チート能力もらったのに異世界に行けず、無双もハーレムもできず、突然現れた女神に高校生活をめちゃくちゃにされそうです
@bebea0830
第1話 非異世界生活の始まり
俺は青木太陽、今年の春から高校一年生だ。俺は転勤族であり学校を転々としていたため今まで全く友達ができず青春を謳歌できなかった。しかし両親がそのことを不憫に思ったのか高校生になったということで一人暮らしを許可してくれた。家族と離れ離れになるが離れ離れといっても月に一回は必ず会えるのでそれほど寂しくもない。それよりも俺はやっと青春を謳歌できるという事実がうれしくて仕方がなかった。これで俺の止まっていた時が動き出す。待ってろ青春。
ん? なんだ?この光。
俺が明日から始まる高校生活に期待を膨らませているといきなり目の前が光りだした。
そう思った次の瞬間目の前が真っ白になった。
まぶしい!
目を開けると信じられない光景が広がっていた。
そこには女性が立っていたのだ。
「初めまして私は女神ソラといいます。突然ですがあなたは勇者に選ばれました。一緒に異世界に行きましょう。」
は?まず俺の目の前に女性がいること自体が意味不明なうえに、この女性は意味不明なことを言い出した。もしかして俺は夢を見ているのか。いくら高校生活が楽しみだからってこんな意味不明な夢を見るとはな。さすがに自分でも引くわ
「なに黙って呆然とみているんですが。もしかして私の言ってること信じてません?なるほど… しかしそのパターンも想定内です。こういう時は何を言っても信じてくれないのでとりあえず①力を授けて②異世界に転移させる、だったけ?確か異世界転移マニュアルにもそう書いていたはず。」
この人はさっきから何をぶつぶつ言ってるんだ。全く変な夢だ。もしかして呪われてるのかな。明日朝一でお祓いに行こかな。
「よしとりあえず力を授けよー。えい!」
女性は手を俺のほうにむけながらそういうと手からビームのようなものを出した。
そう思った次の瞬間あたりが真っ暗になった。
・・・
今何時だ?
朝の7時か。よかった。
それにしても昨日は変な経験をしたな。女神を名乗る不審者が突然あらわれたのかと思ったら勇者になって異世界にこいだなんて。結局夢か幻覚かはわからなかったが、全くアニメや漫画の見過ぎだな。少し控えようか。
それよりも今日から夢の高校生活だ。今日は入学式だが、高校生活の中で今日という日が最も重要といっても過言ではない。入学式の失敗は高校生活の失敗という格言もある。入学式を欠席なんかしたらもう最悪だ。
友達作りの経験はほとんどないが本やインターネットで一応勉強をした。初心者はとにかく聞き上手になることが大事だそうだ。とにかく頑張るぞ!
ところで俺はまだ幻覚が見えるらしい。俺のベットになぜか昨日の女性が寝ている。そして俺は今自宅の部屋ではなく無人島にいる。これも全部幻覚だよな?
・・・
えええええええええええええええええええ!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!??!?!?!?!?!??!
