が出るメスは他の子犬へ授乳する乳母（うば）の役目を果たせるため、ネグレクトなどの何らかの理由で子犬への生母からの授乳が期待できない場合に、こうしたメスに授乳を行わせる場合もある。同種族のみならず、ネコ科の動物など全く異なる種族の授乳や育児を行なった事例もある。交配が成立した場合の妊娠期間は約六十日である。約七子を一度に出産するため、乳房を左右に五対持っているのが一般的である。生誕約十か月目で成犬の大きさになり、二から三か月目で性熟（せいじゅく）する。これはオオカミの二年に比べて早熟である。小型犬は成犬に達するのが早い分、性熟も早い。イヌは十歳になると老犬の域になり十二歳から二十歳程度まで生きる。ただし犬種や生育環境で異なり、基本的に大型犬が小型犬よりも短命である。一般的には屋外飼育より室内犬のほうが長命の傾向があり、純血種よりも雑種が長命と言われる。歳を取るスピードは若いほど早く成犬となってからは緩（ゆる）やかになる。イヌの年齢をヒトの年齢に換算（かんさん）する方法は諸説あるが、科学的根拠に基（もと）づいたものではなく必ずしも正確ではない。目安として、小型犬は生後一年でヒトの約十七歳、生後二年で約二十四歳、大型犬は生後二年で約二十歳、それ以降は小型犬で一年につきヒトの四歳程度分、大型犬は五から六歳程度分、歳を取ると考えられる。転じて、ITが普及した二〇〇〇年前後には、ITの進化の目まぐるしさをイヌの一年がヒトの人生の数年分であることからドッグイヤーという比喩（ひゆ）が使われた。イヌの特徴（とくちょう）としてヒトと同じく社会性を持つ生き物であることが挙げられる。意思疎通をするための感情や表情も豊かで、褒（ほ）める、認める、命令するなどの概念（がいねん）を持っている。ヒトに飼われているイヌは、人間の家族と自身を一つの群れの構成員と見なしていると考えられ、群れの中の上位者によく従い、その命令に忠実な行動を取る。この習性でイヌは訓練が容易で、古くからヒトに飼われてきた。最古の家畜とする説が有力である。子犬を入手して飼う場合には、親犬の元での犬社会に対する社会化教育と新しい飼い主と家庭や周囲環境への馴化（じゅんか）との兼ね合いから、ほぼ六週齢から七週齢で親元より直接（ちょくせつ）譲（ゆず）り受けるのが理想的とされる。イヌは他者の情動を読み取るだけでなく、視線を読み取ることできっとこの人はこう考えているのだろうと他者の意図を推測する社会的知能がある。この他者の視点に立ち適切な判断を下す能力を共同注視といい、心の理論の基礎（きそ）をイヌが備えていると考えられる要素のひとつとなっている。イヌは他者の顔から視線を追跡し、対象物について予測した後に再度視線を合わせようとする交互凝視という動作を見せる。ペットのイヌが空の餌（えさ）皿（ざら）を見た後に飼い主を見上げてくるという動作を繰り返す、などがよくある交互凝視の例として挙げられる。ヒトの交互凝視は相手が何を見ているかの確認の伝達から、自分の視線の意味を相手に理解させようとする催促（さいそく）、自分の感情を伝える共感へと段階的に高度になるが、イヌは催促の段階までは使いこなしていると考えられている」

「助けてくれてありがとう！僕は、ジョン！」

ジョンはヒビキたちに挨拶（あいさつ）すると、

「さあ、ハミングタウンに帰ろう！」

「うん！」

ヒビキがスマートフォンで転送アプリを起動して、ハミングタウンに帰ったのであった。

　その翌日。

「あなたたちにこれをあげるわ！」

トリップ号でリアから虫取り網（あみ）を支給されたヒビキたち。

「ニュートピアの生態調査も、はかどりそう！」

「どんな虫が住んでいるのかな？」

ヒビキたちは、ニュートピアに生息する虫が気になるようだ。