サイショー地方の冒険

第4話 医者を夢見る少年

 ヒビキとチララたちを乗せたトリップ号は、サイショー地方にたどり着いた。

「着いたぞ」

「自然がいっぱい!」

たどり着いたのは、そよ風高原。

「高原は、規模の大きな台地を高原と呼ぶこともあるが、高原と台地の境界も明確ではない。台地のうち標高六百メートル以上のものを高原とすることもある。ただし、高原の全てが台地状というわけではなく、那須高原なすこうげんのように山のふもとに広がる平坦地へいたんちも高原という」

そこには、野生動物が多く生息せいそくしている。

「あっ、あそこに何かいる!」

「行こう!」

すると、ヒビキとチララは一人の少年が倒れている光景を目撃もくげきした。

「ちゅぴ!」

「目を覚ませ!」

チララとヒビキが声をかけてみると、少年は目を覚ました。

「ここは、いったいどこなのだろう?」

「ニュートピア。かつて平和に満ちあふれていた大陸だ」

「すごい、見たことのない景色が広がっている」

少年は、ヒビキとチララに話をする。

「あっ、自己紹介をしなくちゃ!僕は風間健太。人の役に立ちたいと思い、医者になることを目指しているよ」

「僕は、空の国から来た名波響樹。そちらは、パートナーのチララだ」

「ちゅぴ!」

自己紹介しているのもつかの間、

「助けて!」

「あれは!」

ヒビキたちの目の前に、雑草ざっそうをイメージしたモンスターが現れた。

「ケンタ、ここは下がってて!」

「うん!」

「チララ、行くよ!」

「ちゅぴ!」

ヒビキは、魔法まほうの筆を持ってチララとともにモンスターに立ち向かう。

「決めるなら、今しかない!」

ヒビキは、サファイアのマジカルジュエルを魔法の筆にセット。それをモンスターに向けてると、

「プリズムショット!」

チララの魔法によって、モンスターを撃退することに成功した。

「助けてくれてありがとう!」

ヒビキとチララによって救出されたリスが、かれらのもとに近づいてくる。

「リスは、五亜科五十八属二百八十五種が含まれる。樹上で暮らすリスのほか、地上で暮らすマーモット、プレーリードッグ、シマリス、イワリス、ジリス、滑空能力かっくうのうりょくのあるモモンガ、ムササビもリスの仲間である。一般に小型の動物だが、体長約八十センチ、体重わずか十グラムのアフリカコビトリスから、体長約六十センチ、体重約七キロのアルプスマーモットまで、大きさは多彩たさいである。樹上性リスは、毛のふさふさした大きなを持つ。地上性のリスは、樹上性リスに比べて尾は毛量が少なく、短いものが多い。多くのリスは、体毛がやわらかくきぬのようになめらかだが、中にはあつい毛皮を持つものもある。体毛の色は種によって非常に変化に富む。東南アジアに生息するフィンレイソンリスはいくつもの毛色のちがうものが野生下で存在しており、花のみつを食べるために長く伸びるしたをしている。前脚まえあしは後脚よりも短く、足指は四か五本である。しばしば前足の親指はあまり発達しておらず、足のうらにはやわらかい肉球がある。手先は器用で、こしをおろして座り、前足で食物を保持しながら食べることができる。樹上性リスは木につかまって登るための、ジリスは地面に巣穴をるための頑丈がんじょうつめを持つ。樹上性リスは頭を下にして樹をりることができる。これは、脚を回転させることで後ろ足の爪が上向きになり、樹皮をつかむことができるためである。大きな目をもち、視覚はすぐれている。多くは顔のひげや脚のしょくで、せまい場所を通る際にはばを認識するなど、優れた体性感覚を持つ。は、典型的なネズミ目の型をしている。一対の門歯は、絶えず伸び続ける。こすり合わせることですり減らし、正常な長さを維持いじする。犬歯を持たないため、門歯の後ろはげきとなっている。そのおくに食物を咀嚼そしゃくするための臼歯きゅうしがある。シマリス属やジリスには、頬の内側にほおぶくろと呼ばれる袋状の構造がある。頬袋には柔軟性じゅうなんせいがあり、たくさんの食物を頬張って運ぶことができる。