「何ですかーうるさいですよ。あ、あなたやっと起きたんですね!遅いですよー」
は?何が起こってんの?てかここどこだよ。なんで無人島にいるんだよ。俺だけじゃなくてベッドとかテレビとかも一緒にある。
まるで俺の部屋ごと無人島にテレポートしたみたいなかんじだ
ベッドに昨日の女性が寝ているのも十分おかしいがそれが薄れるくらいびっくりだよ。
「あんた誰だ?なんで俺は無人島にいる?てかそもそもなんで俺のベッドで寝てるんだよ」
「あーもう一気に質問攻めしないでください。まず私は女神ソラです。昨日も言いましたよね。それからなんで無人島にいるかは能力が寝ている間に暴走したからじゃないですか?」
能力が暴走?何をいってるんだ
「最後になんで私がベッドで寝ているかなんですけど異世界に帰れなくなっちゃったからです」
さっきから何を言ってるんだ異世界がどうとか。こいつおかしいんじゃないか。でも俺はいま実際に無人島にいる。なにがどうなってるんだ
「わかったとりあえず整理しよう。まず能力ってなんだ?」
「昨日あげたじゃないですか。勇者の力ですよ。それ与えられたらなんでもできちゃうんですよ。いわゆるチート能力ってやつです。例えばそうだな。手を開いてみてください」
「わかった。」
「そしたらテレビにその手を向けて力を少し入れてください」
俺は言われたとおりにしてみた。
すると
ぐちゃ
にわかに信じがたいがテレビがぐしゃぐしゃに圧縮されたのだ。
「これが能力です。こんなのほんの一部ですよ。その気になれば隕石だって落とせますよ」
なるほどこれが能力か
ってなるはずないだろおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
いま何起こったの。テレビぐしゃぐしゃなんだけど。もしかして本当に能力というものを得てしまったのか。一連の異世界がどうとかの話も本当だったのか
「もしまだ信じられないようなら隕石落としてみます?」
「まってえええええ。それはいいわかった。信じる、実際にテレビもぐしゃぐしゃになったし。とにかくこんなの見せられたら信じるしかないだろ。」
全く世の中には不思議なこともあるもんだな。てか別にテレビをぐしゃぐしゃにさせる必要ないよね。
「よくわかったけど俺は勇者にもならないし異世界にもいくつもりはない。あんたももう帰ってくれていいぞ。無駄足になってしまって申し訳ない。とにかく能力も現在地もすべて元に戻してくれ。」
「それはできませんね。まず勇者の力は一度与えちゃうともう元には戻れませんし、第一さっきも言いましたけど私異世界に帰れなくなっちゃいました。異世界転移の手順間違えちゃったんです。本当は力を与える前に異世界に転移しなければいけなかったんですけど、間違えて力を先に与えちゃったじゃないですか。それしちゃうと異世界に転移できなくなるっぽいですね。バグってやつです。」
こいつ今すごい軽い調子で恐ろしいこと言わなかったか
「転移できないのは別にいい。俺はもともと異世界に行くつもりはなかったからな。それよりも問題は勇者の力がこのままって点だよ。こんな化け物みたいな力持ってどうすんだよ。ちょっとでも気抜いたら大惨事だよ。世界を敵に回しかねない。それならまだましだけど場合によっちゃ世界を滅ぼしかねないぞ。なんで同意なく勝手にもとに戻せない勇者の力なんて与えるんだよ」
「いやー最初はみんな嫌がるんですけど、結局いざチート能力使って異世界で無双してハーレムなんて作っちゃうとみんなチート能力あってよかったっていうんですよ。だから同意なくてもいいかなーてきな」
それは異世界に行けたらの話じゃねーか。異世界に行けないのにこんな能力あったって使い道なんてないぞ
「てかあんたはなんで元の世界に帰れないのにそんなに平然としてるんだ?なんでのんきに寝れるんだよ」
「だって私は全知全能の神ですよ。必ず解決策はいつか見つかります。」
なんだこの自信は。こんなに自信があるのにこの人には全く頼りがいがないのが逆にすごい。
てか今はそんなのどうでもいい!いやどうでもよくないけど。入学式のことをすっかり忘れていた。入学式に行ってからいろいろ考えよう
「ところで元の場所に戻りたいんだけど、どうすればいいの」
「そんなの知らないですよ。私この世界初めてだし、おそらく勇者さんが寝ている間に無意識でテレポート使っちゃったんですよ。私何も知らないです。とにかく元の世界に戻りたいなら自分で頑張ってください」
うそだろ・・・
その後計5347回のテレポートを繰り返し家に帰れたのは夜の11時であった。俺の青春は早くも終わりを告げた。この馬鹿女神のせいで
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