第17話 「5分で読書」中間選考結果です

「これはこれは」

「驚きましたね」

「選者の琴線に触れたということか」

「でも、まだ最終選考が残っていますからね」

「それでも、2825作品の中で2作品が中間選考を突破したのは大したものだ」

「5作品も出しましたからね」

「なんだ、嬉しそうじゃないな」

「めちゃくちゃうれしいに決まってるじゃないですか。ただその前に困惑があるだけです」

「まあ、中間突破した二作品、未だにプレビューが一桁だからな」

「意味がわかりませんよね」

「ほぼ選者しか読んでないんじゃないだろうかね?」

「なんとも恐ろしい話ですね」

「逆に言うとだな、読者選考ランキングの無い公募は、書いて応募することが何よりも大事だということだ」

「素人の作品であっても、見てもらえるんですね」

「コンテストの主旨や選者の価値観は、運以外のなにものでもないが、まずは結果オーライと言えるだろう」

「そうですね、ここまで来れただけでもありがたい話です」

「となると、カクヨムコンの方は厳しいだろうな」

「プレビュー0とかですもんね」

「で、次はどうするかね?」

「とりあえず、同じく中間選考を突破した作品を読んでみます」

「ふむ。技術水準を把握しておくのは大切だ」

「その上で相互フォローしてくれそうな人を探します」

「お、ライバル宣言かね?相手の心情は気にした方がよいぞ?」

「そうですね、私みたいに浮かれポンチな人ばかりじゃないでしょうし」

「価値観の差異だけではなく、他者と慣れ合わないという矜持を持つ者は尊重しなくてはならん」

「孤高を愛するということですか?」

「立場も、そこで見る景色も違うのだ。文字通り命がけの人だっているかもしれん」

「……相互フォローは様子を見ます」

「虎穴に入らずんば虎子を得ずだぞ?」

「そもそもなんで虎の子供を欲しがるのです?」

「虎にとって自分の子供はとても大切だからだ」

「それ虎以外だってそうでしょう?そんな大切なモノ捕っちゃまずいですよね、強盗レベルですよ?」

「慣用句に文句を言われても困るが……で、具体的な活動はどうするのだね?」

「そうですね、何かしら中間選考を突破した記念を残したいですね」

「ついに執筆中の長編が火を噴くのかね?」

「それはまだ。……そうですね、思い入れのある『火球考察』の続編を書きたいと思います」

「ふむ。高校生カップルのその後かね?」

「はい。想いが通じたわけですから、交際後の話など」

「普通、恋愛モノは成就するまでが大事なのではないかね?」

「しょうがないじゃないですか、もう始まってしまったのですから」

「そもそも、きみに書けるのかね?交際中の高校生の話だぞ?」

「そ、そこは、きっかけが魔法の考察だったわけですから、世の中のいろいろに対し疑問に思うことを解釈しつつ愛を育むといった感じですかね?」

「なぜに疑問形かね。どうせきみのことだ、不治の病も、交通事故も、異世界転生も、三角関係も無いのだろう?」

「よくわかりますね……」

「一度くらい羽目を外すことも必要ではないかね」

「すでに現実の人生が道を外れてる気がしますけど」

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