第2話 隣の席はスーパー美少女!?
「聞きたいことが山ほどあるがまず勇者ってなんだ?なんで俺が勇者に選ばれた」
いきなりこんなフレーズから始まり初めての読者からしたら意味が分からないと思うので一応前回のあらすじを簡単に話す。
俺は高校一年生の青木太陽。今から始まる高校生活に胸を躍らせていたのだが、そんなある夜突然女神ソラという女性が俺の部屋に現れたかと思うと、俺に勇者の力というよくわからない能力を勝手に授けた。俺が朝目覚めると勇者の力の一つであるテレポートが寝ている間に暴走し俺は無人島にいた。結局元の場所に戻れたのはその日の夜だった。その日は入学式だったのだが俺はいけなかった。この馬鹿女神のせいで。そうして今に至る。
「勇者は名前の通り勇者ですよ。実はあなたには世界を救ってほしかったんですよ。私のいた世界は魔王に支配されているんです。その支配から世界を救うために私は勇者を探していました。そうしてあなたを見つけたんです」
すごいべたべたな設定だな。今どきそんな設定どこにもないぞ。昔のRPGゲームかよ。
「なんで勇者に選ばれたかはあなたに勇者の素質があったからです。勇者の素質は生まれつきのものですけど、あなた割と体力・知力ともにスペック高めなんで多分それも加味されたんじゃないですか。よかったですね」
全然よくねえよ。まあスペック高いって言われて悪い気はしないけども。勇者も割とありかもな。
「友達や恋人が全くいないのも高ポイントですね。友達とか多いと異世界に転移する際の記憶の処理とかめんどくさいので。」
前言撤回。勇者とかくそだわ。
「まあよくわかったよ。それでお前はこれからどうすんだよ」
「言ってませんでしたっけ?帰れる方法見つけるまではとりあえずここに住みます。一応この世界では私とあなたは幼馴染ということになっているのであんまり問題はないですね」
は?
「いやなんで俺の家に住むんだよ。いやだよ。ただでさえこんな力のせいでいろいろめんどくさいのに、おまえと一緒に住んだらもっとめんどくさいことになりそうじゃねえか。あと幼馴染でもなんでもねえし」
「だって元の世界に帰るには多分あなたが必須ですよ。女神の勘です。それにあなたのその能力も多分私の力がないとなくなりませんよ。とにかく私とあなたが一緒に行動することはおたがいにとって得だと思います。それと幼馴染についてはこの世界を私とあなたが幼馴染だという設定に作り替えておいたので問題ないです」
確かに言われてみればその通りだな。珍しく正論だ。でもなに勝手にこの世界作り替えてんの。神なんでもありすぎだろ。
「わかったそれで住んでどうすんだよ」
「とりあえずあなたと同じ高校に行きます。あ、なんで高校という制度を知ってるかって思ったでしょ。私神なんでもうすでにこの世界の仕組みは理解しました。」
神すげぇええ
「もうどうでもいいよ。全部任せる。それと一つだけ言いたいけどお前の特殊の能力は誰にもばれないようにしろよ。俺も気を付ける。ばれたら大騒ぎになるからな」
「それわたしずっときになってたんですけど別にばれてもよくないですか?大騒ぎになっても特にどうってことないですよね」
「君はわかってないな。例えばこの能力がばれて大騒ぎになるとありとあらゆる機関がこの能力を悪用しようと近づいてくる。もしかしたら戦争に使おうと国家までもがこの能力を手に入れようとするだろう。そうすると俺とお前は国家と戦うことになる。」
「いや国家と戦争になっても大丈夫ですよ。隕石落としたら一発ですよ」
こいつすぐ隕石落としたがるな。
「確かに国家と戦争になっても俺たちは余裕で勝つだろう。しかし戦争が終わると周りは焼野原だ。そうなるとお前は昨日俺の金で勝手に行ったカフェに行けなくなるぞ」
「それは緊急事態ですね!わかりましたこの能力は誰にもばれないようにします!」
こいつやっぱり馬鹿だな。
「あ、忘れてました!話全然変わるんですけど勇者の力について教えますね。勇者の力の使い方とかどんな力があるのかとか。えい!」
そういうと女神は急に抱き着いてきた。ちょ!お前いくら抱き着いたからってこれまでのお前の悪行はチャラにはならないぞ。でもまあ少しくらいなら許してやってもいいけど…
「これで全部あなたの脳に入りました。今なら自分でダークネスブレイクハリケーンインパクトもできますよ」
あ、本当だ。なんか勇者の力の使い方とかどんな勇者の力があるかとか全部わかるぞ。でもダークネスブレイクハリケーンインパクトはやめとこう。この世界のみならず宇宙が消滅する。
「それと私のことはお前じゃなくてソラと呼んでください。私は太陽さんと呼ぶので。幼馴染って設定なんで仲良くしましょ♪」
じゃあまず敬語やめろよ
・・・
「僕の名前は青木太陽です。入学式には熱が出ちゃっていけませんでした。入学式に行けなかったんでまだ知り合いはいません。友達募集中なんで仲良くしてください」
