第8話

「···は?」

「だから、双子を養える環境があったら、養子になってくれるかい?」

「···まぁ、本当にそうなったら、ね」

そういった俺に、ニヤリと笑った。

「実はね、私の家の個人的知り合いの商会にミルラット商会があってね。マスターが言っていたんだ、家を出てしまった娘と仲直りがしたいと」

彼が言うには、数年たって頭が冷えたらしく後悔している、今は娘の相手がどんな人でも、子供がいても大切にするから帰ってきて欲しいと言っていたそうだ。

「彼なら、その双子を大切に養ってくれるだろう。心配なら、彼は祖父と親しく、頻繁に家を訪れるからその時に連れてきてもらえばいい。···どうかい?」

···都合が良すぎる話だ。都合が良すぎて疑いがかなり大きいくらいに怪しい。

でも···

「···あー、分かった。ちゃんとそれが本当だって証明してくれたら、なるよ。養子」

薬ができたから、嬉しそうに笑う彼に別れを告げる。

本当かは、半信半疑と言うより、一信九疑くらいだけど。もしも本当だったら、聖女に近づけるしな、ぐらいに考えていた。

家も教えてないし、わかんないから来ないだろうとか楽観視していた俺は甘かったらしい。


その数日後、ギルバートは本当にミルラット商会のマスターを連れ、俺の家を訪れた。

ちなみに、家は医者に聞いたらしい。

···神様(?)はほんとに神様で、何かいじったのかな?

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