第10話 冬に咲くラベンダーの花

 ヒビキたちのいる四季の花畑は、冬を迎えた。

「あれ、冬はほとんど花がかないのでは?」

「ねえ、あれを見て!」

すると、

「花畑がむらさきまっている!」

「ラベンダーという花だ」

「ラベンダーは、半耐寒性はんたいかんせいの小低木Lavandula angustifolia を指す。伝統的にハーブとして古代エジプト、ギリシャ、ローマ、アラビア、ヨーロッパなどで薬や調理に利用され、芳香ほうこう植物しょくぶつとしてその香りが活用されてきた。ラベンダーの栽培は一九三〇年代に本格的に行われるようになるが、それ以前は野生種のり取りがほとんどだった。日本におけるラベンダーの初期の記述きじゅつとしては、江戸文政期の西洋薬物書にラーヘンデル・ラーヘンデル油の名で詳細しょうさいな説明がある。幕末期には一部ではあるが、精油が輸入ゆにゅうされ、栽培も行われていたと考えられている。昭和期には香料原料として、北海道富良野地方などで栽培されて精油が生産され、一九七〇年にピークを迎えたが、合成香料の台頭で衰退すいたいした。現在では富良野などでラベンダー畑が観光資源となっている。現代でもL. angustifoliaやL. latifolia、L. x intermediaなどが精油を採るために栽培され、精油は香料として用いられたり、アロマセラピーとしてリラクゼーション等に利用されている。ちなみに、ラベンダー色は薄紫色うすむらさきを意味する。ラヴァンドラ属は、半木本性植物で、低木のような草本、小低木、亜小低木である。多年生のものとそうでないものがある。ヨーロッパ南部を中心に三十九種が知られ、高さは二メートル以下である。原産地は地中海沿岸、インド、カナリア諸島、北アフリカ、中東などである。春に紫や白、ピンク色の花を咲かせる様々な種がある。中でも紫色の花が最もポピュラーである。多くの種は、花、葉、くきは細かい毛でおおわれており、その間に精油を出す腺がある。揮発性きはつせいの油を多く含むため、草食動物はほとんど食べないが、芳香ではちなどを引き寄せる。ユーカリと同じように夏の熱さなどで自然発火し、野火をよぶ。種子は野火の後に発芽する性質がある。ラヴァンドラ属には、ラベンダー特有の香りがない種も一部存在する。園芸用としても愛好されている。主にラベンダーと呼ばれるL. angustifoliaだけでなく、その近縁種や交雑種もラベンダーと呼ばれることがあるため、ラベンダーの名で販売されるなえやラベンダー油がL. angustifolia のものとは限らない」

雪の中からラベンダーの花が咲いているのに気づく。

 そんな中、

「お願いでしゅ!早く助けて!」

ハリネズミが雪の結晶けっしょうのモンスターにおそわれている光景を目撃もくげきした。

「行こう!」

「うん!」

現場に向かうと、雪の結晶のモンスターにとらわれたハリネズミの救出作戦が始まった。

 すると、雪あられがってきた。

「僕がみんなを守って見せる!」

ヒビキは、サファイアのマジカルジュエルを魔法まほうの筆にセット。それを仲間たちに向けてると、

「クリアーリフレクション!」

ヒビキたちの周りに結界ができ、ダメージを最小限におさえた。

「ここからは、僕の出番!」

ケンタは、エメラルドのマジカルジュエルを魔法の筆にセット。それをモンスターに向けて振ると、

「そよ風シュート!」

ナツの魔法によって、モンスターを撃退することに成功した。

「助けてくれてありがとうございましゅ!僕はキルトでしゅ!」

「ハリネズミは、広義には、ハリネズミ科に属する動物、すなわちジムヌラ亜科Galericinae、ハリネズミ亜科の両方の生物群を指すが、はりをもたないジムヌラ類を除いて、ハリネズミ亜科あかのもののみを指すことが多い。ハリネズミ亜科では、現生のものとしては五属十六種が知られている。背は体毛が変化したとげおおわれる。棘は根元にかけて細くなり、風や落下の衝撃しょうげきなどによって棘に圧力が加わった場合でも根元で折れ曲がることで体に食い込むことを防いでいる。棘の根元は球状で小型の筋肉きんにくと連動し普段はこの筋肉が弛緩しかんしているため棘が倒れた状態になっているが、この筋肉の作用により棘を逆立たせることができる。背外せがいえんの筋肉は環状に発達し、この筋肉が収縮して紐付ひもつふくろのような役割を果たし、体を丸めこみ球状になる。頭部や下半身も頭部や脇腹わきばら皮膚ひふが伸びることで被われ、これらの作用により背の筋肉も伸びるため針がより逆立つようになる。針のようなトゲは、体毛の一本一本がまとまって硬化こうかしたものである。これにより敵から身を守る他、樹上から落下した際に衝撃を吸収して怪我けがを防ぐ役目も担う。バイオミメティクスの一例としてこの針の仕組みを応用したアメリカンフットボール用のヘルメットに使われる衝撃吸収材が研究開発されている。左右の上顎じょうがく第一だいいち門歯もんしの間には隙間すきまがあり、その間に下顎の第一門歯が収まるようになっている。四肢しこつめ頑丈がんじょうである。ヨツユビハリネズミを除いて指趾ししは五本である。土をることもあり、トンネル状の巣穴を掘る種もいる。温帯域や砂漠さばくに生息する種は冬季に休眠することもある。危険を感じると主に棘を逆立たせ静止することが多いが、体を丸め球状になることもある。棘に唾液だえきを付ける行動が知られている。この行動の用途は不明だが外部寄生虫をける働き、性的せいてき誘因ゆういんの働き、味がまずくなることで捕食者ほしょくしゃに食べられにくくする働きがあるとする説もある。ヨーロッパに分布する種を除いて知見は限られるが、ミミズ、昆虫、鳥類のたまごひな小型こがた哺乳類ほにゅうるい、動物の死骸しがい漿果しょうか、落果、種子などを食べる。クビワハリネズミやダウリアハリネズミでは食性のうち小型哺乳類がめる割合が高いとされる。繁殖はんしょく様式ようしき胎生たいせいである。妊娠にんしん期間きかんはナミハリネズミで約四十三日である。インドハリネズミ類は一回に約三頭、ナミハリネズミやオオミミハリネズミ類は一回に約五頭の幼獣ようじゅうを産む」

キルトはヒビキたちに挨拶あいさつすると、

「さあ、ハミングタウンに帰ろう!」

「うん!」

ヒビキがスマートフォンで転送アプリを起動して、ハミングタウンに帰ったのであった。

 その日の夜のこと、

「まもなく、決戦の時が来る」

「僕たちにとって、初めての大一番だ」

トリップ号にいたヒビキたちは、決戦に向けて作戦会議を行っていた。

「君たちに伝えたい大切な言葉がある。それは、勇気と友情があれば何でもできることだ!」

「さあ、みんな、行くよ!」

こうして、ヒビキたちは決意を新たにするのであった。

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