第14話 カクヨムコン参加です1
「で、結局書いたのかね」
「公募しろと煽るわりには社長の方が消極的ですよね」
「カクヨムの読者選考に晒されるのは、まだ早いと思うのだ」
「でも、ほら、この人の作品なんて公開して数日なのに星の数がすごいです」
「……その作品は、まあ、面白いからな」
「端的な表現で私をディスりましたね?」
「きみの作品をまだ読んでもおらんだろうが」
「面白いという自負があるのなら公募するがよい、面白ければな!と聞こえました」
「面白い、評価が高いというのは個々の好みや流行に依存するのだ、あまり気落ちするものではない」
「読んでもいないのに!」
「面白いのかね?」
「それは、好みや流行に依存するとしか……」
「話が進まんので読むとしよう。どれどれ『大願成就の魔道具職人』現代ファンタジーか……」
「先日の創作に於ける常識について話した内容から着想を得ました」
「……タグにある、概念流れというやつだな?」
「ええ、非日常が存在する理由付けと、非日常は意外に近くにあるかもね、という異世界転生より気軽な逃避を表してみました」
「ふむ、各話の頭文字は縦読みか」
「初めての複数話ですからね、遊び心を加えてみました」
「……作中の工作機械だが、まるで社内に存在する工作機械のようだな?ずいぶん操作に詳しいようだが?」
「え?いや、それはあれです、同僚からの伝聞です」
「……オークション」
「そ、そんな勘繰りをしていたら殺人描写のある作品なんてどうするんです?リアリティのために、ちょっと殺してみた。なんておかしいですよね?」
「一体何の話だね?よく調べ、よく想像し、素晴らしいじゃないか?ん?何かやましいことでもあるのかね?」
「作品の登場人物に私を投影するのはやめていただきたいです」
「たしかに、作家の性別や年齢や性癖を気にし始めるのはタブーだろうな」
「ご配慮、感謝します」
「でも、ぷぷ、君はホントに恋愛に飢えているのだな!」
「……今まさに、猟奇殺人鬼の気持ちがわかるのですが」
「まあ、きみの言う通り、隣にある非日常という切り口は面白いんじゃないか?」
「……殺人って非日常ですかね?」
「ありふれてはいるが、当事者に成りづらいな、なにせ加害者しか生き残らんからな。で、次は、おおエロだな!」
「エロじゃありません」
「『桃色生徒会の大乱交記』とあるが?」
「『桃色生徒会の混乱行動記』です」
「なるほど、エロいイメージでエロい言葉に誤認させているのだな?」
「まあそういった狙いはありますが、エロを連呼するのはやめていただけませんか?」
「正直になりたまえ、エロの何が悪い!」
「ですから、身バレしたときのため」
「ほう。身バレした後の影響を考えているだと?サイン会、著者近影、インタビュー、アニメ化、製作委員会参加、アカデミー賞授賞式だと?大変だなきみも!」
「……そもそも、書籍化に至った場合、それは個人の栄誉なんですか?それとも弊社の成果なんですか?青色発光ダイオードみたいに揉めたくないのですが」
「だからな、うん。狸の皮の使い道は捕まえてから考えればよいのだ。今はとにかく多くの作品を書きたまえ。戦いは数だよ!」
「それを言いたかっただけですよね?」
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