「私の名前はソラです。入学式には熱が出ちゃっていけませんでした。入学式に行けなかったんでまだ知り合いはいません。友達募集中なんで仲良くしてください」
なんで挨拶が一言一句全くおんなじなんだよ。ちょっとは自分で考えろよ。てかソラってなんだよ。普通挨拶の時に名前だけいうやついるか?なんでそのことに対して誰も疑問を抱いていないんだ?これも女神の力か
(別にいいじゃないですか。そんな小さなこと気にしないでくださいよ!それにしても高校ってこんな感じなんですねー。私のいた異世界にも一応似たような制度あったんですけど、いったことはなかったので新鮮です。友達100人できるかなー)
小学生みたいな不安を抱くな。それと俺の心を勝手に読んで、俺の脳内に直接語り掛けるのはやめろ
まあ何はともあれ少しスタートダッシュは遅れたがやっと高校生活の始まりだ。少々障害はあるがそれを乗り越えて絶対に青春を謳歌してやるぜ。
「青木君はあそこの席で、ソラさんはあそこね」
担任教師の指示した席に俺は向かった。最初の隣の席は非常に重要だ。俺の隣はどんな人だろうか。そう思い俺は隣の席を見るとすごい美人だった。
きたあああああああああああああああああ
最初はあの女神のせいで俺の青春はぶち壊されて俺はなんて運の悪い奴なんだと思っていたが違う。俺はなんて運のいい奴なんだ。
「あ、青木君だっけ?入学式熱で休んだんでしょ?残念だったね。でも入学式休んでも全然友達出来るしあんまり気にしなくていいよ!私は輝(かがやき)美月。これからよろしくね」
めっちゃ優しいじゃん。てか何これ。もしかして俺のこと好きなの?いやーまいったね。そういえば勇者の力の一つに相手の心の声が読める能力あったな。ダメだとは思うけどいいよね。一回だけだし。せっかく勇者の力ゲットしたのに全く使わないのはそれはそれで損だしな!よし輝さんが俺に好意を寄せてるのかチェックするぞ!えい!
(ふふ、これでこの青木君も私に惚れたわね。本当男子ってちょろい。いや男子は悪くないの。私が可愛すぎるのが悪いのよ。でもごめんね、私に惚れてもその気持ちには応えられない。私に釣り合うのは年収50兆円でキムタクレベルでイケメンな男ぐらいよ。)
(あいつなんだよ。あんなかわいい幼馴染がいて入学式も一緒に休んで一緒に登校もしてると思ったら、今度は学年一の美女の輝さんの隣の席でイチャイチャしやがって。ふざけんな死ね)(死ね)(かすが)(隕石頭に当たってしまえ)(あいつおしっこもらさないかなー)
よしもう二度と能力なんて使わねえ。輝さんの心の声なんて聞かなきゃよかった。てかなんで輝さんだけじゃなくてクラスメートの男子の恨みの声も聞こえてくるんだよ。かわいい幼馴染ってもしかしてソラのことか。あいつ本当に俺の高校生活の邪魔しかしねえな。確かにソラは美人でもしこんな形で出会わなかったら好きになってたかもしれないが。まあタラればでしかないが
「青木君てどの辺住んでるの?」
「日本ですねー」
「青木君てなんか好きなことあるの」
「特にないですねー」
「あ、教書忘れちゃった♪教科書見せてくれない?席くっつけてもいい?」
「初回授業なんでまだ教科書配られてないですよ。席もくっつけないです」
「青木君って」
「授業中なんで静かにしたほうがいいんじゃないですか?」
(何なのさっきからこいつ/// 私がせっかくこんなに話しかけてるのに全く興味を示さないどころか、挙句の果てには私に静かにしたほうがいいですって!!確かにそれはそうだけど。もしかしてこいつ私に惚れてないの!そんなのありえない!)
いやさっきから輝さんめっちゃしゃべりかけてくじゃん。勘弁してくれよ、あんたと仲良くしゃべってたらクラスの男子に目の敵にされるんだよ。ただでさえ入学式休んで変な能力ゲットして変な女神に付きまとわれて、いろいろとハンデ追ってるのにこれ以上ハンデを増やさないでくれ。
それに輝さんはなんか腹立つ。もし心の声を読んでなかったら喜んで仲良く話ていたが、あの心の声聞いたら瞬間からこの女性に絶対に堕ちないぞという意地が生まれた。彼女の思い通りになんて絶対にならない。
(わかったわ!青木君はソラさんのことが好きなのね。幼馴染って言ってたし入学式も一緒に休んで学校も一緒にきてるぐらい仲がいいしあり得るわね。でも残念ながら幼馴染はいつも負けヒロインよ。最終的に勝つのはいつも私。この私こそこの世界の勝ちヒロインなんだから。決めた!私はこの青木君を絶対に堕としてみせる!見ておきなさい)
「青木くーん♪」
「先生!僕目が悪いんで前の席の田中君と席を入れ替えてくれませんか?」
「・・・」
(なんだあいつ自分から輝さんの席を離れるなんて)(やるじゃねえか)(見直したぜ)(田中は死ね)
最終的に青木の好感度は少し上がったが何も知らない田中の好感度は少し下がったのであった
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