占い師
おばあさん「あなた。
最近蛇さんと。
何かしらの関わりがあった?
それよりもビックリだわ。
てっきり、御稲荷様だと。。
噂には聞いては、居たのだけれども、、」
はあ、、
そうなるよな。。
あまり。こういうので、
良く言われた試しが無い。
少し憂鬱な気分になった。
前にも話したかもしれないが、
基本的には、その家によって、
それぞれに決まっているモノがある。
だが。私の家は特別で。
皆。それらがバラバラなのだ。
おばあさん「うふふ。
警戒させちゃったかしら?
大丈夫よ。
言ったりしないし。
占いの内容も、プライバシーなのよ?」
そういい、手を優しく握った。
小さくもふっくらと。厚みのある手。
「そうね。。」
目を瞑り。深く考えながら、
何かを探している様な顔をしていた。
おばあさん「金魚は、性質上の。
元々あなたに与えられていたモノね。
私の知る限りでは。
金魚は、癒しや、治癒。
まあ、カウンセリング的な事がメインなのだけど。
探知や、察知的な事も出来るわね。。
あまり、対戦には使われず、どちらかと言えば、
対人に特化した、サポート役ね。。
次は蛇さんだけど。。
でも、この蛇さんは、、
んー。。
これは、どっかの神様をしていたみたいね。。
でも、今はもう。
普通の身分に"落とされちゃった"みたいね。
あなたに借りがあるみたいよ??
羨ましいわね。。」
目を開けると、頬に手を当てられる。
手は温かく。何だか、落ち着く様な感じがした。
おばあさん「今。
あなたの中の現状で分かっている事について。
それだけは、教えてあげられる。
だけども、それ以外は。
自分の中から探し出すのよ?
自ら知って、自らで学ぶ事なの。
これから先。
あまり、良く無い事が起きるけれど、
"あなた達なら"きっと大丈夫。」
最後に意味深な事を言われ、
私の占いは終わった様だ。
おばあさん「どうかしら?
何かヒントになる事があったら良いわ。」
いつもは逆だから、何だかこんな感じなのかと。
そう浸りながら、貴重な体験をする事が出来た事に、
少なくともありがたさを感じた。
おばあさんがテーブルの上を片付けると、
奥から女性が来て、大きめの紙袋を渡される。
女性「遅くなって、大変失礼致しました。
大稲荷様に、お渡し下さいませ。
『日々の加護に。恩恵に。
心から感謝致しております。』
そう、御伝え下さいませ。。
また、何かあれば、直ぐにやらせて頂きます。
割れ物なので、気を付けてお運び下さい。
3重になっておりますが、下もお持ち下さい。」
女性は、頭を下げると再び奥へと行った。
「今日は、ありがとうございました。」
おばあさん「いえいえ。
大狐ちゃんによろしくね?」
「はい。」
扉を開けてもらい。外へと出る。
軽く頭を下げ、店を後にする。
既に日は傾きかけ。
街はオレンジ色になっていた。
おばあさん「またいらっしゃい」
遠くに居る面影は、私には居なかった。
自分の祖母の事を彷彿とさせた。
「おばあちゃん。か、、」
良い人だったな。
皆も、終わった後は、こんな風に。
思ってくれていたのだろうか、、
何だが自分が浮いているかの様な。
そんな感覚。
夕食時の匂いが辺りを覆い、
腹時計が、時刻を知らせた。
ぐぅう、、
「腹減ったあ、、」
こうして、初めてのおつかいは、
無事終了したのであった。
「ただいま、、。」
大狐「遅いじゃないかい??
んで。。
どうだった??」
大狐は、袋から早速物を取り出し、
瓶の液体を数本出した。
「日々の加護に。恩恵に。
心から感謝致しております。
また、何かあれば、
直ぐにやらせて頂きます。
と。
大狐ちゃんによろしくね?
だそうで。」
大狐「よろしい。
それで、おまえさんの方は?」
「金魚と蛇。
金魚は、元々で、蛇はどっかの神様だって。」
大狐「あららら。
律儀な蛇も居たもんだね、、」
「ありがとう。」
大狐「別に、、
ただのこれの御使いさね。」
「あっ!
それと、、。
これから先。
あまり、良く無い事が起きるけれど、
あなた達なら、きっと大丈夫って。
最後に意味深な事を言われた。」
大狐「、、、。
はあ、面倒だね、、」
そう言うと、四角い箱を渡された。
大狐「ご褒美だ。」
「ありがとう。」
部屋に帰り、箱を開ける。
中には、ドーナッツが入っていた。
袋から取り出し、ひとつ口にする。
「美味しい。」
夕食前のお菓子。
まるで、いけない事をしているかの様で。
ひとつだけ食べて、こっそりと。
開ける前と同じように箱の蓋を閉じた。
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