モモンガやムササビは、木から木へと滑空かっくうして移動する際にパラシュートの様な働きをするまくを持つ。極高圧帯ともっとも乾燥かんそうした砂漠さばくのぞき、熱帯雨林から半乾燥の砂漠、北極圏まで、ほとんどすべての環境に生息する。樹上性リスとジリスが昼行性か薄明はくめい薄暮性はくぼせいであるのに対し、モモンガなどの滑空するリスは夜行性である。ただし、哺乳期ほにゅうきの母モモンガとその子供は、夏の間は昼行性になる。樹上性リスは、おもに樹上で生活する。木登りやジャンプを得意とし、枝の上やどうに巣を作る。基本的に単独生活を営み、明確な縄張なわばりを持つ種は少ない。また、寒冷地に生息する種でも冬眠はしない。ジリスは、草原や砂地すなちなどに巣穴を掘り、地上で生活している。森林限界をえた高山に住む種もいる。縄張りを持つものが多い。社会性があり、家族を中心とした集団を形成し、よく発達したコロニーで生活するものが多い。多くのジリスは冬眠をする。シマリス類は、樹上性リスとジリスの中間的な存在であり、おもに地上で暮らすが、木登りもたくみである。樹洞だけではなく、地下にも巣を作る。年に一回または二回出産する。妊娠にんしん期間きかんは約四週間で、種によって異なる。子供は毛も歯も生えておらず、目も見えない状態で生まれる。ほとんどの種でメスのみが子供の世話をする。生後約八週で離乳りにゅうし、生後一年でせい成熟せいじゅくする。捕食者ほしょくしゃには、イタチ類、コヨーテ、キツネ、タカ、フクロウなどがいる。一部のカリフォルニアジリスは、天敵のガラガラヘビのどく免疫めんえきを持つ。おもに草食性で、木の実、種子、果実、キノコ、草などの多様多種な植物を食べる。昆虫こんちゅう、鳥類のたまごやヒナ、爬虫類はちゅうるい、小型のげっ歯類しるいを食べる種もある。いくつかの熱帯の種は、ほとんど完全に昆虫食に移行している。樹上性リスは、草食性の強い雑食で、種子、果実、キノコ、小動物を食べる。種子を巣穴にめたり、土にめたりして貯蔵する。ムササビは種子や果実が欠乏けつぼうする季節には、木の葉を食す。ジリスは、おもに草食性で、草などのたけの低い植物を食べるが、昆虫や小型の脊椎せきつい動物どうぶつを食べることもある。捕食行動は、ジリスのさまざまな種、特にジュウサンセンジリスで見られる。ジュウサンセンジリスの研究では、ヒヨコを捕食していることや、死んだばかりのヘビを食べていることが報告されており、標本ののうち、四体からは鳥の肉を、一体からはトガリネズミの残骸ざんがいが発見されている。また、オジロレイヨウジリスの調査では、の標本の胃のうち、少なくとも十パーセントが脊椎動物を食べていたことが発見され、キヌポケットマウスをとらえて食べることも観察されている」

「どうやら、ケガはないようだね」

「よかった!そう、僕はナツ!よろしくね」

ナツが自己紹介すると、ケンタのもとに歩みる。

「来た!」

「力が、みなぎる!」

ナツとケンタの間に、不思議なエネルギーを感じた。そこから、魔法の筆が出てきた。

「僕も魔法が使えるようになった!」

「ケンタも選ばれし戦士ということ?」

「そうだよ!」

実は、ケンタもタビビトからの手紙を持っている。

「ここは今、時空のかなたから現れた魔王によって危機にさらされている。だから、僕たちと一緒に旅に出てほしい」

ヒビキはケンタにあるお願いをする。

「君の熱い思いに心が打たれたよ!こころよく受け入れるよ!」

「僕もそう思う!」

「ありがとう!」

こうして、ヒビキとチララはケンタとナツを仲間に加えた。

 その後、

「これをケンタに渡さなくちゃ!」

「ありがとうございます!」

トリップ号で、ケンタはリアからスマートフォンを支給された。

「仲間がいれば、自分自身も強くなれる!」

「これから一緒に頑張がんばろう!」

ニュートピアをめぐる旅は、まだ始まったばかりだ。

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